新潟県上越市のバロー撤退後の上越モール、「食品スーパーに限らず誘致活動」

看板が取り外された上越モール(今年4月撮影)

今年4月に株式会社バロー(岐阜県)が運営するスーパーマーケット「バロー」が撤退した「上越モール」(新潟県上越市とよば)。その後、上越市内の食品スーパー2店舗はイオンの食品スーパーが入居したものの、いまだ後継のキーテナントが入らない状態が続いている。

上越モールは、みずほ信託銀行(東京都)が所有し、不動産投資顧問業のオリックス不動産投資顧問株式会社(東京都)が管理運営を委託されているが、今年5月から実際の運営は外資系商業施設運営管理業のJLLモールマネジメント株式会社(東京都)が行っている。

その上越モールは、今年3月に「くまざわ書店」が閉店したのに続き、バローの上越市からの撤退が決まって以降、「幸楽苑」「マツモトキヨシ」などの有名店が閉店。バロー時代に約40店舗あったテナントは、現在、「ダイソー」、「西松屋」、「ミスタードーナツ」、「サイゼリア」などの22店舗まで約半減している。

こうしたなか、テナント会議が定期的に開催されているが、JLLモールマネジメントの担当者が新型コロナウイルスの影響で東京から来ることができないという理由で、中止になることもあるという。

閉店したバローのス―パー「バロー上越店」(今年4月撮影)

一方、上越モールの近隣にはコンビニ「セブン–イレブン」、スーパーマーケット「ナルス」、食品も扱うドラッグストア「クスリのアオキ」があり、食品売り場の激戦区となっている。地元では、「こうした環境がバロー撤退に影響したのではないか」という見解もあり、一部には「再度、食品スーパーの導入では難しい」という見方もある。

また今年7月に、上越市直江津に無印良品が直江津ショッピングセンター内に世界最大級の店舗をオープンし、賑わいを見せているが、「上越モール」は妙高市に近い立地で、無印良品とは距離が離れている。このため賑わいの恩恵も受けられないという状況が続いている。

無印良品(今年7月撮影)

JLLモールマネジメントの担当者は「当社としても空白のままでいいとは考えていない。コロナの現状があり難しい面もあるが、あくまでキーテナントには商業施設を考えているので、食品スーパーに限らず商業施設の誘致活動を行っているところだ」とコメントした。

キーテナントが決まらないとモールに入居するテナントも集客ができない。テナントの中には、イオン上越店にはない女性服ブランド「シュー・ラ・ルー」もあるなど上越モールの特色はあるが、キーテナントのない状態が続けば今後、周辺の「上越ウイングマーケットセンター」のように、入居テナントの撤退も考えられ、上越モール施設全体が厳しい状況にさらされる可能性もある。


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