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東京商工リサーチ新潟支店が「2020年度 新潟県企業倒産状況」を発表

倒産件数は2年ぶりに減少も大型倒産の影響で負債総額は大幅増

株式会社東京商工リサーチ新潟支店は2日、「2020年度(2020年4月~2021年3月)新潟県企業倒産状況」を発表した。それによると、2020年度の新潟県の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年度比30%減の60件、負債総額は同394%増の708億9,700万円と、倒産件数は2年ぶりに減少したがダイヤメット関連の大型倒産の影響で負債総額は大きく増加した。

倒産件数は、前年度比26件減(30.23%減)となり、年度としては1962(昭和37)年の集計開始以来59年間で57番目、1990年以降の31年間では最少の31番目となった。

負債総額は、前年度比565億6,800万円増(394.77%増)で、過去59年間では14番目、1990年以降の31年間では11番目となった。

産業別では、10産業のうち、「製造業」・「サービス業他」が各17件、「小売業」が12件、「卸売業」が6件、「建設業」が4件、「不動産業」が2件、「農・林・漁・鉱業」・「情報通信業」が各1件だった。

原因別では、「販売不振」が39件と最多で、次いで「既往のシワ寄せ」が18件、「他社倒産の余波」が3件、「その他(偶発的原因)」が2件、「事業上の失敗」・「信用性低下」が各1件。

形態別では、「破産」が42件と最多、「特別清算」が12件、「銀行取引停止」が4件、「民事再生法」が2件だった。

資本金別では、「1,000万円以上5,000万円未満」が26件と最多。以下、「100万円以上500万円未満」が10件、「5,000万以上1億未満」・「500万円以上1,000万円未満」が各8件、「100万円未満」・「個人企業他」が各3件、「1億円以上」が2件だった。

負債額別では、「1億円以上5億円未満」が20件と最多。「1,000万円以上5,000万円未満」が18件、「5,000万円以上1億円未満」が14件、「5億円以上10億円未満」が5件、「10億円以上」が3件で、中規模零細企業の構成比が高い点に変化はない。

従業員数別では、「5人未満」が32件と最多で、53.3%を占めた。次いで「10人以上20人未満」が10件、「5人以上10人未満」が9件となり、20人未満の中小零細規模の倒産が全体の85%と多くを占めた。

業歴別では、「30年以上」が36件と最多で、構成比も60.0%と、業歴の長い企業の倒産が過半数を占める傾向が続く。

 

ダイヤメットとピーエムテクノの2社で負債総額603億9,700万円

主な倒産事例としては、(株)ダイヤメットと子会社の(株)ピーエムテクノが昨年12月21日に東京地裁に民事再生法の申請を行なった。負債総額は2社合計で603億9,700万円。(株)ダイヤメットが577億9,000万円、(株)ピーエムテクノが26億700万円。

(株)ダイヤメットは、2005年12月に三菱マテリアルの子会社として設立され、粉末冶金法を用いた焼結機械部品、焼
結含油軸受、軟磁性材部品その他の粉末冶金製品などの製造を事業に、自動車向け部品を主体とした製品製造を行ない、ピーク時の2008年2月期には売上267億6,500万円を計上していた。しかし、その後は自動車向け需要の緩やかな縮小を背景に売上は減収推移にあり、2020年3月期には200億6,700万円に低迷。さらに、2016年には不適合製品の出荷等に関する問題が発生し、その対応と体制整備に多額の費用を投じたこともあり、以後、大幅な赤字を計上し続け、債務超過の状態となっていた。

その後も親会社の追加出資などで資金支援を得ていたが、2020年9月にはエンデバー・ユナイテッド(株)の組成するファンドに全株式売却を発表、12月に株式譲渡がなされ、増資や役員人事異動も行なわれていた。しかし、多額の金融債務を抱える中での自力再建は難しいとの判断から、民事再生法申請となった。

一方、(株)ピーエムテクノは、2000年2月に(株)ダイヤメットの生産子会社として設立され、自動車用焼結部品の製
造を行なっていた。しかし、同社と一体の経営であったことで連鎖する形となった。

 

今後、「息切れ型」倒産が押し上げ増勢に転じる可能性も

足下では、県内でも新型コロナウイルス感染者数が増加傾向にあるなど、未だ収束のメドは見えないのに加え、代表の高齢化などで、業績や経営体質の改善が遅れた先や後継者難など、抱える課題が表面化した事例が多く見られた。

政府や自治体、金融機関等も相次いでセーフティーネットの整備・実行を続け、企業支援策が広範囲に行きわたり、資金繰りを下支えしたことで、コロナ禍でも企業倒産は減少に転じ、歴史的な低水準を維持している。ただ、感染拡大から1年が経過し、業績回復の見通しが立たないなかで、先々には返済負担が発生することになる。

政府は、返済猶予に弾力的に応じるよう金融機関に要請しているが、多くの企業は売上減少の中での借入金増加で、今後は過剰債務の問題も浮上してくる。支援策で調達した借入金の返済猶予は一時的に資金繰り緩和効果を生んできたが、経済的に好
転しているわけではなく、業績回復には時間を要する。

今後、企業倒産は「息切れ型」倒産が押し上げながら増勢に転じる可能性を残している。



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