【MOTHER FACTORY】本物の“口”が小銭をくわえる!? 「人肉アイテム」の展示が、新潟県新潟市中央区で開催中! HIKAKIN氏とコラボしたことも
ぱっくり開いた“唇”の間に小銭を入れる。USB端子から伸びる“指”でデータを保存。
——まるでホラー映画の小道具のような日用品の展示が今、注目を集めている。
新潟市中央区で開催中の「人肉アイテム展 in 新潟」(~5月13日)は、シリコンで制作した人体の皮膚や口、目玉といった“リアルすぎる”造形をまとった日用品を一堂に集めた、異色の展示イベントだ。

財布や印鑑ケース、USB、おちょこなど、人の身体の一部をリアルに再現した日用品が並ぶ
これらの作品を手がけるのは、アートブランド「MOTHER FACTORY」を主宰するアーティスト・doooo(ドゥー)氏(38歳)。音楽プロデューサーとしても活動している彼は、最初は自身のアルバムのアートワークに使用する目的で作ったことをきっかけに、“人肉アート”シリーズを展開し始めた。

人肉シリーズ誕生のきっかけとなったアルバムのジャケット
代表作のひとつである「人肉小銭入れ」は、米誌『Newsweek』に掲載、ロイター通信やCNNで紹介されるなど、世界中で話題に。そのリアルすぎる唇の質感と、ユーモアが同居した異様さが、国内外のファンを魅了している。スター・ウォーズのJ・J・エイブラムス監督や、『ピノッキオ』のギレルモ・デル・トロ監督に作品を見せた経験もあるという。

人肉シリーズを手掛けるdoooo氏。実は音楽プロデューサーだという
過去にはホラー漫画家・伊藤潤二氏や、新潟県出身の人気YouTuber・HIKAKIN氏とのコラボも実現。アメリカやヨーロッパを中心に、ラッパー、俳優、スポーツ選手などからのオーダーも相次いでいる。
会場には、目玉が動くアクセサリー、指型の印鑑、USB親指、耳の形のお猪口など、日常に使えるアイテムが所狭しと並ぶ。中央に目玉があるミラーボール型ネックレスは、ヒップホップカルチャーの「ブリンブリン」文化を意識したデザインだ。素材はシリコンを中心に使われ、リアルな見た目・触感・動きが再現されており、制作には義眼職人や宝飾職人、シリコン造形の専門家など、各分野のプロが参加している。
ホラーやSFから着想を得たこれらの作品は、見る者に強烈なインパクトを与える。doooo氏は、「展示が人と人とをつなげる場になれば嬉しい」と語り、今後も国内外のアーティストとのコラボを視野に入れている。
新潟での開催にあたっては、東万代町のセレクトショップ「SPOONS」が会場を提供。同店の富永 快店長(29歳)は、共通の知人を通じてdoooo氏と知り合い、「地方での展示をやりたい」という想いに共感して今回の開催が実現した。「まさか実際にできるとは思わなかった」と、驚きと喜びを語る。

doooo氏と共同で主催した富永店長
会場を訪れた中央区在住の30代女性は、「クリエイティブがすぎる。本当に人間みたい。ちゃんと毛も生えててすごい」とコメント。
土日は混雑が予想されるが、平日は比較的ゆっくり鑑賞できるという。「怖いのに、なぜか惹かれてしまう」。そんな“不気味な魅力”を、あなたも体感してみては?

会場となった東万代町の「SPOONS」
【イベント概要】
人肉アイテム展 in 新潟
会期:2025年5月9日(金)〜13日(火)
時間:13:00〜20:00
会場:SPOONS(新潟市中央区東万代町6-10)
主催:MOTHER FACTORY、SPOONS
入場:無料
(文・写真 湯本 泰隆)