Jマテ.カッパープロダクツ(上越市)に富山県の13社18人が視察 現場改善とDXの実践学ぶ

前半は座学でJマテ.カッパープロダクツ(新潟県上越市)の山本耕治代表取締役社長による講話を聞いた

銅合金の鋳造・加工を手掛けるJマテ.カッパープロダクツ(新潟県上越市)は10月20日、同市頸城区西福島の精機工場で、富山県の企業関係者ら13社18人の視察を受け入れた。「とやまDXコンソーシアム」のデジタル化実践講座の一環。同社が進める現場改善とデジタルトランスフォーメーション(DX)を組み合わせた生産方式や、人工知能(AI)の活用を学んだ。今回の主催者が産学官金の連携団体であるため、新潟県外の行政関係者を含む視察団を同社が受け入れるのは初めてだという。

同社は回収した非鉄金属資源から銅合金を鋳造・加工し、国内大手の給水機器メーカーや機械メーカーに納入する。水道部品の連続鋳造品では国内トップクラスのシェアを持ち、素材開発から鋳造、機械加工まで一貫して手掛けている。

冒頭、とやまDXコンソーシアム会長を務める 田中精密工業株式会社の田中英一郎代表取締役社長は「本日は、Jマテ.カッパープロダクツの山本社長をはじめ、皆様に富山県の企業を受け入れていただき、本当にありがとうございます」と謝意を示した。「日本の製造業、あるいは日本の企業全体が、労働供給に制約のある社会を迎えている」と指摘。「企業を継続、成長させていくには、DXやデジタルの力を使わなくてはならない」と述べた。

その上で「非常に先進的な取り組みをされているJマテさんから学び、その内容を自社に持ち帰りたい。今度はJマテさんに恩返しができるよう、富山県の企業として一生懸命勉強させていただく」と語った。

DXの取り組みについて話す山本代表取締役社長

次に、Jマテ.カッパープロダクツの山本耕治代表取締役社長の講話が行われ、山本代表取締役社長のリーダーシップの下、2022年4月にDX推進プロジェクトチームを発足。改善活動とDXを組み合わせたJPS(Jマテ生産方式)による取り組みを進めてきたことなどが紹介された。2026年9月には第3期のDX推進に向け、地域との連携を掲げた新たな『DX宣言』を公表した。産地消のDX」を掲げ、自社の取り組みを地域に還元する方針で、毎年100人以上がセミナーや工場見学で学んでいる。

DXの取り組みをプレスリリースで発信し、知名度の向上や、先進的な企業としての認知につなげてきた。工場見学を通じた地域貢献の機会も増えている。自社だけで成果を得るのではなく、地域への還元を目指す姿勢がある。

現場では、技能実習生の受け入れに伴い、作業の勘やこつを伝える約200枚の資料をAIで再構成し、翻訳や350種類の手順書の作成に活用した。3年前に頓挫したホームページの刷新も 2025年12月に完了し、リニューアル後は平日1日当たりのページビュー数が従来比約14倍に増加した。その後は週1、2回の引き合いと月1回の受注があり、継続受注にもつながった。さらに、RAGや画像認識、AIエージェントなど、自社に適した技術の研究をパートナー企業と進めていることなどが報告された。

その後、工場見学、山本代表取締役社長とのディスカッションなどが行われた。締めくくりに、株式会社桑山の堀功富山工場顧問は「心に残ったのは、アナログの改善が先にあり、その後にDXがついてくるというステップが非常に重要なのだろうということ」と振り返った。「自分たちで基幹システムに関わる仕組みまで作れる力があることも、素晴らしいと感じた」と評価した。また、「トップの思いを社内に浸透させるには時間がかかる。諦めた時点で終わりだ」と強調。「皆さんもそのことを学ばれたのではないかと思う」と述べ、「会社に戻られたら、諦めずに粘り強く、最後までやり通すことを実践していただければ、今回の訪問の成果がさらに大きなものになる」と参加者に呼びかけた。

後半は、ディスカッションと工場見学が行われた

冒頭に挨拶した田中社長によると、県外視察は昨年度の岐阜県に続いて2回目。富山県庁にDXの先進企業を探してもらい、近隣にある同社への訪問が決まった。自身の会社もトヨタ生産方式(TPS)を導入しているといい、「ホームページで先行して聞いていた通りの内容だった。あとは現場を見させていただき、自分が想像していたことが確信に変わることがとても楽しみだ」と話した。

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