【コラム】令和8年3月、3月は誕生月です|益田浩(元新潟県副知事・前中国運輸局長)

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【コラム】令和8年2月 春の気配を感じます|益田浩(元新潟県副知事・前中国運輸局長)

1.はじめに

東京では3月19日に桜の開花を迎え、日に日に暖かくなっていると感じます。一方で、今年は花粉の量が多く、花粉症の薬を飲んでも頭が重い日々です。

3月はスポーツが盛り沢山でした。イタリアのミラノ・コルティナでは、3月6日から、冬季オリンピックに続き、冬季パラリンピックが開催されました。残念ながら、日本は6大会ぶりに金メダル無しの結果となりましたが、熱戦を繰り広げた各競技の選手に敬意を表します。

ほぼ同時期には、野球のWBCが開催されています。日本ではNetflixが全試合を独占ライブ配信する契約となったため、今大会は地上波やBS放送でのライブ中継がありませんでした。私は、長年、スカパー!に加入しており、また、AmazonプライムやTVerでも動画が視聴できるので、Netflixに加入していません。WBCの期間中、寂しい思いをしましたが、その分、リアルタイムで日本代表の動静を把握しようという意欲が薄れました。最低限、WBCの期間中だけNetflixに加入すれば済むのですが、大谷選手をはじめとするスター選手が多数参加する大会であり、野球への関心を高める絶好の機会にもかかわらず、気軽に視聴できないのはもったいないと感じます。

3月下旬には誕生日を迎え、58歳となりました。もう還暦も目前です。信じられません。同期とよく話しますが、実年齢と精神年齢のギャップが年々大きくなります。自分の精神年齢は30代くらいです。サザエさんに登場する波平さんの設定年齢は54歳、奥様のフネさんは50ン歳(アニメ版)とのことで、現在の感覚だとプラス20歳くらいの貫禄ですね。私は実年齢マイナス20歳くらいを目指します(笑)。

身体を動かすことに関しては、1年後に杖道五段の昇段審査を控えているため、週2回の稽古を続けており、運動量が落ちる心配はありませんが、頭の体操に関しては、仕事のほか、中小企業診断士資格の取得以降、サボっている資格試験にチャレンジしても良いかも。推しごとも若さを保つには不可欠ですよね。

 

2.イラン戦争

2月28日、世界情勢を大きく揺るがせているイラン戦争が起きました。あえて戦争と呼んでいます。現時点で終息の目途が見通せません。ベネズエラでの「成功」体験に味を占めたのか、アメリカとイスラエルはイランの核開発計画を巡る交渉中に、突如、イランを空爆しました。イランの最高指導者であるハメネイ師をはじめ、多数の指導者が殺害され、イランは報復として事実上ホルムズ海峡を封鎖しています。アメリカとイラン双方による和平への模索が始まったような報道もありますが、イスラエルという変数もあり、具体的な進展があるのか、全く予断を許しません。

日本の対応は後述しますが、日本に原油を運ぶタンカーがホルムズ海峡で足止めされています。原油価格の高騰に日本のガソリン価格も連動し、電気代なども早晩、値上がりすることが見込まれるため、企業業績への足枷になるとともに、物価高に拍車がかかります。アメリカは原油の輸出国であり、シェールガスも産出しますが、ガソリン価格の上昇など物価高の影響は出ているようで、中間選挙を控えて、国内世論に敏感となるアメリカのトランプ大統領の発言が二転三転する要因ともなっています。

これまでのところ、アメリカは、直前に発生していたイラン国内での反政府デモの広がりから反体制勢力の厚みを読み違えるとともに、宗教国家であり、地域大国でもあるイランの反撃能力・継戦能力を甘く見ていたと言わざるを得ません。短期決戦で終結させるアメリカの目算が外れ、かつ、イランが湾岸諸国に対しても報復(?)攻撃に出ているため、世界へのエネルギー供給を人質に取った形の徹底抗戦となっています。現在、両国が提示する戦争終結条件はお互いにとってかなり高めであり、今後、両者がより現実的な条件にどれだけ歩み寄れるか、世界中が固唾を飲んで見守ることになります。

