新潟県が原子力災害時の避難方法に関する検証委員会を開催

委員である大学教授などが出席した

新潟県は17日、第13回新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会を新潟県庁で開催した。東京大学大学院情報学環境総合防災情報研究センターの関谷直也准教授(同検証委員会委員長)などの大学教授や弁護士など識者9人が出席した。

まず、会議冒頭に、公益社団法人新潟県バス協会と今月締結した「原子力災害時における人員の輸送等に関する協定」、新潟県原子力災害広域避難計画に基づく防護措置の実効性を高めるため、東京電力ホールディングス株式会社と今月締結した「原子力防災に関する協力協定」についての報告があった。また、20日、24日に実施される原子力防災訓練について説明された。

会議は公開で行われ、関係者席のほか、傍聴席も設けられ、約50人が参加した。同日は、PAZ圏内(原子力施設からおおむね半径5キロ圏内)、UPZ圏内(PAZの外側のおおむね半径30キロ圏内)の住民などの避難措置や、避難者などの汚染状況を確認する検査である「スクリーニング」などについて議論された。

傍聴席もほぼ満席となった

UPZ圏内で、園児を親に引き渡しができずに、避難所に避難した場合の安定ヨウ素材の服用は親の同意がないと飲ませられないとなっていることが議論になった。安定ヨウ素材とは、放射能をもたないヨウ素(ヨウ化カリウム)を含む薬剤のことで、放射能をもつヨウ素131の摂取が予測される直前、または数時間前から直後までに服用し、あらかじめ甲状腺にヨウ素を蓄積させておくことでヨウ素131のほとんどを体外へ排出させる効用がある。

原発災害時の緊急事態には、研修を受けた地方自治体職員が安定ヨウ素剤を配布できると国のガイドラインで決まっており、県では研修済の職員の人数を増やしたいとしている。

安定ヨウ素剤については、未就学児には親の同意が必要だが、成人は、(若干副作用もあると報告されている)安定ヨウ素剤を服用するかしないかは個人の判断になるという見解を示した。

会議後の取材で、同検証委員会の関谷直也委員長は「UPZ圏内で園児が避難して、安定ヨウ素剤を服用するのはかなりレアケースだが、委員からマニュアルが不十分であると指摘されたので次回は整理したい。UPZ圏内でも柏崎市は安定ヨウ素剤に関する未就学者の親の同意を取っており、市町村によって対応が分かれていることも今後どうにかしたい」と話していた。

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