新潟洋上風力発電研究会が発足

洋上風力発電設置の課題や可能性を検討していく

研究会の様子

新潟県は、今年4月に施行された再エネ海域利用法の新制度に基づいて、新潟県内への洋上風力発電導入の可能性を探る「新潟洋上風力発電研究会」を立ち上げた。13日に第1回目の会合を新潟県庁で開催した。

新潟県では平成28年度に「新潟県沖洋上風力発電ポテンシャル調査」を行っており、マップを作成している。この調査により、県内では洋上風力が相当量の電力を発電できる可能性があることや、“風量的”に適地と思われるエリアがどこかなどが分かった。ただ、実際は、権利関係などを調整していく必要があったり、統一ルールもなく発電場所を長期間にわたり占有して発電に専念できる環境がなかったりして、導入が進まないのが現状。

そうしたなか、今年4月、再エネ海域利用法が施行され、国(管轄省庁は経済産業省)が指定した「促進区域(気象条件、航路や漁業への影響、他法律との整合性などをもとに指定)」において、公募により選ばれた事業者は、洋上風力を行うエリアを長期占有(最大30年間)して事業を安定させることができるようになった。また、関係者間の協議の場である「協議会」を設置し、地元調整を円滑化できるようになった。研究会は、こうした新法の制度を使って、新潟県内でまだ実現していない洋上風力を導入できるかどうか探っていく。

研究会のメンバーは、県(港湾担当部局、水産担当部局、産業担当部局など)、海岸を持つ県内市町村、国(環境省、経済産業省、海上保安庁、レーダーを配備している自衛隊など)、学識経験者、航路のある海運事業者、団体(野鳥の会など)、漁業組合、風力発電関連の事業者(日立製作所)など幅広い関係者で構成。今後は、「地域部会」と、「環境影響専門部会」に分かれ、活動を行っていく。

このうち「地域部会」では、洋上風力発電の設置が考えられる地域ごとに分かれ、課題を洗い出し、検討していく。具体的な地域は未定だが、先述のポテンシャル調査で相当程度の出力が見込まれるとされた村上市や胎内市で、他地域に先駆け、協議会が設置される可能性が高いという。「村上市は平成26年から30年にかけて委員会を設置し、(様々な課題があり実現しなかったものの)洋上風力発電の設置を検討してきた実績があり、胎内市は洋上風力発電の導入に向けて既に利害関係者への説明を開始しており、今後、洋上風力発電研究会を設置する予定がある」(県産業振興課)ことも早期に設置される可能性を高めている。ただ両市とも国の促進区域に指定されることが前提だ。

一方、環境評価専門部会では、環境省の委託事業として、環境面(景観、騒音、鳥類などへの影響)から、「風力発電に関するゾーニング」を行っていく。「導入促進エリア」「配慮・調整エリア」「保全エリア」に分けたゾーニングマップを2021年1月に公表する予定だという。じっさい、風力発電を設置するとなると、環境アセスメントの手続きを行うことが必要となるが、洋上風力発電の設置を考えている事業者は、先述のポテンシャルマップや、このゾーニングマップを活用して事業の見通しが立てやすくなるメリットがある。

新潟県ホームページ(ポテンシャルマップについて)
http://www.pref.niigata.lg.jp/sangyoshinko/1356865431914.html

写真はイメージです(胎内市周辺)