コジマタケヒロのアルビ日記2022 Vo.4 谷口海斗「アイシテルニイガタ」

谷口海斗選手(©ALBIREX NIIGATA)

誰にでもあるだろう、青春時代の思い出。
甘酸っぱい初恋。友達宅への外泊。体育祭や文化祭。そして部活動。
「高校時代、応援団長をしていました。毎年先輩たちから伝統として応援歌を引き継ぐのですが、自分たちの代でなにか新しい応援歌をつくりたいという話になって。YouTubeで見つけて、それをアレンジして歌っていました」。

2022年3月19日、ホームに甲府を迎えて行われたJ2リーグ第5節。そのウオーミングアップ時のことだった。ホームでは毎試合、スタメン選手がその日の試合への意気込みを語るVTRをビッグスワンのオーロラビジョンに映し出されている。この日映ったのは、7番・谷口海斗選手。軽いあいさつを済ませたその直後のことだった。

俺たちがついてるさ新潟 火傷させてくれこのゲーム
俺たちがついてるさ新潟 伝えたいこの思い アイシテルニイガタ!

「サポーターの方々は、声を出せない状況。雰囲気をつくるというか、自分が何かできないかと考えて、チャントを歌うことにしました。手拍子で盛り上がっていただけたので、よかったです。でも、サポーターの方々が歌うチャントを生で早く聞きたいですね。高校時代に歌ったあの応援歌の元となるチャントのチームに来たんですからね、やっぱり本家を聞きたいですよ。実は今でも気合い入れるために、ビッグスワンの昔の様子やチャントをYouTubeで見ていますよ」。

スタジアムの空気がいつもにも増して一体となったこの日、前半26分、チーム待望の先制点が決まった。決めたのは、谷口選手。

「クロスの入りをダラっとしないで、メリハリをつけるように練習しています。あとは練習ではフリーで打てるのできちんと決めきる。枠に収めるのをイメージしています。しっかりと練習の結果が出せたのはよかった。今季は、2シャドーもあれば、甲府戦のようにトップ下1枚というときもあります。個人的には2枚の方の距離感がいいと思っています。しかし、そこにボールを入れなきゃ、その距離感のよさも意味がない。逆に1枚でもボールが入りやすかったら、甲府戦であったように縦の関係を使って前に持っていけることだってある。試合の状況に応じてというのもありますが、前に入ってきさえすれば、そこのバランスはどちらでもいいですね」。

谷口選手の得点から5分後、前半31分に決まった伊藤選手のゴールは、谷口選手の収めたボールから始まった。

「初勝利、初ゴールは素直にうれしいですよ。うれしいけど、喜ぶのはここじゃないかなって。まだ1勝しただけです。昇格のためには、まだまだ勝っていかないといけません。修正するところはして、いいところは伸ばしていく。最後の時点でどこにいるのか。チーム全体がずっと先を見据えています。僕自身としては、フォワードとして、チームのために貢献できるようにということを毎試合考えています」。

3月26日(土)、群馬をホームに迎える。
目指すは、昨季以上のゴール数。そう話してくれた昨季新潟のトップスコアラー。彼の2試合連続ゴールが決まった瞬間、きっとみんなの心の中で、7番の歌った〈アイシテルニイガタ〉が流れ出すに違いない。

 

◎アルビライター コジマタケヒロ
練習、ホーム戦を中心に日々取材を続ける、アルビレックス新潟の番記者。また、タウン情報誌の編集長を務めていた際に、新潟県内の全日本酒蔵をひとりで取材。4冊の日本酒本を出した、にいがた日本酒伝道師という一面も。(JSA認定)サケ・エキスパート

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