【産業観光促進】燕三条からパリへ 「燕三条匠(たくみ)の守護者プロジェクト」がジャパンエキスポ・パリに挑む!<再掲載>

「第6弾からは、大人向けのルールも考案する予定である」とする結城靖博代表

直近の特集記事を日曜日に再掲載します(編集部)

初回掲載:2024年4月3日


中小のものづくり企業が多く連なる新潟県燕三条地域では、同地域の企業を擬人化したトレーディングカード(トレカ)を軸にして、地場産業の認知度向上や産業観光促進を図る取り組みが行われている。

「同プロジェクトの根本は、カードそのものではなくて、擬人化」そう語るのは、有限会社魚兵の代表取締役であり、「燕三条匠(たくみ)の守護者プロジェクト」の中心的役割を担っている結城靖博代表(39歳)である。

同プロジェクトの始まりは2019年。当時、結城代表が所属している三条商工会議所青年部の燕三条プロモーション事業でこのプロジェクトを立ち上げた。それに先立2016年のこと、それに先立ち2016年のこと、三条商工会議所青年部で出店した‟Japan Expo Paris“(ジャパンエキスポ・パリ)にて、燕三条の地元企業とプロダクトを紹介したブースを出展していた。

期間中、来場者には、新潟県三条市に本社を置くマルダイのオリジナルキャラクター『すのこタン。』が描かれた紙袋に、資料をいれて手渡ししていたのだという。当時は、擬人化された企業のイメージキャラクターが少なかったこと、またフランス国内にイラストで紙袋をデザインする文化がなかったことなどが功を奏し、ブース内は多くの来場者で殺到した。

この経験から、「地元の企業を擬人化すれば、お客さんがたくさん来るのではないか」と、‟企業の擬人化“に目をつけた。

その際、「単に企業を擬人化しただけでは、波及力は及ばない」とし、「擬人化した企業のキャラクターでトレーディングカードを制作して販売した方が、コレクション性も強まり、より多くの人々に親しみを持って地元企業を知ってもらえるだろう」と考えた。同ジャパンエキスポ・パリから2年後の2018年から少しずつ準備をはじめていった。

燕三条には、大小含め3,000もの企業がある。さすがに全ての企業の擬人化したキャラクターを一人の絵師に依頼するには無理がある。そこで注目したのが、新潟市にある日本アニメ・マンガ専門学校(JAM)である。

同校は、アニメーターやイラストレーター、マンガ家などのクリエーターを輩出する日本海側最大級の専門学校で、全国各地にクリエーターとして活躍している卒業生が点在している。同校の在校生にキャラクターのデザインをしてもらおうと考えたのである。そこでJAMに話を持ち掛け、快く協力を得られた。今では学生にとって在学中の制作実績として就職時、採用企業への良いPRとなっている。両者の利害は一致し、同プロジェクトは、「産学連携プロジェクト」としてスタートした。

2019年3月に「燕三条トレカ 匠の守護者 第1弾」の販売を開始し、以後、毎年ひとシリーズごと発売している。現在、2023年まで第5弾まで出ている。

2023年から販売されている第5弾

カードの制作には、少なく見積もっても半年はかかる。3月頃に参入企業の募集を初め、4月下旬に決定。5月に学生を交えてそれぞれの企業のヒアリングを行い6月から8月頃にかけてキャラクターのデザインが確定する。その後、毎年のシリーズのテーマを決定し、広報活動を開始、9月半ば頃から本格的に販売をスタートする。かなりタイトなスケジュールだ。

2024年9月から発売予定の第6弾は現在、新規参入30社を4月20日まで募集している。遊び方は、YouTube動画(https://www.youtube.com/watch?v=UL1xviOJm-I)などでも確認でき、そのシンプルさ故か、小学生のプレイヤーが多いという。

結城代表によれば、第6弾から少し複雑な大人向けのルールを考案し、より多くの人が楽しめるように改良していくという。「今後は、匠の守護者でジャパンエキスポ・パリに、出展したい!」と熱く語る。

4月6日には、三条市桜町にあるものづくり学校105号室で、「第2回ワールドチャンピオンシップカードバトル」が行われる。燕三条地域で生まれたトレーディングカードは今、世界に目を向けている。

匠の守護者公式Webサイト https://takuminoshugosha.com/

(文・写真 湯本泰隆)

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