青年会議所

製品の展開力でアウトドア業界を牽引するキャプテンスタッグ株式会社(新潟県三条市)

パール金属代表取締役社長兼キャプテンスタッグ代表取締役の髙波文雄氏

昨今のアウトドアブームは目を見張るものがある。YouTubeにはアウトドア専門チャンネルが軒を連ね、それに後押しされる形で、アウトドアを楽しむことがユーザーが増加した。更に2018年に放送されたアニメ「ゆるキャン△」により更にアウトドアブームが加速した。

そんな中、アウトドア黎明期からアウトドア製品を作り続け、アウトドア好きなら誰もが知っているであろう有名アウトドアメーカーが新潟の三条市にある。平成24年に創立したキャプテンスタッグ株式会社(新潟県三条市)だ。キャプテンスタッグのアウトドア関連の商品展開数はおそらく日本一、更に言えば高品質で初心者でも手に取りやすい手頃な価格帯の商品が揃っているため、国内だけでなく全世界のアウトドア初心者から上級者にまで広く愛されている。

このキャプテンスタッグは、パール金属株式会社(新潟県三条市)のアウトドア部門からスタートした。

高波文雄社長一押しのシェラカップ。「コップや皿にもなるし、これでご飯も炊ける。これはアウトドアをした事がない方にでも食器としておすすめしたい」と話す。

 

アメリカで見たBBQに「これはすごい」

パール金属代表取締役社長兼キャプテンスタッグ代表取締役の髙波文雄氏は、1975年にアメリカのホームセンターの視察に行った際、たまたまアメリカの一般家庭でBBQをしている様子を見た。巨大なコンロとグリルを使用して豪快に肉を焼く光景を目にした高波氏は、「これはすごい」と大きな衝撃を受けたという。

翌1976年、髙波氏は早速、日本でBBQを行う方法を模索した。当時の日本にはBBQの概念がそもそも存在せず、外での焼肉などは七輪を使用することが普通だったため、巨大な肉焼き網やグリルコンロなどは国内に存在していなかった。そこで髙波氏は、グリルの代わりにレンガを積み上げ、60×40cmサイズの金網でできた玄関マットを加工し焼肉網として代用し、焼肉を行なった。

国内で初めて欧米式のBBQを体験した髙波氏は、「これは美味しいなぁ。これはうまくいくだろうなと直感的に感じた」と言う。すぐに商品化に取り掛かり、1976年に「ジャンボバーベキューコンロA型」という日本初のBBQコンロを発売し、大ヒット商品となった。

その後、キャプテンスタッグ(当時パール金属)はアウトドア商品のラインアップ強化を進めた。「BBQをやっていると、椅子も必要になるし、トングも欲しくなるし、ちょうどいいテーブルも欲しくなる…。ということで、今まで市場になかった足りないものを自社で揃えていった」高波氏はアウトドア商製品の多角化の経緯を語った。

1976年にパール金属のアウトドア部門としてスタートしたキャプテンスタッグは、時を経て平成24年にキャプテンスタッグ株式会社という会社となる。

ジャンボバーベキューコンロA型

 

とにかく思いついたら作ってみる

キャプテンスタッグは年間約300〜400品の新商品を世に出しているが、なぜそこまで多くの新製品を世に送り出せるのか。新商品を次々に開発し流通に乗せるのは多大なコストがかかり、リスクが大きいと捉えるのが一般的な感覚だが、髙波氏の考えはそうではない。

「商品開発にはリスクがあると言う方も少なくないが、弊社に至っては商品開発を止めないことを大切にしている。弊社はやはり商品がなければ何もできず、むしろ良い商品があるからこそ売上が上がっていく。今でもやはり『商品開発をいかにやるか』という考えを念頭に経営にあたっている」(髙波氏)と語る。続けて、「その中で、一つの商品がヒットすると、その関連商品も波及的に売れていく。ヒット商品の関連商品を出し続けることが、長くお客様を惹きつけるコツでもある」と話した。

例えば、2017年にキャプテンスタッグが発売したB6サイズの小型コンロ「カマドスマートグリルB6型」は記録的な大ヒットを記録したが、その際に商品を補完する形で小型コンロをカスタマイズできる関連商品を展開したところ、それらも生産が追いつかないほどのヒット商品となった。

一方、商品を大量展開する中で、やはり市場にマッチしなかった商品もいくつかあるという。そういった製品については「売れ行きが芳しくない商品に関しては、値下げをすれば大体は捌ける。原価を割れる商品はほとんどない。それを知っているからこそ思い切り商品開発に打ち込める」と髙波氏は話す。

髙波氏は社員に対していつも、「思いついたらやってみなさい!失敗してもいいからとにかく作ってみよう!」と熱い思いを伝えている。

カマドスマートグリルB6型。バイクが好きな社員の「コンパクトなコンロが欲しい!」という想いを形にし、大ヒット商品になった。

カマドスマートグリルB6型。コンパクトに収納が可能。

 

 

お客様の声を商品に落とし込む

キャプテンスタッグは、「他社に無いもの、新しいもの、機能の良いもの」の3点を製品開発の基礎としており、いつでも社内で製品を開発できるようにプロダクトチームを配置している。だが、髙波氏曰く「商品開発を行う上で最も大切なの部署は営業だ」と言う。「私は昔から営業で全国を周っていたが、そうすると『あれが困った・これが欲しい』というお客様の声が集まってくる。それを商品に落とし込む事が重要。要望をそのまま形にするのも相当な作業だが、そこにウチのアイデアを加えて改良するという事をいつもやっている」と髙波氏は話す。

消費者の声を直に聞くことができる営業があってこそ、市場にマッチした商品を展開し続ける事ができるのだ。だからこそ髙波氏は社内の営業を特に大切にしているのだ。更に「消費者の声を直に聞くことが大事だ。そうなるとアンテナショップが欲しくなると言うことで、平成7年に『WEST新潟店』をオープンした」と髙波氏は話す。

WESTとは、パール金属が運営する総合アウトドアショップ。WESTではキャプテンスタッグの商品だけでなく様々なアウトドアメーカーを取り扱っているが、そこも「大切なポイントだ」と髙波氏は言う。

「入ってくる情報が偏らないよう、あらゆるメーカーのあらゆる製品を扱うことを決めた。すると自社だけでなく他社の売れ筋商品から、各社製品が抱える課題点などの情報も入ってくるようになった。その知見を開発に生かすことで、今まで以上にユーザーに寄り添った商品を作りやすくなった」髙波氏は話した。

またWESTは、アンテナショップとしての機能だけでなく、しっかりとユーザー目線に立った販売店としての機能も兼ね備える。実際に平成10年にオープンした「WEST三条店」には、髙波氏がアメリカで見た最新のクライミングウォールを店内に設置しており、多くのユーザーから好評を得ている。更に平成23年にはアウトドアをコンセプトとしたカフェスペースを設置した「WEST上越店」をオープンし、こちらも大きな話題となった。平成31年には「WEST長岡店」もオープンし、評判の高いカフェスペースは上越店の約3倍の規模で約90席を用意した。これもまた、数々のメディアにも取り上げられる程の人気ぶりだ。

一部ユーザーからは「鹿番長」と呼ばれ親しまれているキャプテンスタッグ。その印象的な雄鹿のロゴには「大自然の中で頼りになる存在」という想いが込められている。「使いやすさ」と「購入しさすさ」を第一に考えるキャプテンスタッグが、今後全世界のユーザーにどのようなアウトドアライフを提供していくのか目が離せない。

ショールームの様子

CAPTAIN STAG®八木ヶ鼻オートキャンプ場

髙波文雄氏



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