【キシャメシ】いざ夏本番のこの季節、やっぱり「なみ福」(新潟市西蒲区)のラーメンを食べに行きたくたくなる

 

新潟市西蒲区角田浜の「新潟ラーメンなみ福」。外観は浜茶屋そのものだ

先日、「新潟ラーメンなみ福」が東京浅草に店を出したというニュースがあった。もはや新潟では押しも押されもせぬ人気店、有名店になったんだな、なみ福。というわけで、本日はなみ福だ。

なみ福は、新潟の人には言わずと知れた、Hi-STANDARDの難波章浩氏が経営するラーメン店。90年代の国内パンクシーンを駆け抜けたハイスタが、今の40~50代に与えた影響は大きく、記者もまたご多分に漏れない。ハイスタやメロコアの話になると、思い入れが強いだけに趣旨がブレるので、本記事ではラーメンの話だけにさせてもらう。

店前のショップフロア天井には、クラファンの支援者の名入り提灯が展示されている。難波氏なりの感謝のカタチだろう

 

なみ福は新潟に2店舗を構えている。角田浜の本店となみ福新大店。本日訪ねたのは角田浜の本店だ。

2022年にクラウドファンディングでつくられた店は、もともと「海の家」(新潟で言う浜茶屋)を改装した建物。実に新潟浜茶屋文化の良いところを残している印象で、今や観光名所と化しているのか、海水浴シーズン以外でも昼時には順番待ちが出る。

何を隠そう、なみ福を訪ねるのは初めての記者。なみ福の元になった店「楽久」で食べたことはあったし、特に何か思いがあって来ていなかったわけではないのだが。

シンプルなメニュー構成に好感

券売機で「ラーメン・チャーハンセット」(税込1,200円)をポチ。

カウンターに座り、店内を見回す。大きな窓の向こうに広がる角田浜。こんなに見事なオーシャンビューのラーメン店を、記者は他に知らない。昔から「海の家で食べると、適当なラーメンでも妙においしい」という定説があるが、それはやはり海を見ながら食べれば、大概のものは美味しいくなるからだろう。ましてや、なみ福のこだわり抜いた味を、このロケーションで食べたなら・・・期待はパンパンに膨らむ。

こんなオーシャンビューのラーメン店、初めてだ

すると間もなく着丼。おお、黄金のスープとはまさにこのこと。美しいな。

レンゲですくって一口。すっごいな、これ。煮干しベースでこんなに上品な味に仕上がるのか。澄んでいる、とことん。雑味がない、本当に。良い煮干しを使っていること、それを丁寧な下処理をしてゆっくり時間をかけて出汁を引いていること、それはわかる。美味いわ。

ラーメン・チャーハンセット(税込1,200円)

新潟5大ラーメンのひとつ「新潟あっさりラーメン」なんてのがあるが、あのような化学調味料で舌がびりびりするようなパンチの効いた味ではない。煮干しの良質な出汁がそのまま輪郭になっている、ナチュラルでわかりやすい旨味だ。優しい滋味、ジワジワ来て身体に染み入る。濁ったところがない。

シンプルなビジュが逆に、丼の中の宇宙を感じ察せる

極細麺もまた、この黄金スープを表現するのに一役買っているのだろう。実に相性が良い。極細だが全然グズったところがないのが良い。

チャーシューもこれ、素晴らしいな。豚バラ肉なのだが、深いコクはあれどしつこさがみじんもない。卓上にある「なみ福『味』のこだわり」なるPOPには「漢方と野菜を煮込み、つぎ足しながら作られる」と書いてあるが、なるほどね。

このチャーハンも、具は卵とチャーシューだけというシンプルさ。黄金スープとのコラボにより、完成すると言っても過言ではない

お次はチャーハンを。おお、気持ち良いほどのぱらぱら系チャーハン。シンプルな具材、これで十分。合うねえ、煮干しの黄金スープと。チャーハンを頬張って、スープを流し込むと口中で広がる幸せな世界。控えめに言って「たまんねえな」。ちなみにチャーハン単体のオーダーはできないので、必ずラーメンとのマリアージュを堪能すべし。損はさせない。

ラーメンを半分食べたところで、ブラックペッパーをちょっと多めに振ってみる。ああ、これも良いな。より旨味がくっきりする印象だ。

ああ、満足した。難波氏が「この味を後世に残したい」と思った気持ちもよく理解できる。

(編集部 I)

【新潟ラーメンなみ福 角田浜本店】

新潟市西蒲区角田浜1069-1

営業時間 11::00~14:00(土日は14:30まで)

定休日 水曜日

<グーグルマップより>

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