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連載⑥ 流通最前線 ドラッグストア業界(下)「台頭するフード&ドラッグ店、どこまでシェアを伸ばすか」

ドラッグストア業界は今後、フード&ドラッグが主流になるのか――。現在街中を見渡すとドラッグストアが増えてきたという印象を持たれる方も多いだろう。しかし、一括りにドラッグストアといっても店舗のタイプが分かれてきている。中でも業績を伸ばしているのがフード&ドラッグの代表選手であるのが「コスモス薬品」、「クスリのアオキ」、さらに「ゲンキー」だ。

ドラッグストアというと、昨年、コロナ禍のなかマスクを求めて彷徨った経験はないだろうか。その際、食品がメチャクチャ充実しているという印象を持たれた方も多いはずだ。

そう今後ドラッグストアは食品の拡充競争に入るのである。というのもドラッグストアはもはや、商品を広げるにしても食品が至近距離にあり、収益構造的に何も食品で儲ける必要がなく、食品を集客マシーンにすればいいからだ。儲けるのは一般用医薬品や化粧品でいいのだ。

例えば大手ドラッグストアチェーンの収益構造をみてみよう。トップのウエルシアHDは現在、急ピッチで生鮮食品を販売している店舗を広げているところだが、20年3月―9月期の売上高構成比は次の通りになっている。

調剤が17・9・5%、医薬品が20・5%、家庭用雑貨が14・7%、また化粧品が17・3%、そして食品が22・1%。これを粗利益率をみると、顕著なのが、医療用医薬品が40・3%、調剤が38・7%、化粧品が33・8%、食品が20・7%である。ご覧の通り、食品の粗利が極めて低い。ドラッグストアは食品を安売りして〝集客装置〟とし、医薬品や化粧品で儲ける構造が出来上がっている。

しかし、こうした王道のドラッグとは別の歩みで成長してきたドラッグストアチェーンが台頭している。

食品部門を目一杯拡充しているのが、九州を地盤として東征を進めているコスモス薬品である。コスモス薬品の売上高比率は他のドラッグストアチェーンとは明らかに違う商品売上高の構成比である。20年5月期の結果は医薬品が15・4%、化粧品が10・2%、そして食品が57・4%である。ウエルシアHDと比較して食品の売上高ウエイトが突出して高いことが分かる。

コスモス薬品は「ディスカウトドラッグコスモス」と店舗の看板でも示しているように、食品の安売りで集客し、ついでに医薬品や化粧品を購入してもらう構造なのだ。しかも大手のウエルシアHDやツルハHDはどちらかというと、医薬品や化粧品を買いに来たお客についで食品を買ってもらう商品政策であり、いわば逆のアプローチである。

コスモス薬品は先行する大手2社、ウエルシアHDやツルハHDのようにM&A(合併・買収)で規模を拡大してきたドラッグストアチェーンとは違う。むしろ、M&Aをほとんど手掛けず地道に1店、1店自社店舗を増やし、現在業界3位にのし上がった。

このところ、ドラッグストアも店舗数の増加に伴い転機を迎えている。従来のような医薬品で儲けるという構図が通用しなくなっている。このためツルハHDは21年5月期上半期末で660店に生鮮食品を導入したり、ウエルシアHDも地道に生鮮食品を販売する店を増やしたりしている。

これからは、つまり「従来型のドラッグストアではない食品強化型の店が主流になる」(ある経営コンサルタント)といわれており、時代は「フード&ドラッグ」時代に突入している。

ドラッグストアでは生鮮食品を導入したり、生鮮食品を販売する店を増やしたりしている(写真はイメージです)。



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