新潟県上越市の魚住かまぼこ店がネット販売などを強化


魚住かまぼこ店のかまぼこ商品

上越市の魚住かまぼこ店(一般財団法人上越市環境衛生公社、上石秀一理事長)は、かまぼこ事業を強化する。具体的には、ネット販売の強化、観光客の誘客強化、新商品開発などを行ない、県内大手メーカーや市内の老舗企業に対抗する。

販売強化については、4月からネット販売を強化する。従来から販売サイトはあるが、SNSを活用して認知度をアップし、販売力を強化する。昨秋から準備を進めており、ヤフー、アマゾン、楽天にも展開する方針。また、従来から好調な観光バスの乗り入れについても誘客を強化する。3月には長野に営業担当者が出張し、バス会社に売り込みをした。近いうちに群馬県にも同様に出向く方針だ。

一方、スーパーなどに新規参入するには値引き販売が当たり前とされるなか、同法人では「3割引くなら売らないほうがいい」(田村相談役)との方針をとっていて、スーパーでの販売は、原信・ナルスなど同市内の7店舗にとどまっている。現在、この市内スーパーや、同法人の店舗のほか、新潟市、長岡市、魚沼市、燕市、三条市のJA直売所やJRのコンビニ業態「ニューデイズ」で販売中だが、今後は長野県、群馬県、富山県などに拡販していく方針だ。

商品開発では、食べて健康になるかまぼこ開発の一環として、減塩のかまぼこも開発する計画。県内大手メーカーはすでに自社比率50%減塩の商品を販売しているが、同法人は実験段階で60数%まで成功している。「60%を目指したい。あと1年で商品化できるかもしれない」(田村相談役)と話す。

県内で唯一の「完全石臼練り」

魚住かまぼこ店は同社創業社長の故魚住利雄氏が海上保安庁を退職して修行ののち同社を創業。2013年に廃業になったが、元上越市役所部長の田村相談役と故魚住氏は旧知の仲だったとこともあり、「宝物みたいな店をなくすわけにはいかない」(田村相談役)と2014年に魚住かまぼこ店を一般財団法人上越市環境衛生公社の完全子会社とし、事業を継承した。

当初は田村相談役(当時理事長)が市役所出身で経営は未経験だったことや、有利子負債があったこと、工場・機械などの設備投資が必要だったこともあり、経営は不安視されたが、周囲の応援と味の良さが認知されて堅調に推移。2018年に同法人が魚住かまぼこ店を吸収した。

田村博相談役

同法人の田村博相談役によると、新潟県はかまぼこ生産量が全国でダントツ1位のかまぼこ王国。大手メーカーのほか、上越市内でも老舗が2社ある。その中で、同法人は同県内唯一となる石臼による練り作業「完全石臼練り」を行っていることをアピールし、味の良さと品質を追求している。「完全石臼練り」は職人の手により時間をかけ、丁寧に練り上げるのが特徴で、余分な摩擦熱を生まず、味がよいという。多くの工場が大量・自動生産が可能なカッターと呼ばれる機械を導入している中で、昔ながらの職人の技を守っている。

昔使われていた石臼



無料ユーザー登録すると、コメントを投稿できます。無料ユーザー登録はこちら

0 件のコメント

コメントはこちらから