連載 第11回 新潟出身の起業家たち スリーシーズ株式会社星野順也社長


東京都港区にあるスリーシーズの本社。月に1度近隣で、園長会を開き保育事業の質向上につなげている

『安心・安全・安定』で、こどもの健全な成長とママのキャリアアップを支援

スリーシーズ株式会社(東京都港区)は、保育施設の設置・運営を主な事業としている。運営している施設の多くは、住宅街の中に立地。共働き家庭の母親が、仕事前にこどもを預けて帰宅時に迎えに来る光景がよくみられる。星野順也社長は「保育園でこどもの健全な成長を支援するのはもちろん、預けるお母さんのキャリアアップにも貢献したい」と意気込む。

スリーシーズが運営する保育施設は4都県に12か所ある。定員20人以上を受け入れられる認可保育施設は千葉県と東京都で1か所ずつ設置・運営。同19人以下の小規模保育施設は東京のほか神奈川県と新潟県で計8か所。同社が所属するNSGグループの施設内にある企業主導型保育施設も、新潟県内で2か所運営を受託している。

1月中旬時点での在園児数は、12か所で200人以上にわたる。保育スタッフは、20代から40代と幅広い。星野社長は「元気な若いスタッフが与える明るさ、そして経験豊富なベテランスタッフの安定感。その2つが合わさって、お母さん方に好印象を与えているのではないか」としている。12か所の中には、30代前半のスタッフが園長を務めている施設もある。「当社は7期目の会社で、発展にむけていろいろと模索を続けている。だから、若いスタッフもどんどん能力を発揮でき、周囲も助け合える土壌があると思う」(星野社長)。

新潟市中央区にある「NSGインターナショナルこども園ふるまち」(スリーシーズ写真提供)

 

東京・千葉・神奈川・新潟で展開

東京・千葉・神奈川・新潟と広範囲で事業展開しているスリーシーズ。星野社長は各園の自主性や保育の方針を尊重しつつ、月に1度のペースで園長会も東京で実施している。会で話し合うのは、日々の活動や取り組みの結果報告、そして今後園で取り組みたいことの提案だ。例えば「園児たちとうたう『わらべ歌』を取り入れたいが、どんな歌がいいか」といった日ごろの活動に関するものから「将来は、英語やスポーツなどのメニューを教育に取り入れたらどうか」と将来展望に関するものまで幅広い。園長会で協議、結論に達しておのおのの園長が自分の園で反映することで、園それぞれで活動内容の質に差が出ないようにしている。

同社の保育理念は「安心・安全・安定」だ。だからこそ、先述した園長会では「園内で発生したヒヤリ・ハット事例」の報告も欠かせない。事例を共有することで、「ではこういう面に気を付けよう」と園長全員で意識を持てるためだ。各園共通して事業の軸に据えているのが、「子供の健やかな成長」、「女性の社会進出支援」、そして「安全・安心な保育」だ。そのためにも、各園が守るべきところは守りつつ、自主性も発揮しながら運営をしている。
星野社長は社会福祉士の資格を持ち、大学卒業後は高齢者福祉の仕事に従事していた。国際総合学園に転職し、保育について教える教員や学ぶ生徒と触れ合ううちに、保育・幼児教育に興味を持ち始めたという。「高齢者福祉も、保育も、『人生を幸せにする』という仕事の本質は一緒だと気づいた。とても奥が深い」(星野社長)。

今後の保育事業について、英語やスポーツ、音楽といった教育メニューの充実を考えている。「こども達が大きくなった際、社会から求められる人材にする」ことを視野に入れているためだ。また、NSGグループの持つ教育コンテンツも落とし込み、グループのシナジー効果創出も検討している。もちろん、新潟県に関しても星野社長は「保育園の活動を通じて県の発展に貢献していければうれしい」としている。

スリーシーズという社名は、同社が運営する「キャリー保育園」が展開する保育方針「Carry Child Care」の3つのC、そして子供たち=将来社会に芽吹くためにすくすくと育つ種(Seeds)から名付けた。保育メニューの充実や「安心・安全・安定」の徹底などを通じて、こども達がよりすくすくと育てるよう土壌を作り、今後も事業を展開する。

星野順也(ほしの・じゅんや)社長。1972年長岡市生まれ。96年東北福祉大学卒業後、新潟市内の社会福祉法人に入職。その後、NSGグループの国際総合学園に入社。国際こども・福祉カレッジの教員を経て、18年に同グループのスリーシーズに出向。19年8月、社長に就任。47歳

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biz Link2020年2月10日号より転載