新潟県燕市が公契約関係競売入札妨害事件の「再発防止策」の概要を公表


燕市が今月24日に取りまとめた「再発防止策」

新潟県燕市の鈴木力市長は30日、定例会見を開き、今年2月に燕市から派遣していた燕・弥彦総合事務組合の職員が公契約関係競売入札妨害事件で逮捕されたことを受け、今月24日に取りまとめた「再発防止策」の概要を公表した。

職員(水道局)は派遣先の燕・弥彦総合事務組合において、平成31年度に発注した2件の排水管布設替工事と平成30年度に発注した1件の同工事の設計価格の一部を特定会社の従業員に漏洩した公契約関係競売入札妨害の罪で今年2月に逮捕、起訴された。6月24日の初公判で職員が起訴事実を認めたことを受け、市では地方公務員法第29条に基づき職員を懲戒免職にした。

また市では、この事件を受け、市としての再発防止策の中間報告を今年3月に行った。このたびの報告書は、この中間報告も踏まえ、取りまとめた。

鈴木力市長

報告書は
・倫理意識の高揚とコンプライアンスの徹底
・管理体制の強化と適正な人事ローテーションの実施
・情報セキュリティ対策の徹底と強化
・入札・契約制度の見直し
4つの柱からなり、すでに着手しているものもある。

倫理意識の高揚とコンプライアンスの徹底では、すでに「市長による訓示」(2月17日)、「職場研修の実施」(2月21日から3月6日)、「外部講師を招いてのコンプライアンス研修」(7月6日)、「入札・契約についての担当職員研修」(8月21日)を行ったが、今後も研修を継続的に実施していく。

管理体制の強化と適正な人事ローテーションの実施では、今回の不正行為の発端が長年の仕事上の付き合いが個人的な交際に発展したことによるものだったことから、適正期間での人事ローテーションを実施することにした。なお免職となった職員は同一業務(水道局)に15年間継続勤務した。

また管理体制を強化するため8月1日付で燕・弥彦総合事務組合の副管理者に燕副市長を追加。これにより、従来、「管理者=燕市長、副管理者=弥彦村長」だった管理体制が、「管理者=燕市長、副管理者=弥彦村長、燕副市長」に強化された。

情報セキュリティ対策の徹底と強化では、これまでも「必要に応じてフォルダごとにアクセス制限をかける。必要以上の外部記録媒体(USBメモリー)を持ち込まない」などを行っていた。だが、今回の事件では、USBメモリーで情報が持ち出されたほか、担当以外の職員が閲覧できる文書フォルダに情報が保存されていたケースが水道局以外にも散見されたことから、文書の保存先を職員全員がアクセスできる「各課フォルダ」ではなく、係員のみがアクセスできる「各係フォルダ」を使用することにした。またパソコン起動時のID・パスワード管理でログインした個人を特定できるようにした。

ただ外部記録媒体の持ち込み・使用禁止については、現場写真の取り込みなど業務上欠かせないことから、外部記録媒体へのデータ書き込みは原則、係長および所属長のパソコンを使用することなどを明記したガイドラインを作成した。

入札・契約制度の見直しでは、最低入札額を提示した業者を落札者として即日決定してきたが、新潟県が導入している「入札結果確認期間(保留期間)」を参考に、改札後に入札結果をチェックし、疑義がある案件については、入札を中止することもできる制度を導入することとし、6月の一般競争入札の公告実施分か試験的に開始している。

またこれまで不正行為に伴う指名停止の期間については新潟県に準じていたが、7月1日に強化した。さらに入札価格だけでなく、技術力や施工実績なども評価して落札する「総合評価方式」による入札に努めていくという。

 

一方、情報漏洩を働きかける動機を失わせる策として、あらかじめ最低制限価格を設定せずに、入札後に最低制限価格が算出される「変動型最低制限価格制度」を導入することとし、水道局など一部の工種で10月の一般競争入札公告分から施工する。また、今年度から四半期ごとに、建設工事入札等審査委員会により、各業者の受注状況や落札額に「一つの業者が偏って入札していないか」などに不自然な点がないか継続的に監視を行い、不正の防止を図る。

鈴木市長は、「改めて市民の皆様にお詫び申し上げ、2度と起こらないよう組織をあげて取り組んでいく。この防止策を徹底し1日も早く市民の皆様の信頼を回復できるよう取り組んでいく」と語っていた。



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