新潟県胎内市が新年度の予算案を発表

  • 1か月前
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胎内市長の井畑明彦氏

新潟県胎内市は19日、新年度の予算案を発表した。当初予算総額は、前年度比で8億5300万円多い、5.59%増の161億800万円だ。銀行などへの借り換えを行う借換債を差し引いた実質的な額でみても、前年度比で約3億6800万円多い、2.5%増の約151億3000万円となっている。

胎内市は、市の貯金に当たる基金が減少し財政状況が厳しくなる中、今年度予算で各種事業見直しなどを細かく実施し、歳入に見合った計画を策定。新年度予算では、将来にわたって持続可能であることに配慮する一方で、産業の活性化や出産・育児・教育に資する施策を実施するため、再び増加に転じた格好だ。

産業の活性化に関する施策としては、新たに「農業創意工夫応援事業補助金交付事業」を打ち出し、500万円を計上。これは、新たな作物の試験栽培や新商品の開発のみならず、栽培管理システムやドローンの活用といったスマート農業の導入支援、既存の作物に関する新たな販路拡大や有機栽培についても支援対象にするなど、持続可能な生産基盤の強化や農業の成長産業化を狙った取り組みだ。市の想定では、1件当たり約50万円で、約10件の支援を見込んでおり、事業規模に応じて補助金の額はある程度柔軟に対処するという。このほかにも、市は中小企業支援事業を引き続き実施し、創業や人材の育成・確保を支援していくとした。

さらに、胎内スマートIC整備事業に関しては、NEXCO東日本が行う胎内スマートIC整備に伴い、市も用地測量や用地確保、側道整備などを実施するため、約2億2300万円を計上。胎内スマートICに関して、市は企業誘致の促進や観光客の増加といった地域の活性化のみならず、救急搬送への活用など様々なプラスの効果を見込んでいるという。

胎内スマートIC周辺には、新潟中条中核工業団地や新潟食糧農業大学(新潟市)の胎内キャンパスが所在するなど拠点化が進んでいる。特に、同工業団地には、米粉を生産する新潟製粉(胎内市)や米粉パンを製造するタイナイ(胎内市)などが入居している。地元の農業の活性化やこれら企業の物流面の強化など複数の観点から、胎内スマートICの早期完成が望まれる。

また、教育・子育て・少子化対策に関する施策では、子育て支援事業として約107万円を計上し、少子化対策の充実を図るという。このほか、妊産婦医療費助成や子供医療費助成などにも予算を計上し、妊産婦や子育て世代の親の負担軽減を引き続き行うとした。さらに、教育に関する取り組みとしては、コミュニティスクール運営事業として約206万円を計上。このコミュニティスクールは市内の全小中学校で本格稼働する予定であり、今後、学校と地域が一体となり、未来を担う子供たち育む学校づくりをさらに推進されるという。

このほか、地球温暖化抑制や地域活性化を目的とした洋上風力発電に関する取り組みに約85万円を計上。今後、風力発電の促進区域への指定に向け、国や県との連携を深め、諸条件の整備に取り組んでいくという。

胎内市長の井畑明彦氏は、新年度予算について、「市が将来にわたって持続可能であり、なおかつ成長・活性化に資する施策を念頭に置き、次世代を担う子供たちのため、子育てや教育の施策をさらに拡充するなど、様々な要素を盛り込んだ」と話した。県の予算の歳出削減について問われると、市の当初予算に大きな影響はないものの、今後、必要に応じて補正予算を組むことを検討しているという。