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新型コロナ感染症患者が相次いで確認された上越市のクラブL代表「店を批判されても仕方がないが、従業員への誹謗中傷だけはやめてほしい」


クラブL

2月22日(23日県発表)に従業員3名の新型コロナウイルス感染症が判明して以降、従業員や来店客20名以上の感染者が判明した上越市仲町のキャバクラ「クラブL」。同店の従業員や従業員の家族等への誹謗中傷や心無いバッシングが激しいため、同店を運営する会社の代表がこれまでの経緯や想いについて取材に応じてくれた。

 

徹底した感染対策を実施

「この度はお客様、濃厚接触となられた方々、またそのご家族様、近隣住民様、近隣店舗の皆様にコロナウイルス、クラスター感染で多大なるご迷惑をおかけしてしまったことを心よりお詫び申し上げると共に、感染してしまった方々に心からお見舞い申し上げます」。クラブLの代表は取材の冒頭にこう語った。

だが、取材を進め、代表の話を聞いていくと、同店の感染症対策は決して手を抜いていたわけではないことがわかる。むしろ他店と比べても、感染症対策には細心の注意を払っていた様子がうかがえる。代表も「昨年5月に新型コロナ感染症対策をはじめ、その後、調べながらより良いものを導入してきました」と話す。

従業員向けの対策としては、出勤前に自宅で体温測定をしてもらい、体調の報告を義務化した。37.5度以上の場合は出勤停止で、それより体温が低い37.0度以上の場合でも、症状の有無などを聞き取り、出勤可能かどうかを判断していたという。

また完全送迎による感染防止を行い、送迎中はドライバーを含む全従業員にマスク着用を義務付けたほか、送迎車の消毒も毎日行っていた。店への到着時にも、設置型サーモグラフィーによる検温とアルコール消毒を実施し、37.5度以上の場合は出勤停止にしていたという。

このほか、月に1度の従業員向けPCR検査の実施、体温記録表を用いた体温の管理、営業中の体調変化の確認、うがい・手洗い・消毒の徹底などを行っていた。

そして極め付けは、GPSを使った従業員の行動把握で、従業員全員をGPSを使って行動履歴をわかるようにした。GPS情報の管理は、女性マネージャーが行い、「禁止している県外往来はないか」、「感染者が発生した場所に近づいていないか」などをチェックしていたという。「県外往来の禁止に加え、アフターや同伴も感染者数が増えている時期には禁止していました」(代表)

店舗内の対策としては、1階と2階を合わせて加湿器16台を設置して天然由来の除菌・抗菌ウォーター「ディフェンドウォーター」を散布するとともに、サーキュレーターで店内に隈なく散布できるようにしていた。また、「2時間に一度のドアを開けての店舗内の換気」「営業前後の店舗内の除菌」「来店客は退店するたびにガン空気清浄器スプレーを使ったテーブル、ソファーなどの除菌」「トイレ、入り口、手すり、ドアノブなどの消毒」を実施していた。

加湿器16台を設置して天然由来の除菌・抗菌ウォーター「ディフェンドウォーター」を散布するとともに、サーキュレーターで店内に隈なく散布できるようにしていた

来店客への対策としては、「入店時の設置型サーモグラフィーによる検温(37.5度以上の場合の入店お断り)」、「アルコール消毒」、「マスクの配布」、「フェイスシールドの貸し出し」、「席でのマドラーの来店客と従業員の使い分け」などを行っていた。ただ、キャバクラという業種の性質上なのか、マスクやフェイスシールドを使う客は少なく、「もっとマスク着用を徹底しておけばよかった」と話していた(なお従業員間で感染が広がったのは、従業員専用スペースの感染対策が少し後手に回っていたことも考えられ、今後はこちらの感染対策も強化したいという)。

カラオケのマイクは1曲終わるごとに消毒をしていた

このほか、カラオケについては感染リスクが高いことから、基本的にはカラオケは遠慮してほしいと依頼していたが、どうしてもカラオケを楽しみたい場合は距離をあける形で楽しんでもらっていたという。「マイクについても1曲終わるごとに消毒をしていました」(代表)と話す。

なお現在店は休業しているが、時期は未定だが今後再開した場合は、「マスクの義務化や、テーブルの間に透明の可動式シールドを設置するなど感染対策を強化することを検討しています」と話していた。

入り口

来店客が退店するたびにガン空気清浄器スプレーを使ったテーブル、ソファーなどの除菌をしていた

 

自ら店名の公表を希望

こうした中で、上越保健所のPCR検査により22日に従業員3名の感染が判明し、代表は保健所とやり取りを始めることとなった。その中で、濃厚接触者として従業員全員がPCR検査を受けることとなったという。その話を従業員に伝えると、「頭が痛い」「体調が悪い」などと言い出す従業員が相次いだ。代表は「まだ感染者が出てクラスターになるのではないかと思った。個人の心境としては、店名を知られたくなかったが、結局は漏れるのであれば、隠していたと言われないよう、(あえて自ら公表する店が少ない中、)保健所に店名を公表しましょうと伝えました」と振り返る。

だが23日の県の発表の中で、店名が公表されることはなかった。理由は、濃厚接触者となり得る来店客および従業員をほぼ特定できたいたからだ。代表も「時期が時期なので、女性従業員の知っているお客様または常連のお客様がほとんどだった」と話す。

なお県が店名を発表するのは、来店客を特定できず、来店した可能性のある人に、注意喚起を呼びかける必要がある場合に限られる。だが代表はその後も感染者の判明が続いたことから保健所に何度も店名を公表して欲しいと依頼したそうだ。

店名が公表されない中でも、クラブLでは、独自の対策を実施した。従業員の行動履歴、店の女性従業員と客が行ったLINEなどの履歴や、来店客の伝票から、13日以降に来店したことが判明した人に対し、感染者が出た旨を書いた文書を一斉送信したのだ(感染する可能性が高いとされたのは16日以降だが、それよりも余裕を持って13日以降とした)。

その後も同期間には来店していない常連客にもメールを送信。また店の入り口にも貼り紙をしたほか、SNSを活用して店で感染者が発生した旨を告知した。さらにクラブLの来店客が近隣の飲食店にも足を運んだ可能性があることから、近隣店にも報告を行ったという。

 

従業員とその家族への誹謗中傷

しかし、個人でPCR検査を受けた従業員が聞き取り調査に対し、職業を「無職」と話し、それが、にいがた経済新聞を含むメディアにそのまま流れ、「やはり情報を隠している」とバッシングを受けることになっていったという。

また、感染した従業員の家族の勤務先の人(つまり濃厚接触者の濃厚接触者)から、「お前たちのせいで大変な思いをしている」と批判も受ける従業員や家族も現れた。さらにインターネットやSNSなどで従業員の本名、親族への誹謗中傷などが出回る事態に陥ったり、「管理が杜撰な夜の店で働くから感染するんだ」と誹謗中傷に遭い、精神的に追い込まれた従業員も出たという。

代表は、「経営者として患者が発生したことに責任を感じておりますし、店を批判されても仕方がないことだと思っています。しかし、誰でも感染し得るものであることを理解してもらいたい。誹謗中傷だけはやめてほしい」と訴えていた。

従業員専用スペース。体温記録表で従業員の体温の管理していた



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