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連載⑨ 流通最前線 コンビニ、岐路の選択(上)セブンーイレブン「米コンビニ、巨額買収のなぞ」


再びコンビニがインフラとして可能性を持つことができるかどうかの次世代のコンビニ業界に課せられた課題だ(写真はイメージです)

大手コンビニチェーンの岐路の選択は正しいか――。かつて同質化といわれたコンビニチェーン、どこかが商品やサービスで成功すれば、それに追随するというビジネスモデルが一般化していた。しかし、それがどうだろう。今はそれぞれ大手チェーンが独自の道を模索し始めているようにみえる。果たして低迷しているコンビニが復活する日は来るのか。連載で大手3社の戦略を追ってみる。

「セブン―イレブンは一世一代の賭けに打って出た格好だな」。セブン&アイ・ホールディングス傘下の米セブンーイレブンが米国の石油精製会社マラソン・ペトロリアムのコンビニエンスストア併設型ガソリンスタンド「スピードウエイ」部門を210億ドル(約2兆2200億円)で買収したことについてこうみている。

なにしろ金額も金額だが、米国市場でコンビニがまだ、小売業態として伸び盛りであるかどうかが焦点だからだ。「米国のコンビニはかなりの店舗でガソリンスタンド併設している。給油するついでに、飲料や軽食を買うという行動が一般化しており、日本のようにコンビニで食事を買うという購買の仕方ではない」と話すのは米国事情に詳しい、ある大手流通チェーンの幹部だ。

米国のコンビニでは日本のように大手3社が90%以上のシェアを持っていない。いわゆる中小チェーンがひしめいておりセブンーイレブンがスピードウエイ買収した後も最大手だが、それでもシェアは全米でわずか「8・5%」である。だが、そんなシェアアップでしかない買収をなぜ巨額投資して踏み切ったのだろうか。「2兆円もの投資をするわけだから、勝算ありと見込んでいるのは確かだろう」(同)。

米国の消費者は大型の冷蔵庫を持ち、例えばウォルマートなど大手スーパーで一週間分の食材を買い込んで食材などを冷蔵庫に入れておくという買い物の仕方が一般的。しかし、それをネット通販大手のアマゾン・ドット・コムが改革し、ネットで注文して宅配するという消費行動を定着させた。

セブンーイレブンが米国市場で巨額を投じたコンビニの買収で勝機を見出しているとすればコンビニ店舗を「ラストワンマイルの拠点として見ているのだろう」(コンビニ評論家)という指摘がある。

米国では都市部は別だが、郊外では何キロ、何十キロも車を走らせないとコンビニでたどりつかないケースもある。アマゾンが急速に普及した背景には、こうした距離と時間をネット通販で短縮したことだろう。このためセブン―イレブンもコンビニというキメ細かく配置している店舗網を活用して日本で展開している「ネットコンビニ」のような配送サービスを今後検討することになるだろうというわけだ。

日本でもセブンーイレブンのネットコンビニが注文から30―1時間で配達しているように、すぐに食べたい、飲みたいというニーズを満たせば米国でのコンビニ宅配は勝機があると踏んでいるとみられるのだ。2兆円という巨額買収に目が奪われがちだが、巨大な米国市場でラストワンマイル市場の仕組みを構築して押さえれば、成功間違いなしと判断している可能性は高いのだ。

日本ではコンビニが密集しており歩いて4、5分の距離に店舗があることが少なくない。つまり、米国でも小商圏に店舗がキメ細かく配置され、即座に宅配できる強みはモノの宅配ばかりでなく、再びコンビニがインフラとして可能性を持つことができるかどうかの次世代のコンビニ業界に課せられた課題だ。



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