飲食料品の消費税引き下げ 県内企業の55.2%「経済活性化につながらない」
飲食料品の消費税率引き下げが日本経済の活性化に「つながる」とみる新潟県内企業は16.7%にとどまることが、帝国データバンク新潟支店が10月22日に発表した「飲食料品の消費税率引き下げに関する企業の意識調査」で分かった。「つながらない」は55.2%と半数を超え、自社の売り上げについても77.4%が「変わらない」と答えた。
調査は8月18日から31日にかけて県内の384社を対象に行い、239社から回答を得た(回答率62.2%)。政府は2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を8%から1%に引き下げ、その後8%に戻して給付付き税額控除に移る基本方針を示していて、調査はこの方針を前提に行った。実施には関連法案の成立が必要で、時期や制度の詳細は今後変わる可能性もあるという。
日本経済の活性化につながるかを尋ねたところ、「活性化につながる」が16.7%、「活性化につながらない」が55.2%、「分からない」が28.0%だった。否定的な見方が肯定的な見方の3倍以上となり、多くの企業は税率引き下げの効果が経済全体に広がるかを慎重に見ている様子がうかがえるという。

消費税率引き下げにより日本経済の活性化につながるか(帝国データバンク新潟支店の資料より)
自社の売り上げへの影響では「変わらない」が77.4%と8割近くを占めた。「増加」を見込む企業は7.5%、「減少」は4.6%、「分からない」は10.5%だった。増加の内訳では「1%以上2%未満増加」の2.1%、減少の内訳では「3%以上5%未満減少」の2.9%が最も高かった。
回答をもとに同支店が試算した期待売上増減率は+0.14%となった。減収より増収を見込む企業がやや多いものの小幅なプラスにとどまり、売り上げを大きく押し上げる効果は限定的とみている。この数字は回答の方向と強さをまとめた指標で、政策効果の予測値ではないとしている。

消費税率引き下げによる売り上げ増減見通し(帝国データバンク新潟支店の資料より)
企業からは「今まで消費税率の引き下げが行われたことがないので、2年間の期間限定ではあるが今後の検証事例として活用してほしい」(サービス)と期待する声がある一方、「期間限定の減税のため、税率を戻す際の増税感が大きい」(小売)と、減税期間が終わった後の企業マインドの低下を心配する声も上がった。
同支店は政策の実施にあたって、外食から内食・中食への需要の移動を含めて業種ごとに異なる影響を考えること、導入時と終了時の価格表示やレジ、会計システムの変更に十分な準備期間と必要な支援を用意すること、外食・宿泊業への影響や財源、2年後の移行方針を一体的に説明することの3点が重要になると指摘する。
また、新潟県は米菓や餅、日本酒などを中心とした日本でも有数の食品製造県で、税率引き下げによる需要の拡大が期待される。ただ、米や野菜、肉などの価格上昇が続けば減税効果が相殺される可能性もあり、食品価格の動向も慎重に見守る必要があるとしている。