【思わず記者も唸った】地元の魅力をプラモデルでPR「ナガオカプラモデル」が、深面白い!
掲載日 2023年11月7日
最終更新 2023年11月12日
今週の人気記事などを日曜日に再掲載いたします。(編集部)
長岡造形大学大学院・修士2年生の熊木七菜子さん(25歳)は、10月5日から、毎週木曜日と土曜日の週2回、ミライエ長岡5階にて、長岡市の地域資源を題材にした自作プラモデルの配布を行っている。
熊木さんは新潟市出身。大学院で、「おもちゃを利用した地域資源の発信」について研究するかたわら、週に3回ほど、地域おこし協力隊員としての活動を行っている。今年夏頃からこのようなイベントを始め、今回はその第2弾である。
今回の新作プラモデルは、かぐら南蛮みそを題材としている。「お茶碗パーツ」「かぐら南蛮みそパーツ」「ご飯パーツ」がそれぞれ3つのパーツにわかれており、プラモデルを完成させるためには、それぞれのパーツの配布場所であるミライエ長岡と、長岡市吉崎にある柳醸造株式会社を交互に行き来する必要がある。その際、「お茶碗パーツ」に同封されている「かぐら南蛮みそパーツ引換券」を持って柳醸造へもっていくと、実際のかぐら南蛮みそが試食できる。客足を、地元企業につなげ、地域の名産の味を実際に体験してもらう。ちょっとしたローカル・ツーリズムの在り方としては手軽で、地元の内外問わず、誰もが気軽に参加しやすい。
熊木さんはこれまで、長岡市の地域資源を題材とした様々なプラモデルを制作し、地域PRの新たな可能性を模索してきた。その発想もおもしろい。「ダンシングあぶらげ」「廻る錦鯉」など、ネーミングや動きも独特である。全て熊木さんが自身で考えて、3Dプリンタで製作しているという。企画からデザインまで3週間ほどかかるという。
イベントには、親子連れや、プラモデルに親しみを感じる30代の人たちが、楽しそうに参加してくれるという。この日、たまたまイベントを知ったという長岡市内在住の元井仁さん(65歳)も、「これは面白い」と、興味深そうにプラモデルを眺めていた。
かつて旅行関係の仕事をしていたという元井さんは、「長岡市の観光地は、インパクトが少ない。点と点が線になるところが少ないところが、個人的にもったいない」とコメントした。
そのような点では、熊木さんの制作する特産品のプラモデルは、長岡の点と点をつなげる魅力的なツールとなるのではないだろうか。
今回のミライエ長岡でのイベントは11日まで。熊木さんによれば、現在第3弾も企画中とのことである。次はどんな特産がプラモデルになるのか、そして、タイアップする企業も楽しみである。「地域おこし協力隊としての任期が、来年の3月までなので、それまでにもう1,2回実施できれば」と、熊木さんは語った。
地元名産のPRとローカル・ツーリズムを融合させたようなアイディアと新しい試みに、思わず記者も唸ってしまった。恐らく地域独自の取り組みになる「ナガオカプラモデル」の今後の可能性に期待したい。
いままで熊木さんが制作したおもちゃについては、下記サイトで見ることができる。https://sotsuten.nagaoka-id.ac.jp/artwork/16675/
(記事・撮影 湯本泰隆)