新潟大学などの研究グループが花粉数を制御する遺伝子を発見

  • 5か月前
  • 経済

遺伝子を破壊すると、花粉数が半減した

横浜市立大学木原生物学研究所清水健太郎客員教授(チューリッヒ大学教授兼任)、千葉大学土松隆志客員准教授(東京大学大学院理学系研究科准教授兼任)、新潟大学角井宏行特任助教らの研究グループは、名古屋大学やドイツ、オーストリアの研究機関を含む国際的な共同研究で、植物の花粉数を制御する遺伝子RDP1を突きとめた。プロジェクトには新潟大学の角井特任助教が中心的に関わっており、世界で初の快挙となった。

角井助教は2015年から2019年11月まで、スイスのチューリッヒ大学の進化生物・環境学研究室博士研究員(2015年9月から横浜市立大学木原生物研究所特任助教兼任)として、清水教授のもとで研究チームの第一線で今回の研究を行ってきた。

花粉は植物にとって非常に重要である。例えば農作物でいえば、ナシやリンゴなどの人工授粉が必要な作物は花粉をわざわざ購入する必要がある。また、ミツバチが集めた花粉の健康食品もある。半面、花粉症に悩まされる人が少なからずいるなど人々の生活や食品と深く結びついている。

しかし、花粉数は、花の品種が違うと数が変わるうえに、花粉数は多数の遺伝子によって決まっており、これまで、多くの花から短時間で正確に花粉数を数える技術がなかったという。そこで今回、まず花粉数を短時間で計測できる仕組みを確立した。具体的にはシロイヌナズナという雑草を使い、研究を行い、細胞数計測器(セルカウンター)を利用して1花あたり5分以内に花粉数を計測できるようにした。

その後、遺伝子解析により選抜した3つの遺伝子を、ゲノム編集技術を用いてそれぞれの遺伝子の機能を破壊して解析したところ、ある一つの遺伝子が半分程度しか花粉を生産しないことが分かり、花粉数制御遺伝子を突きとめた。

今後、花粉数を制御することで、農業や健康商品の生産過程の効率化や、花粉症対策として花粉が少なく品種の開発など実用化が期待される。

角井特任助教は「研究には6年を費やした。私はチューリッヒ大学で、ゲノム編集などを担当した。ダーウィンが1877年に花粉について指摘して以来、140年以上も花粉数を変える遺伝子は見つからなかった。今後は無花粉スギの研究を進めたい」と話している。

角井宏行新潟大学特任助教



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