【特集】新潟県内の駅前・駅ナカにシェアオフィス、コワーキングスペースが相次ぎ開設

MoYoRe「ワークラウンジ」

 

新型コロナウイルスの影響で新潟県内でもテレワークが進むなか、新潟県内の駅前や駅ナカでシェアオフィスやコワーキングスペースなどの交流施設が相次いでオープンしている。

 

【新潟駅】駅の概念を変えることを目指す「MOYORe:」

連続立体交差事業を含む駅周辺整備事業が進むJR新潟駅直結の商業施設「CoCoLo南館」1階に今年9月、シェアスペースの「MOYORe:(もより)」がオープンした。JR東日本新潟シティクリエイト株式会社が事業主体となり整備し、企画・運営は株式会社リビタ(東京都)が担当している。

入り口にコーヒースタンドがあることから、オープン以降、幅広い年代の利用があるほか、待合いスペースは無料のため、バスの待ち時間や児童・生徒の勉強スペースにもなっている。奥のワークラウンジは有料(30分250円から)で、首都圏から出張で来てパソコン作業をする人や、市内から来て読書をする人などで賑わっているという。

このほか、キッチンやホール、ミーティングルーム、工具などが揃うアトリエや、ヨガなどに使えるスタジオも設備されている。

リビタの施設運営グループ兼事業企画グループの原田智子さんは「新潟市は車社会で、わざわざ駅に来るという機会は少ないのではないかと思うが、駅は通過点という概念を変えたい。駅を集う場所に変えたいのと、MOYORe:が居場所になって、精神的な最寄りの場所になってほしい」と話していた。

MoYoRe「待合&コーヒースタンド」

 

【帯織駅】駅前の「駅ラボ帯織」はものづくり交流施設

駅ラボではものつくり体験ができる

三条市の無人駅、JR帯織駅前にJR東日本新潟支社(新潟市)と株式会社ドッツアンドラインズ(三条市)が連携し、交流施設の「駅ラボ帯織(Eki Lab帯織)」を10月にオープンした。

ワークショップスペースとシェアオフィスがあり、一般会員は月額980円でワークショップや交流スペースを利用できるほか、3DプリンターやCAD、CAMなど製図に関するオンラインセミナーも受講できる。

企業会員は月額1万円で、一般会員の利用範囲に加えて、シェアオフィスの利用や燕・三条地域の企業紹介や法人登記などもできるという。

ドッツアンドラインズは燕三条地域の若手経営者などの共同出資によって今年3月に設立された会社。「駅ラボ帯織」の運営並びにものづくりサポートを手がけている。ドッツアンドラインズの齋藤和也代表取締役は「三条市の上場企業は株式会社スノーピーク以来出ていない。今後、駅ラボを、東京都を含めて全国に直営展開して、5年後をめどに株式の上場を目指す」と語る。

駅ラボ帯織

 

【上越妙高駅】駅前貸し会議室「フルサットシェア」

フルサットシェア「貸し会議室」

北陸新幹線が乗り入れるJR上越妙高駅西口にあるコンテナ型の商業施設「フルサット」が手がける「フルサットシェア」は「フルサット」の隣のビルの1階で、今年4月、駅から徒歩3分を売りに貸し会議室サービスを始めた。

貸会議室はフルサットから道を挟んで向かいの別棟「フルサットシェア」1階となる。定員は18人。長机8、椅子20、電源4口、無料Wi-Fiあり。利用料金は1時間3,000円(税別)、3時間以上は応相談。コピー、ファックスも有料で利用可。駐車場はフルサット併用の24時間営業のタイムズ駐車場(会議室または店舗利用者は3時間無料)がある。

一方、上越妙高駅は開業5年が経過し、東口にアパホテル、西口に東横イン、スーパーホテルがオープン、ビジネス拠点としての成長が見込まれるエリア。こうした地域柄、上越市内の会社が首都圏の取引先と商談に利用されている。加えて、ウエブ会議や大学のオンライン授業などで利用されるケースのほか、定期的な利用として、週1回、学習塾が教室として使用している。

「フルサットシェア」を展開する北信越地域資源研究所の平原匡代表取締役は「スペースは、写真や動画の撮り方教室などの講座に向いている。また『フルサット』は(新店舗など)チャレンジできる場所だ。塾や講座などスモールスタートで、起業したい人に利用してもらいたい」と話す。

フルサットシェア

 

【ガーラ湯沢駅】駅併設のガーラ湯沢スキー場を活用したワーケーション

ガーラ湯沢のワーケーション

一方、湯沢町のガーラ湯沢駅では、株式会社ガーラ湯沢(新潟県湯沢町)が運営する駅併設のガーラ湯沢スキー場で10月上旬にワーケーションのモニターツアーが実施された。東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の実証実験で、第1弾として、JR東日本および同社グループ社員を中心に実施した。

ツアーでは、レストハウスの屋上スペースやゲレンデでテントを張って仕事を行う体験などをした。ガーラ湯沢の担当者は「利用者からは自然の中で仕事ができて良かったという声が多い」と話している。

今後はスキーやスノボードシーズンのワーケーションの実施も検討するほか、JR東日本ではワーケーションを事業化していく方針だ。

一方、JR東日本スタートアップ株式会社(東京都)は今月6日、株式会社ガーラ湯沢、 アウトドア用品のレンタルサービスなどを行う株式会社TENT(東京都)と協業し11月6日から7日と13日から14日の計2回、GALA湯沢スキー場にてコロナ禍におけるオンライン環境によって希薄化した社員コミュニーケーションを強化するためのチームビルディング野外研修『GALA湯沢スカイエクストリームオフサイト』のテスト運用を行うと発表した。

期間中は、 大自然を活用したネイチャーチームラッシュやネイチャーチームアクティビティーを通じてチームビルディングに資する研修を行うとともに、 GALA湯沢屋上での180度星空に囲まれた環境でのミーティングやグランピング、 野外ロウリュサウナなど新しい形の社員研修の検証を行う。

JR東日本スタートアップでは、東京から新幹線で最速75分と抜群の利便性と豊かな自然を併せ持GALA湯沢で、 こうした野外研修を展開し、 スキー場のオフシーズンの新たな価値を提供するとともに、 スタートアップの経営者や大企業の社員の方などを視野に新しい働き方・研修のあり方を生み出し、 地域の活性化を目指す。

写真はイメージ

コワーキングスペースの整備や、企業や行政によるワーケーションの取り組みの推進は、新型コロナの影響で働き方が変わったことが背景にあるが、新潟県が推し進める起業家育成の促進や、地域活性化につながってほしいと期待する声もある。

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