【今秋のクマ大量出没は限定的か】新潟県のブナ、15年ぶり「大豊作」 専門家が予測

県全体における堅果類の豊凶指数年変動 報道資料より
新潟県は9月28日、ツキノワグマの出没傾向に影響するブナなどの木の実(堅果類)について、2026年度の豊凶調査の確報を発表した。今秋は県全体でブナとクリが「豊作」、ミズナラ、コナラ、オニグルミが「並作」となった。
調査は8月1日から31日にかけ、佐渡島と粟島を除く県内全域の232地点で実施。ブナ、ミズナラ、コナラ、クリ、オニグルミの5樹種について、調査員が目視で実の付き具合を確認した。
地域別では、ブナは上越、魚沼、中越で豊作、下越で並作。クリは魚沼、中越、下越で豊作、上越で並作となった。
特にブナは、県全体の豊凶指数が「2.48」となり、過去最高だった2011年の「2.49」とほぼ同水準で、15年ぶりの大豊作となった。
調査した1,505本のうち1,292本(85.8%)が豊作または並作だった。地域別では魚沼が2.80と最も高く、中越2.64、上越2.09、下越1.97となった。
県の調査結果について、新潟大学の箕口秀夫名誉教授は、今年の堅果類の結実状況が2011年や2015年などとよく似ていると分析。これらの年は秋のクマの出没が春から夏より減少し、大量出没年にはならなかったという。
このため、今年の秋から初冬にかけて、人里や市街地へのクマの出没は「昨年およびこれまでの大量出没年と比較すると、かなり限定的になる」と予測している。
一方で、クマの出没がなくなるわけではない。箕口名誉教授は、過去の大量出没を経てクマの生息域が人里や市街地に近い場所まで広がっていることや、目撃・痕跡の報告件数が増加傾向にあることを指摘。初冬にはカキやギンナン、収穫残渣、生ごみなどを求めて人里に現れる可能性もあるとしている。
県も、依然としてツキノワグマの出没が確認されているとして警戒を呼びかけている。キノコ狩りや秋の行楽などで山に入る際には、事前にクマの目撃情報を確認するほか、複数人で行動して鈴やラジオなど音の出るものを携行し、クマの活動が活発になる早朝や夕方の入山を避けるよう求めている。また、生ごみや不要になった農作物を適切に処分し、柿などの放任果樹を除去することも重要としている。
なお、箕口名誉教授は、今年のブナの大豊作などを踏まえ、来年はブナが凶作となることや、冬眠期間中に多くの子グマが生まれる可能性についても言及している。これらは過去のクマ大量出没年にみられた特徴だとしており、今後の動向にも注意が必要となる。