世界的に俯瞰すると、アメリカのウクライナ戦争への関心は薄れ、より切実にはアメリカ製兵器の供給が中東優先にシフトする結果、ウクライナへの武器の供給不足が懸念されています。アジアにおいても、在日・在韓米軍から中東へ派兵されており、アメリカの台湾海峡問題への関与が薄らぐでしょう。

 

3.イラン戦争と日本の対応など

上記の状況では、日本にとって、経済の観点だけでなく、安全保障の観点からも、イラン戦争の早期終結が切望されており、そのために汗をかく必要があります。3月20日、日米首脳会談が開催されましたが、本来、この会談は、高市総理の台湾有事発言に起因する中国との関係悪化を踏まえた日米同盟の再確認と、いわゆるトランプ関税を緩和するための巨額な対米投資、さらには、中国に供給を握られているレアアースの安定的な確保などが主要なテーマとなると見込まれていました。ところが、イラン戦争後は、日本向け原油の約90%がホルムズ海峡を通過している(LNGは約6%)など、日本は同海峡の自由な通行により大きな恩恵を受けていることから、自衛隊の艦船の派遣を含む同海峡の自由通行の確保に向けた具体的な貢献の有無が重要なテーマとして持ち出される蓋然性が相当高くなっていました。

メディアでの解説にもあるとおり、現行法下では、戦時下で自衛隊の艦船をホルムズ海峡に派遣することはできませんが、相手はトランプ大統領ですから、日本の法律の枠組を説明したところで納得してくれるとは到底思えません。メディアの前でのウクライナ・ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の口論は、全世界に報道されました。高市総理が同じような場面を再現するとなると、悪夢としか言いようがありません。自分がこの会談に臨むと想像すれば、胃が痛むどころの騒ぎではないでしょう。

しかしながら、蓋を開けてみれば、高市総理は見事に乗り切りました。少なくとも公表されている限り、具体的な失点は無かったように思います。非常にプレッシャーがかかる空間において、言葉のひとつひとつを考え抜いて発しており、トランプ大統領の笑顔を引き出して、全世界に日米同盟は堅固であるとのアピールができました。私は日米首脳会談の成果を高く評価しているのですが、朝日新聞は「ごますり巧み」と報じていました。政権批判が同紙の存在意義とはいえ、自らは安全な場外にいて大所高所から「正論」を吐かれてもなぁと感じます。あの場で「アメリカの攻撃は明確な国際法違反である」とか、「アメリカが勝手に始めた戦争に日本が巻き込まれる言われはない」とか、啖呵を切ればその瞬間は気持ちが良いですが、国益を考えれば最悪でしょうね。

後から、案ずるより産むが易し、と言ってしまえばそれまでなのですが、欧州やNATOに対するトランプ大統領の敵対的な発言、態度と比べると、日本に対する親近感や信頼感が根底にあるように思えてなりません。第一次トランプ政権誕生の際、欧州の首脳がトランプ大統領をなりあがり者扱いし、ともすれば、見下した態度を取ったのに対し、当時の安倍総理は十分な敬意を持って接しつつ、欧州首脳との橋渡しをしたため、トランプ大統領は救われていた、との書き物を読んだことがあります。そのときはそんなものかなと読み流しましたが、実は正鵠を射ているのかもしれません。

一方、イランとの関係において、日本は一日の長があります。古くは、正倉院に古代ペルシャ由来の宝物が多く収蔵されているなど、シルクロードを介した交流がありました。近代になってからは、1929年に正式に国交が成立し、戦後の1953年には、映画「海賊とよばれた男」のモデルとなった日章丸事件があり、イギリスによる海上封鎖を突破して、イランの原油を日本に運んでいます。今でこそ、イランからの原油の輸入量はゼロ(2019年5月以降)となっていますが、長らく多くの原油をイランから輸入しており、イスラム革命後も友好関係を維持してきました。2019年6月には、当時の安倍総理がイランを訪問し、ハメネイ師と当時のロウハニ大統領と会談しています。アメリカにはできない外交です。現在でも、メディアによく登場するアラグチ外務大臣は駐日イラン大使を務めており、知日派です。日本は、アメリカや欧州にはない伝統的な友好関係や人的つながりを活かし、今回のイラン戦争終結、その後の地域の安定化に向けた独自の外交・貢献ができると思いますし、すべきでしょう。

