【記者ノート】高温・少雨で水不足が続き、水道の断水の可能性出て来た上越市で25日、「上越市渇水対策統括本部」を設置。合わせて水田のひび割れや水稲の葉枯れ等の農業被害も!

高温・少雨で貯水率が16.37%になった上越市の水がめの正善寺ダム

高温・少雨が続く上越市では25日夕方、「上越市渇水対策統括本部」(本部長 中川幹太市長)を設置し、第一回の本部会議を開き、市を挙げて渇水対策に本格的に乗り出した。これまで進めて来た市ガス水道局の渇水(節水)対策の取組みや農業部門の水稲等の渇水対策などを市全部局で共有するとともに、他のそれぞれの部局が取り組むべき渇水対策などを確認・共有し合う会議となった。

同市ガス水道局では既に15日に「節水対策本部」を設置し、旧上越市や一部周辺の市民らへは40%以上の節水を呼び掛けるとともに、24日からは節水区域以外の公共施設8カ所に「給水スポット」を開設して、節水区域の住民に生活用水として活用してもらう取り組みも行っている。

なお、4月の県営高田発電所の管破断事故によって上越市ガス水道局の城山浄水場からの給水量が減少し、上越市の水がめの一つである正善寺ダムからの配水量を増やしたために、同ダムの水位が一気に低下し貯水率も25日現在16.37%となるなど危機的状況となった(水位も最低の72㍍に迫る76.37㍍に低下)。このままだと「断水」の可能性も出て来ていることから、今後の市民生活や企業活動への影響を最小限に抑えるべく、市ガス水道局では引き続き節水を呼び掛けるとともに、柿崎川ダムと合わせて、後谷ダム、地下水などからの水源確保に全力を挙げているところだ。

中山間地の水田で広がるひび割れ被害(上越市牧区柳島)

一方、上越市内の水田の関係でも、高温・少雨によって中山間地域を中心に農業用水の水不足が懸念されている。市内でも東頸や頸北地域などでは天水田やため池による農業用水の確保が行われている地域もあり、まとまった降水がないため、同地域の水田では水稲のかんがい用水が不足してしまい、あちこちの水田でひび割れが発生したり、水稲の葉が枯れ始めるという事態となっている。同地域の農業関係者は、数年前と同じ被害が起きるのではと心配している。

何よりも品質低下と収量減を一番懸念しており、この15日には市農政課や県上越振興局、上越農協などの関係機関が集まり連絡会議を開き、水稲の生育状況に関する情報交換を行うとともに、農業者へのきめ細かい支援などを進めていくことを申し合わせた。特に農業用水不足に対応するための用水くみ上げポンプなどの設備や費用への補助を行うなどの対策を引き続き行うことにしている。

 

竜哲樹
昭和25年新潟県上越市吉川区生まれ、新潟県立高田高等学校卒業。昭和48年3月富山大学文理学部卒業(教員免許取得)。元産経新聞社記者、元上越市議会議員。にいがた経済新聞社顧問。

 

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