新潟市万代シテイへ「佐渡 回転寿司 弁慶」が新規出店、対面を減らした店内で「安全安心な食事」を目指す

新店舗の内部イメージ

新潟県内外で寿司店を展開する株式会社弁慶(本社:新潟県佐渡市)が7月16日、新潟市の中心街・万代シテイエリアへ新たに「佐渡 回転寿司 弁慶」をオープンする。

ピア万代に立地する店舗に続き3店目、約10年ぶりとなる同社の回転寿司新店舗は、寿司職人の立つカウンターを廃するなど、長続きするコロナ禍の中で非対面・非接触による「安心安全な食事」をコンセプトとしている。しかしそれ以上に、同社にとっては挑戦と実験を志向する「次に繋がる店舗」としての狙いがあった。

 

目次

◎店舗構造の一新で、安心安全な食事環境を
◎利用者の求めを追求する実験的なスタイル
◎万代エリアの変化と次に繋げる店舗

 

店舗構造の一新で、安心安全な食事環境を

新店舗を出店するのは新潟市中央区の万代シテイエリア、商業施設が集積する中心街に立地する「万代シルバーホテル」2階。同所では現在フードコートの整備も計画されており、「佐渡 回転寿司 弁慶」は同所への新規出店第1号となる。

新店舗の特徴は、弁慶にとっては初となる、寿司職人が立つカウンターの廃止と、2段になった回転レーンによる寿司の提供だ。寿司職人による直接応対がなくなる代わりに、タッチパネル注文と専用レーンで利用者へ個別に寿司の提供を行う。

こうした形態は主に、いわゆる「100円寿司」チェーン店での人件費削減のための導入が多いが、弁慶への導入は飲食店には避けがたい対面と接触の機会を少しでも減らすためのものである。

店内には4人掛けの特別席も用意される

新型コロナウイルスは飲食業界に大きな影響を及ぼしたが、そのコロナ禍が長期化する中でさらに、感染症予防を徹底しながらの営業が求められるようになってきた。元々、利用者層が広く宴会利用は少ない回転寿司業界ではあるが、対策の有無は今後利用者の心理に大きく影響していくだろう。

一方で、提供する寿司の品質は既存の店舗と変わらない。また、店内全体のシックな雰囲気もさることながら、特別席を3室用意することで、ファミリー層だけでなく「上質」を求めるカップル客や高年齢層へも対応する。

「今まで我々は、上質なグルメと接客のサービスは一体のものだと考えていたが、これからは接客は無しでもやっていかなくてはいけない」と語るのは弁慶の小崎和彦代表取締役社長。「ハードウェアは“100円寿司”のそれであるが、高いクオリティの寿司を提供するという、新しい隙間のジャンルを開拓していきたい」(同)。

ピア万代店

また、新規出店は既存のピア万代店と距離が近いが、これは意図的なものである。ピア万代店は昼食時を中心に非常に混雑する傾向にあり、特にコロナ禍では感染防止を図る必要もあることから顧客側も従業員側も心理的負担が大きい。狭い範囲での複数店舗は、顧客を奪い合うように見えるが、むしろ利用者の分散、受け入れきれなかった利用者の受け皿としての狙いがある。

加えてこうした転換は、商業施設内の一角という比較的狭いスペースへの出店へもマッチした。店舗構造を一新した新店舗は、ピア万代店とは敷地面積が異なるものの、テーブル数は減らす必要性はなかったという。

 

利用者の求めを追求する実験的なスタイル

小崎社長は、新店舗の大枠のコンセプトは「安全・安心」であるものの、あえて細部は柔軟にして顧客の動向に対応できるよう設計していると話す。

「以前からピア万代店は混雑が多く、その受け皿として『別館 立ち食い 弁慶』という店舗を目の前に増設した。しかし我々の予想に反し、むしろ立ち食いというスタイルや酒類の豊富さを気に入って、回転寿司店ではなくこちらへ通う利用者が生まれた。新店舗の『寿司職人が立たない形態』も我々にとっては未知の領域であるが、だからこそお客様が求めるものを見極めた上で柔軟に対応したい」(小崎社長)。

ピア万代店に併設された「別館 立ち食い 弁慶」

新店舗は、弁慶にとってはある意味でこれからの時代の「モデル店舗」となる存在だ。現状ではレジカウンターを用いず各席での会計を考えているが、例えばさらに一歩踏み込んで「完全キャッシュレスに移行するか」など、世相や要望を交えて今後も検討を重ねていくようだ。

また、ピア万代店とは意図的に変えているポイントもある。例えば、予約と待合の方式について。

店舗に並ぶ通常の待合方法とネット予約を併用した場合、待合客の横を予約客が素通り優先的に席に案内される状況が往々にして発生する。当然のことではあるが、利用者全員の快適を思考した場合には待合客の心象にも配慮したい。

そのため弁慶では今後、ピア万代店はアナログの待合限定、新規店舗はデジタルのネット予約を優先にすることを明示するという。距離としては差が少ないため、顧客は各々が使いやすい方に流れる。また利用状況を分析すれば、今後の店舗の方向性も見えてくる。こうした実験的試みも、新店舗が「次に繋がる」店舗と期待される要素だ。

 

万代エリアの変化と次に繋げる店舗

新店舗入り口 イメージ

万代エリアは商業施設は集積しているものの、「夜が弱い」地域である。宴会や飲酒では新潟駅前や古町といった周辺エリアに劣るだけでなく、夕食需要でも選択肢が多くない印象だ。シルバーホテルから出店の声がかかったのは、こうしたエリアの弱点を克服する狙いもある。

元々、商業施設の集積があり新潟駅からも徒歩圏内である万代は飲食店にとって条件が良い。加えて、近年は新潟駅から万代にかけての一帯でマンションの建築が盛んになっていることも追い風になると小崎社長は分析する。

コンパクトシティが志向される中で、万代でも従来とは異なる地域住民という客層が射程に入り始めた。回転寿司というファミリー層を中心に老若男女から選ばれる店は、こうした状況にはうってつけだ。

さらに弁慶では近年、ポイントカードの導入も開始した。利用に応じて特典のプレゼントがあり、利用回数が多いほどランクも上がっていく仕様だ。小崎社長は「コロナ禍以前にはこのような制度の導入は考えていなかった」と話す。ピア万代や佐渡では観光客の利用が多かったが、新型コロナはその状況を一変させ、常連客の囲い込みが重要となった。前述のように万代の人口が増加すれば、地域住民の利用によってさらにその重要性は増していくだろう。

見てきたように、万代の新店舗は既存のピア万代店のサブという立ち位置から始まりながら、実験的な側面や地域の将来を見据えた、「挑戦」を志向する店舗でもある。弁慶ではこれまでにも東京都内に銀座店や神田店を出店してきたが、万代店のノウハウが県内外のさらなる新店舗へどのように繋がるか──。経営の面でも万代店の展開は注目だ。

 

【出店予定地 万代シルバーホテル】

 

【関連リンク】
株式会社弁慶 webサイト

 

本記事は、株式会社弁慶の提供による記事広告です。

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