【連載】「新潟のメガフランチャイジー」 第1回 株式会社ひらせいホームセンター


「TSUTAYA」横越店。同社では1988年にカルチュア・コンビニエンス・クラブと株式会社(東京都)とFC契約を締結し、現在26店舗を展開している

「フランチャイズ契約しても儲かるのは本部だけ」。最近のニュースを見て、こんなことを感じる人がいるかもしれない。確かにロイヤリテリィを本部に支払う必要があったり、事業に制約があったりすることが多い。だが成功している事業モデルのノウハウなどが手に入りやすいため新規事業をゼロから立ち上げるよりも、成功しやすいという指摘もある(優良なFC本部を見極めることが不可欠だが…)。実際、フランチャイズ店を経営して、加盟店を増やして事業規模を拡大し、会社を発展させる企業も少なくない。この連載ではそんなメガフランチャイジー(多数のFC店舗を展開する企業)を取り上げる。

第1回目は、株式会社ひらせいホームセンター(新潟市)。現在、主力のホームセンター事業に加えて、ランチャイズ(FC)で4つの業態を展開している。具体的には、100円ショップ「ダイソー」(50店舗)、DVDなどのレンタル店「TSUTAYA」(26店舗)、「業務スーパー」(4店舗)、衣料品「ファミリージョイ」(44店舗)だ。

 

「世界一」の発注量を誇るダイソー

ひらせいホームセンターは、2000年に100円ショップ最大手の株式会社大創産業(広島県)とフランチャイズ(FC)契約を締結、以降、ダイソーの店舗数を拡大してきた。現在、同社における「ダイソー」の年間売り上げは約30億円で、ここ3年間で10億円を上乗せした。

ダイソー本社は世界14か国で店舗を展開しており、全体の売上高は約5,000億円。100円ショップの業界は大手4社があり、合計すると1兆円の大台に近い売り上げだという。業界2位の「セリア」はセンスのよい商品がウリで業績も好調だが、150坪以上の店舗は作らない方針だという。その点、ダイソーは商品力があるため、1,000坪の大型店舗を開設することができる。

ひらせいホームセンターの清水泰明代表取締役社長は「フランチャイジー(FC加盟店)にとっては、500坪の売り場が埋まるということはありがたいこと」と話す。清水代表取締役社長によると、ダイソーの強みは新型コロナウイルスの影響で強いとされている生活用品に特化していることと、やはり、なんといっても商品力だという。

ダイソーは1回分の発注量が25万個。米国最大手の小売業、ウォルマートが20万個と言われており、ダイソーはそれを上回ることになる。通常なら、いわゆるバイイングパワーで仕入れ原価を下げて販売価格を下げるのが常套手段だが、ダイソーは100円商品の仕入れ原価が下がる分、品質を上げて100円で販売する。これが最大の強みだ。ひらせいホームセンターは今年中に3店舗のダイソーの新規オープンを予定している。

「ダイソー」ひらせい横越店

 

実弟が(株)トップカルチャーを創業

一方、ひらせいホームセンターは1988年にカルチュア・コンビニエンス・クラブと株式会社(東京都)とFC契約を締結した。現在、「TSUTAYA」の年間売上高は45億円で、そのうち、TSUTAYA内のダイソー売り場の売り上げが15億円あるという。

1983年にTSUTAYA本部による1号店が大阪でオープンした。ビデオソフトが1本2万円で販売されてところ、1泊2日で800円をいう価格設定だった。清水代表取締役社長は1号店を視察し、「ホームセンターと業態は違うが、ホームセンターはプロ向きではない。客層が重なるのではないか」と考えた。結果、1986年に新潟市江南区に亀田店を出店すると、家族連れがどっと押し寄せた。

当時の大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(大店法)の影響で、元ひらせいホームセンター専務で、清水代表取締役の実弟である株式会社トップカルチャーの清水秀雄代表取締役が袂をわかち、1986年からトップカルチャーが蔦屋書店を展開していくことになった。

ひらせいホームセンターは、TSUTAYAで書籍、CD・DVD、文具を展開しているが、書籍は独自に取次会社大手の株式会社トーハンを開拓した。清水代表取締役は「3年かけてやっとトーハンと取引ができた。トップカルチャーは日販(トーハンと並ぶ大手取次会社)。のちにTSUTAYAが日販と提携したが、当社は恩があるので、トーハンと関係を続いている」と話す。

 

「FCは地方創生として意義がある」

また、株式会社神戸物産(兵庫県)とFC契約し、「業務スーパー」を展開。現在、富山県(2店舗)、長野県、山形県の計4店舗を展開しているが、今年11月に新潟市五泉市に新店舗をオープンする予定だ。

衣料品の「ファミリージョイ」は大西衣料株式会社(大阪府)と契約し、ひらせいホームセンター内で40坪から50坪の売り場で高齢者向けの作業着や普段着などを展開している。数年前に衣料品チェーンの「しまむら」が高齢者向けの衣料品の取り扱いを辞めたことから、マーケットが空いている状態だという。少子高齢化の影響でモノが売れず、売り場も空いてしまうことがあり、その部分に「ファミリージョイ」を展開している。

清水代表取締役社長はFC本部との関係について、「アメリカではFC本部と加盟店の力関係は5分5分だが、日本ではFC本部の力が強く、絶対的な存在で、コンビニ加盟店との問題も知られている通りだ。確かに、本部のおかげであり、東京と同じ文化、食文化が地方でも享受できるという意味では地方創生として大きな意義がある。しかし、加盟店も力を付けてきている。いつまでも本部をいうことを聞いているということではない」と話す。

ひらせいホームセンターは、主力のホームセンターと、4つのFC業態を組み合わせた展開を進めていく方針で、今のところ新たなFC本部への加盟はないとしている。これまでも、TSUTAYAをダイソーに転換したりと、会社内でうまくやりくりしてきた。清水代表取締役社長は「TSUTAYAも最初は(県内で)5、6社の加盟店があったが、淘汰され、今は当社とトップカルチャーだけになった。加盟店(フランチャイジー)は今後、単体(の業態)では無理だろう。複合的に展開していく必要がある」と話していた。

清水泰明代表取締役社長



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