【医療事故】新潟大学医歯学総合病院で新潟県在住の70歳代の男性、検査後の推奨治療行わず食道の病変が進行

新潟大学医歯学総合病院

新潟大学医歯学総合病院(新潟市中央区)は10月24日、消化管内視鏡検査後に推奨された治療が行われず、11年経過して医療事故が発生したことを発表した。

患者は、新潟県在住の70歳代の男性。2014年11月、同院の耳鼻咽喉・頭頸部外科で咽頭部の疾患の治療を受けたが、その前に上部消化管内視鏡検査を受けた。

ところが検査の際、偶然に食道に腫瘤が見つかったため、咽頭部疾患の治療が一段落した後に腫瘤の治療を行うよう内視鏡検査報告書で推奨されていた。しかしその後、腫瘤の治療は行われなかった。

患者は2017年以降来院していなかったが、2025年に口腔の疾患で耳鼻咽喉・頭頚部外科を再受診した際、腫瘤の治療を受けていなかった事実が11年越しに判明した。

事態発覚後に上部消化管内視鏡検査を行ったところ、以前よりも食道の病変は進行していた。

同院によると、現在は予期しない重要な消化管内視鏡所見がみつかった場合、その後実際に治療等が行われたかを確認し、もし治療等が行われていなければそれを督促する仕組みになっている。2014年当時はこの体制が整備されていなかったため、発生した事例と見ている。

患者・家族には、事故の発覚後すみやかに事実経緯を伝え謝罪したという。その後は同院で治療を継続している。

同院は「患者さま並びにご家族の皆様に多大な不安と苦痛を与えてしまったことについて、心よりお詫び申し上げます。また、本院で治療を受けておられる患者さまはじめ、国民の皆様の信頼を損ねる事故を起こしてしまったことについて、かさねてお詫び申し上げます。今後は再発防止策を徹底し、二度とこのようなことが起きないよう努めてまいります」とコメントしている。

 

こんな記事も