【倉庫建築に特化でガッチリ】新潟プレハブ工業が手掛ける軽量鉄骨造の商用物件、さらなる成長分野へ

時代に求められる軽量鉄骨の倉庫、工場

新潟プレハブ工業株式会社(新潟市中央区)は2025年10月1日付で人事を刷新、代表取締役社長の河端信雄氏が代表取締役会長に、専務取締役の河端浩通氏が新たに代表取締役社長に就任した。

1980年の創業以来、建築・不動産業を通して地域とともに成長を遂げてきた同社だが、新社長就任とともに新たなフェーズへと進む。

同社が現在注力しているのが、軽量鉄骨造りによるプレハブ建築の店舗、工場、倉庫、事務所などの商用物件である。日本のプレハブ/モジュール建築市場は近年拡大しており、今後も年率5〜7%程度の成長が多くの調査で予測されているが、特に物流・倉庫・産業用途(商用)が市場拡大を牽引している。

木材や重量鉄骨の工事案件が大きく伸び悩む中、軽鉄プレハブ建築が商用の分野で成長する理由はどこにあるのか。

まず建設業界に顕著な人手不足がある。この工法であれば、工場での部材生産により現場労働を削減できるため、職人不足・人件費高騰の環境下で有利に働く。

また特に物流(倉庫)の分野で言えるのだが、ECや物流拠点の急増、サプライチェーンの変化で「短期間で使える施設」が求められていることも大きな理由。こうした市場構造の変化に対し、天候に左右されにくく短工期で早期稼働が可能な同工法は、高い対応力を発揮する。

さらにこの分野では設計・工場生産のDX化、自動化によりプレハブの精度とコスト競争力が高まっていることも追い風。これについては国交省系の技術支援や実証事例の増加も影響している。こうした設計の適正化と、軽量鋼材の塑性変形特性が相乗し、耐震性が確保される点も見逃せない。もう「安かろう、悪かろう」の時代ではない。

その他、廃材がほとんど出ず、再利用・再配置がしやすいサステナブルな点でも時代性をとらえているとも言える。

施工事例

 

元来、拡張性・モジュール性を備える点や、既存施設の横で短期間で新設→切替、といったフェーズ運用がしやすい点でも、軽鉄プレハブ建築は商用物件との親和性が高い。近年の品質向上や時代背景の後押しで、選ばれる頻度が高まっている。日本のプレハブ市場は中期〜長期で拡大すると予測する見方が強く、政策的な推進など追い風要素もあるという。

「最近は、重量鉄骨で見積もりを取ったお客様から『軽量鉄骨だともっと安くできるのでは』と比較の相談をいただくことが多くなりました。軽量鉄骨は材料が少なくて(軽くて)済むので、その分コストを抑えやすいというメリットがあります。最近は物価高騰の影響で、建築費を少しでも下げたいというお客様が増えているため、軽量鉄骨の需要はまだ伸びる可能性があります」(河端浩通社長)

新潟プレハブ工業では、創業時から手掛けるこの分野で、需要への対応をますます高めたい考えだ。

施工風景

倉庫に特化した新ブランド「新潟倉庫物語」

もちろん大型の物流センターなどを建てる際には重量鉄骨を用いる必要がある。その点で、システム建築の代理店でもある新潟プレハブ工業はため重量鉄骨の仕事にも対応できる。軽量鉄骨と重量鉄骨のどちらも扱える点が会社の強みだ。

同社では倉庫物件に特化した新しいブランド「新潟倉庫物語」を構築した。「事業が拡大し、保管スペースが手狭になった」「より効率的な物流拠点を築きたい」など、新潟で事業展開する企業の「倉庫」に関するソリューションブランドという位置づけ。単に倉庫を建築して供給するだけでなく、ビジネスの未来を見据え、プレハブ建築からシステム建築まで最適な解決策を伴走型で提案してくれる。

12月1日には新たなブランドサイトが立ち上がった。施工事例には、建物の写真だけでなく、施主それぞれの固有事情や要望などが詳しく記されており、ケーススタディとして有用だ。また参考価格事例も、坪数ごとに掲載されており、それぞれのサイズによって最適化されたコストが割り出されている点で、ユーザーに寄り添った使い勝手と感じる。

流通に関係する事業体であれば、倉庫の最適化は常について回る問題である。そして倉庫の移転は長期計画の中で、業務効率の最適化や将来の成長を見据えたプロジェクトとして捉えるのが成功のカギである。だからこそ、企画から施工、引き渡しまで一気通貫で相談できるソリューションパートナーは実に頼もしい存在だ。

(編集部 伊藤 直樹)

【関連サイト】

新潟倉庫物語

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