このような緊迫した国際情勢の中、先の衆議院選挙で大敗した野党が何をしているのかと言うと、正直がっかりです。さすがに、中道連合も国民民主党も日米首脳会談をごますりとは評価していませんが、野党の一番の関心は来年度予算の年度内成立の阻止で、そのことが目的化しています。国会での審議を尽くすと言いつつも、実際の審議での質問内容は来年度予算とは関係ない内容が散見されます。このような体たらくでは、野党が国民の信頼を回復するのは先だろうなと感じます。

イラン戦争による原油価格の高騰の影響が気になり(電気で走る鉄道会社ですから)、ウクライナ戦争時の状況と比較したところ、原油価格の高騰は同じでも、決定的な違いが為替でした。ウクライナ戦争が始まった2022年2月24日の円相場は約115円、この原稿の執筆時は159円半ばです。わずか3年でこれだけ円安になっているのかと愕然としました。日本は産業構造の変化により、多くの製造業が国外に移転したため、必ずしも円安で輸出が大幅に伸びる訳ではありません。むしろ、資源や原材料の輸入価格が高騰して、インフレにつながっています。電気代や燃料費、住居費用の高騰は若年層や高齢者層への悪影響が大きく、社会不安を起こしかねません。政府には、一刻も早く、行き過ぎた円安の是正措置を講じていただきたいと思います。

 

4.終わりに

今月は月末に北海道・札幌市に行き、北海道庁に勤務した頃(2004年~2005年)の上司・同僚と懇親をしてきました。濃淡はあるにせよ、概ね、半年に一度は札幌市を訪問して懇親会をしています。当時は道庁の交通企画課長として、第三セクターであるちほく高原鉄道の廃止とバス転換という重い課題を抱え、休日も返上して沿線地域で会議を開催するなど大変な日々もありましたが、濃密な時間を共有した分、20年以上経っても交流が続くのはありがたいことです。

残念ながら、新潟を訪問する機会は無かったのですが、東京で新潟ゆかりのお店を訪問しました。1軒は西早稲田にある「さかやな しんせい」。ご主人は燕市出身とのこと。栃尾のワインT100(WINE FARM TOCHIO)をはじめて飲みました。特に赤ワインに個性を感じました。

栃尾ワインT100 Kerner(白ワイン)

もう1軒は東京駅近のTsubamesanjo Bit東京店。言わずと知れた新潟の名店Bitの支店ですが、今度、虎ノ門エリアにも進出するとのこと。楽しみです。カウンター席で、玉川堂のジョッキを片手に新潟のうんちくを語りながら、美味しい料理をいただきました。

Tsubamesanjo Bit 東京店にて(上2枚)

最後に推しごとについて。随分、久しぶりにNGT48のオンラインお話会に参加して、メンバーから恒例のお叱り(船(STU48)に乗って帰ってこない、もっと新潟に来なさい)を受けました。もはや認知があるのは、1期生、ドラフト3期生、2期生のみですが、ドラ3期生の藤崎未夢さんが卒業を発表したので、いよいよ寂しくなってきました。

STU48の関係では、これまたメンバーからお叱りを受けそうですが、東京・池袋で開催されたドラ3期生の中村舞さん(舞Q)のバレエミュージカルを観に行ったくらいか。代わりと言っては語弊がありますが、最近は、元STU48ドラ3期生の沖侑果さん(沖ちゃん)がイチオシになっています。元々、STU48は沖ちゃんから入りましたので、引き続きという感じか。

3月は、オンラインお話会、朗読劇、舞台劇、オンラインカレンダーサイン会2回、デジタル写真集2冊など、充実した推しごとができました。沖ちゃんは東京での活動が多いため、仕事帰りや休日の合間にも参加できるのがありがたいです。中国運輸局長の頃、彼女を含むSTU48のメンバー4人に内航海運の仕事を紹介する案件をお願いしたことがありましたが、また一緒に仕事をしたいです。

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