新潟県長岡市にIターンしデザインで新事業の立ち上げや人材育成などを支援 デザイントーク代表取締役 宮田里枝子氏

宮田里枝子代表取締役

東京都から縁もゆかりのなかった長岡市にIターン

デザイントーク株式会社の宮田里枝子代表取締役は6年前に東京都から縁もゆかりのなかった新潟県長岡市にIターンし、新潟県内の自治体や企業が掲げる様々な目標の達成(商品開発、サービス開発など)や、企業が抱える課題解決(人材採用など)をデザインの面から支援している。

デザイントークの最大の強みは総合的な支援。多くのデザイナーは、プロダクトデザイン、会社ロゴデザイン、ホームページのデザインなど自分の得意分野に特化していることが多いが、宮田氏は、デザイン、ブランディングなど様々なビジネスに携わってきたこれまでの経験に加え、自身のネットワークを活かしてブランドの立ち上げから軌道に乗るまで、その段階ごとに必要なチームを作り、トータルでサポートしているのだ。

多くの中小企業では外部の専門家に依頼し素晴らしい商品を完成させたものの、ブランディング(どういったユーザーに向けて販売していくのか)や販路(リアル店舗、eコマースサイト)など商品開発以外の面がうまくいかず売れなかったり、ブランドを維持していくための人材がおらずブランドがマーケットに定着しなかったりするケースが多々ある。だが、プロダクトデザイン、ブランディング、デジタルマーケティング(eコマースサイト)、人材・組織育成(ブランドマネージャーなどの育成)をトータルで行えば、新規ブランドなどが軌道に乗り維持していける確率をぐっと高めることができるのだ。

じっさい株式会社山忠(新潟県加茂市)が3年前に開発し今や人気ブランドになっている科学的エビデンスのある靴下「ケアソク」では、プロダクトデザインから、ブランディング、デジタルマーケティング、ブランドマネージャーの育成など総合的に関わってきた。

ケアソク

また、中越道路(新潟県長岡市)では、給与は高いものの、道路舗装=3Kというイメージもあって人材を思うように採用できなかったが、宮田氏がウェブサイトを人材採用に特化したものにリニューアルし、わずか3ヶ月間で5人を採用できたという。「多くの求人広告・サイトでは働きやすい職場などをPRしていますが、中越道路さんは、道路舗装の仕事はそれなりにきついがホワイトカラーの企業で給与が高かった。この特長を全面に打ち出して『稼ぎたい人』に向けて求人情報を発信するサイト(記事末尾にサイトの写真を掲載)にリニューアルしました」(宮田氏)と振り返る。

ユーザーの潜在ニーズを理解し、イノベーティブな商品・サービスを開発していく「デザイン思考」で企業の目標達成を支援していると言えるかもしれない。

 

「デザインで大成功しても売れるとは限らない」が原点

宮田氏は1977年生まれで横浜市出身。学習院大学を卒業後、桑沢デザイン研究所スペースデザインコースに入学。在学中にデザインコンペティションで優秀賞を受賞し、企業や科学館から仕事が舞い込むようになったという。これを機に“学生起業家”として歩みだし、20代前半はフリーランスのプロダクトデザイナーとして活動した。

だが、20才前半の時に体験した、ある出来事をきっかけに疑問を抱くようになった。ある企業からの依頼で製作した商品が、ドイツのデザイン賞にノミネートされ招待展示を行うという機会に恵まれ、テレビをはじめとするマスコミの注目を集めたものの、製品そのものは売れなかったのだ。「プロダクトデザインとしては大成功したが、それだけではダメだと思った。企業でもっとビジネスについて学びたいと感じました」と振り返る。

そこで、20代後半は東芝デザインセンター(ブランド戦略部)、新生銀行(Webチーム)に計4年間勤務し、ブロダクトデザイン以外のノウハウも蓄積した。これが現在のトータルサポートの原点にもなっている。

その後、30歳で再び独立、大企業と直接仕事をするようになり、2014年には地方都市での子育てと雪に憧れて東京都目黒区から新潟県長岡市へ移住した。現在は東京と新潟の2拠点居住(コロナ感染拡大後は長岡のみで生活している)で、新潟県内の企業や地方自治体などと連携してプロジェクトをデザインしている。「県内中小企業の経営者にデザインが自社の経営課題解決に役立つかもしれないことを知ってほしい。将来ビジョンや現状の課題などを経営者からお聞きし、(宮田氏が)企業と様々なデザイナーのハブとなり、トータルでデザインの面からサポートし結果を出していきたい。経営者にビジョンがあれば、結果を出すことができます」と語っていた。

なお今後、長岡市では、宮田氏を講師にワークショップ形式で複数の中小企業・小規模事業者をサポートできるような支援態勢を考えているという。

中越道路のサイト

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