国内最大級の屋内スケートボード施設「村上市スケートパーク」は聖地になるか

大きな溝の形をした「パーク」(左)と様々な障害物が置かれた「ス
トリート」(右)

村上市の瀬波温泉にある国内最大級の屋内スケートボード施設「村上市スケートパーク」。2019年4月27日に鳴り物入りでオープンしてから、はや3カ月が経過した。来場者数は19年7月に6000人を突破。見学者数はそれ以上と、賑わいを見せている。

スケートボード利用者の半数以上は市外・県外から訪れており、国内トップクラスのプレイヤーが練習拠点にするなど施設への評価は高い。同施設がめざすものは、国内外からスポーツを中心に街に人が集まる「スケートボードの聖地」だ。

同施設のセクション(競技設備)は、スケートパーク設計で世界最高峰といわれている米国のカリフォルニアスケートパーク社の監修による設計。約1500平方メートルのアリーナは屋内スケートボード施設として国内最大級の規模だ。

アリーナは大きく分けて「パーク」と「ストリート」という2つのセクションがある。大きな溝の形をしたパークは高低差が1・8メートルから3メートルと、世界最高峰の難易度になっており、国際大会が開催できる基準も満たしている。ストリートはクォーターパイプや階段など障害物が設置されており、様々なレベルの競技者が楽しめるようにデザインした。

5月10日から12日に同施設で開催した「第3回日本スケートボード選手権大会」では、国内で初めてパークとストリートの2競技を同時開催し、会場へ2400人以上もの来場者が市内外から訪れた。

国内最高レベルの施設環境は大きな魅力だ。14年ソチ、18年平昌のオリンピックで2連続の銀メダルを獲得し、第3回日本スケートボード選手権大会で初出場初優勝を果たした平野歩夢選手(木下グループ所属)をはじめとするトップクラスの選手達が練習する光景が見られることもある。

上村海音ちゃん(12歳)と赤間凛音ちゃん(10歳)の2人は国内外の数々の大会に出場し、活躍している若きスケートボード選手だ。海外のスケートパークにも引けを取らない設備があることから同施設を練習の拠点としている。こうしたハイレベルな選手たちが集まる場所として認知が進み、全国から選手や見学者が訪れる流れが少しずつ生まれている。

週にかなりの頻度で練習に訪れるという上村海音ちゃん(写真右)と赤間凛音ちゃん。家族の影響でスケートボードを始めた2人だが、今では国内外の大会で活躍をみせている

 

 

同施設は市内のスポーツ振興を図る役割もあり、スケートボードを行なうアリーナのほかにもボルダリングルーム、トレーニングルーム、ランニングコースを備えている。利用料はアリーナで大人500円、18歳未満の小人200円、トレーニングルーム・ボルダリングルームは大人200円、小人100円など安価で、長期的な利用にも適している。スケートボード・スポーツクライミングは2020年のオリンピック正式種目になったことから興味を持つ人が以前より格段に増えた。そこで、定期的にスケートボードやボルダリングの初心者体験教室を開いており、競技人口の増加に貢献している。

 

国内外の大会誘致に注力

同施設の今後のビジョンとして「本物のスケートボードに触れられるまちづくり」を掲げている。スポーツを中心とした健康増進や観光誘致のPRなど、スポーツの持つ経済的・社会的な価値と地位を向上させることが目標だ。話題性も後押ししオープンから好スタートを切っている。9月14日開催の「ムラサキスポーツスケート大会」など、同施設は今後も国内外から大会を誘致活動に力を注ぐ(註・取材は8月に行いました)。

また、アリーナの難易度をパークは国際大会・ストリートは国内大会水準に合わせたことから初心者にとっては難しいため、施設側は木材を加工し、パークに入るための練習をするセクションやストリートでより練習しやすいセクションを作成するなど初心者から上級者まで利用しやすい環境整備を行っている。