コジマタケヒロのアルビ日記「新潟の鉄人 早川史哉選手」

早川史哉選手(©ALBIREX NIIGATA)

アウェイで行われた、J2リーグ第30節、対東京V戦。右サイドバックとして先発したのは、ここまで不動の藤原奏哉選手ではなく、早川史哉選手だった。

「どちらかというと3バックというか、センターバックの意識を持ったサイドバックだったので、守備の安定と三戸へのボールの配給が主な仕事でした。前半戦は非常にうまくできたが、相手が押し込んできたときに、もう一回自分たちがボールを保持して、三戸の良さを生かして、押し返すことができていたらPKの場面も訪れなかったと思う。自分がサイドバックのときは、前にガンガンいけるような選手がいてくれるとお互いの良さが出ると思うし、やりやすいとも感じています」

昨シーズンは右のサイドバックとして出場していたが、今シーズンは北九州から藤原選手が加入。多くの試合はセンターバックとしての出場だった。

今シーズンの早川選手について、アルベルト監督はこんなふうに話している。

「フミヤは劇的に成長している。彼に適しているのはサイドバックよりもセンターバックであるとこの期間、明確になってきていると思う。長身ではないが、フィジカルコンディション、積極的なプレー、賢いプレーが彼をセンターバックとしてとても高いパフォーマンスをすることを可能にしている。もちろん、サイドバックでもいいプレーができるので今後サイドバックとして起用することがあると思う。また、ビルドアップをはじめ、攻撃面でもいいプレーをできるようになってきた。1年半前に彼と会ったときと比較すると、明確に違うレベルに達している」

今シーズン、経験豊富な千葉和彦選手が再び新潟に戻ってきた。今年6月に早川選手へ、千葉選手、舞行龍ジェームズ選手から学ぶものについて聞いてみたことがある。そのときと同じ質問を東京V戦後にもしてみた。

「非常に僕自身、充実したというか、いろいろなものを盗んだり、また彼ら2人にないものを試合で披露できていると思います。ただやはり彼らにはJ1でやってきた自信みたいなものが間違いなくあって、それがピッチの中でのパフォーマンスに影響しているんだって、何試合か一緒にプレーしてみて感じた。強い気持ちというか。プレーパフォーマンス以外というよりは、メンタル的な部分というのが、2人から学んでいるところですね。今シーズンは、自分のキャリアの中で間違いなく一番いいシーズン。やりがいを感じているシーズンです。自分の中での課題だったり、試合に出て感じた悔しい思いを常に受け止めて、トレーニングや次の試合で修正してきた。今シーズン、ずっと自分自身でやり続けてきたことが自信や後ろ立てとなって今、僕を支えてくれています。だから、これから何が起こっても100%受け止める、そういうマインドでいければ、もっともっといい流れに乗れると思う。本当にやれることをやったって、自分が自信を持って言えるような試合を毎試合やりたいと思います」

淡々と、だが熱量を感じさせる力強い言葉。新潟の28号、もとい28番の強い想い、成長がチームを鼓舞し、戦う勇気の源となっている。

 

◎アルビライター コジマタケヒロ

練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート

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