【妻有新聞】「脅し?」JR飯山線赤字26億円、沿線住民


待機駅の森宮野原駅で上り・下りの列車が並ぶ(8月3日14時26分撮影)

JR東日本(東京)が7月28日公表の「地方路線収支」は飯山線の赤字数値が際立ち、特に「戸狩野沢温泉駅―津南」間では、100円の収入を得るための費用・営業係数は「8258円」と、今回公表の35路線66区間では2番目に高い営業係数になっている。「津南―越後川口駅」間の営業係数は「1674円」で、豪雪地域を走る飯山線の雪対策など、運行確保の課題がそのまま数値に現われている実態だ。だが、「今回の公表でJR東日本は何を言いたいのか。赤字はいまに始まったことではない。今回の数値公表は地元への自覚の促しだろうが、これは一種の『脅し』ではないのか、そんな印象を受ける」など沿線住民の厳しい声が聞こえる。先月25日には乗客数の輸送密度を公表したJR東だが、飯山線沿線住民は「JR東の真意が分からない」と、今回の一連の赤字路線の営業現況の公表に首を傾げている。一方で沿線自治体などで作る『飯山線沿線地域活性化協議会』の重要性が増しており、今回の収支公表はJR東日本から「ボールを投げられた」形で、これにどう対応するかが沿線協議会の大きな課題として浮上している。

JR東日本は公表についてコメントしている。「赤字路線はすぐにバス転換、廃線ということでデータを開示したわけではない。鉄道は大量輸送が大前提で、その特性が発揮できていない。持続可能な交通体系について建設的な議論をしたい」(高岡崇執行役員、信濃毎日新聞取材)。今回公表の35路線66区間の赤字総額は693億円。営業係数では飯山線・戸狩野沢温泉―津南間の8258円を上回る1番は千葉県・久留里線の久留里―上総亀山間の1万5546円。立地環境などがあるのだろうが公表の2019年度収入は200万円。同年度の戸狩野沢温泉―津南は1千万円だった。

飯山線の2019年度収支は別表の通りで、公表数値によると越後川口―豊野までの4区間の合計赤字は26億4,000万円になる。飯山線は長野支社側と新潟支社側で乗客数に大きな開きがあるが、津南―越後川口間では2019年度収入5200万円に対し赤字は8億3300万円、営業係数「1674円」、輸送密度(平均乗客数)405人となっている。

今回JR東日本が公表の運行営業数値は、沿線自治体にとって新たな取り組みのスタートになる。特に2001年12月設立で結成20年が経過する『飯山線沿線地域活性化協議会』(会長・足立正則飯山市長)は、今年5月に定例総会を開いているが、10月の飯山市長選で新たな市長が誕生する。足立市長は退任するため協議会長の選任が必要となり、臨時総会を年内には開く予定だ。この総会の席は、今回JR東が公表の「飯山線運行営業実態」への対応協議の場にもなる。次期会長のリーダーシップと沿線自治体の連携がさらに求められることになる。

『飯山線沿線地域活性化協議会』構成16団体=長野県、新潟県、長岡市、野沢温泉村、JR東長野支社、JR東新潟支社、十日町市、津南町、栄村、長野市、木島平村、十日町商工会議所、飯山商工会議所、小千谷市、中野市、飯山市。事務局・飯山市総務部企画財政課。

妻有新聞2022年8月6日号】



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