【負債総額約3億円】金型製造業者の飯川金型製作所(燕市)が破産開始決定

東京商工リサーチ新潟支店によると、有限会社飯川金型製作所(新潟県燕市)が10月14日、新潟地裁三条支部より破産開始決定を受けた。

破産管財人には坂西哲昌弁護士(片桐・坂西・阿部法律事務所、新潟県三条市)が選任された。負債総額は約3億円。

飯川金型製作所は、1964年7月に設立されたプレス金型の設計・製作を主力事業とする金型製造業者。設立当初は器物や農機具のプレス金型製造を手掛けていたが、その後事業領域を拡大し、近年では自動車部品用プレス金型の設計・製造を主力事業として展開してきた。特に自動車の足回り部品用金型、多工程絞り金型、三次元形状加工を得意分野としており、短納期・高品質を目指した金型製作を行ってきた。

しかし、2024年7月期の売上高は約1億円まで減少し、ピーク時の約2億円から半減していた。自動車産業における電動化の進展に伴うエンジン関連部品の需要減少、半導体不足による新車のモデルチェンジの遅れ、自動車メーカーの減産に影響されたほか、鋼材や樹脂などの原材料価格の高騰が続く中、下請構造の中で価格転嫁が困難な状況が続き、収益性が大きく悪化していた。さらに、熟練職人や若手従業員の離職が相次ぎ、資金繰りも急速に悪化し、今回の事態に至った。

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