ダイニチ工業が世界最小サイズ燃料電池ユニットを共同開発・製品化

右:吉井久夫・ダイニチ工業代表取締役社長、左:横尾直樹・同社開発本部特殊機器開発部長

石油暖房機器の製造・販売などを手掛けるダイニチ工業株式会社(新潟市南区)は10日、同社本社で、“世界最小サイズ”の燃料電池ユニットの共同開発・製品化に関する記者会見を行った。

同社は、京セラ株式会社(京都市伏見区)とパーパス株式会社(静岡県富士市)と、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファームミニ」の「燃料電池ユニット(貯湯タンク内蔵、定格発電出力400W)」を共同開発し、東京ガス株式会社(東京都港区)に採用された。東京ガスはパーパス製の熱源機と組み合わせ、10月30日に販売を開始するという。

記者会見に臨んだ吉井久夫代表取締役社長は、「十数年来の燃料電池開発の取り組みがようやく実を結び、新製品を出すことができました。燃料電池ユニットは京セラさんのブランドとして東京ガスさんに供給します。販売開始に向け、既に受託生産を行っています。今後、当社の柱の1つになってほしい」と意気込みを語っていた。

住宅密集地の戸建住宅への設置も見込める製品

燃料電池ユニット

エネファームミニの燃料電池ユニットは、セルスタックや貯湯タンク容量の小型化・形状工夫により、エアコン室外機と同等の世界最小サイズを実現し、奥行き500㎜のスペースに人の手で設置可能となったことが特徴。ユニット自体の低重心化で下駄基礎の利用が可能となり、短時間かつ低コストで設置工事が完了することも可能。加えて、騒音値は最大38デシベルと静かであり、住宅密集地の戸建住宅への設置が見込めるという。

また、燃料電池ユニットの定格発電出力を400Wとした背景には、省エネ家電の普及や東日本大震災以降の一般家庭における節電意識の高まりがあるという。さらに、この燃料電池ユニットは100~200Wといった待機電力程度しか消費していない状況でも、臨機応変に高効率の発電を行うという。年間のCO2排出削減量は約1トンと見込んでいるという。

燃料電池ユニットのスペック

災害時にも継続的に発電する“レジリエンス機能”を標準搭載

さらに、この燃料電池ユニットは、災害時にも継続的に発電する“レジリエンス機能”を標準搭載している。停電時でもガスの供給さえあれば400Wで継続的に機能し、テレビの視聴や携帯電話の充電ができるという。さらに、熱源機を活用することにより、停電時でも床暖房機能を使用できるというから驚きだ。

なお、経済産業省は2030年までの定置型燃料電池の普及台数の目標を約530万台としているが、2018年時点では27・6万台に留まるという。吉井代表取締役社長は「燃料電池ユニットは可能性を秘めた製品であり、普及の一翼を担いたい」と語っていた。