【コラム第2回】「『怖い』の正体を知ると、人生が変わります」 芳賀純一 人生を楽しむ学校(Life Producer Academy)校長

前回、「死を目前にした人が急に生き生きとし始める」という話を書きました。

あれから、自分に問いかけてみた方はいらっしゃいますか。「もし余命1年と言われたら、何をしますか」と。

今回は、人がやりたいことをやらない理由の「正体」についてのお話です。

お金が不安。失敗が怖い。家族に迷惑をかけたくない。人にどう思われるか気になる。仕事を失うかもしれない。病気になるかもしれない。孤立してしまうかもしれない——。

挙げればきりがありません。

しかしよく見ると、これらは全て「何かを失うことへの恐れ」だということに気づきませんか? お金を失う恐れ。信頼を失う恐れ。居場所を失う恐れ。健康を失う恐れなど。

そして、それをさらに突き詰めていくと、一つの答えにたどり着きます。

「死への恐れ」です。

お金がなくなれば生きていけない。孤立すれば生きていけない。病気になれば死ぬかもしれない。つまり、お金への不安も、仕事への不安も、社会的価値への不安も、孤立への恐れも、突き詰めれば全て「存在を脅かされることへの恐れ」——すなわち「死への恐れ」に結びついているのです。

これは私が長年のコーチングの現場で気づいたことでもあります。どんな悩みも、ほぐしていくと最終的には同じところにたどり着くことが多い。「本当は何が怖いのですか」と深く聞いていくと、「自分の居場所がなくなることが怖い」という言葉に行き着くことがあるのです。

しかし、ここに大きな矛盾があります。

「死への恐れ」から逃げるためにやりたいことをやらずに生きても、人間は必ず死にます。それが前回お伝えした、疑いようのない事実です。

死を恐れて生き方を縮めても、死は来ます。ならば、その恐れと向き合いながら、1度きりの人生を精一杯生きる方が、どれだけ豊かでしょうか。

死を意識することは、暗くなることではなく、今をより深く生きるための智慧です。ホスピスの現場が教えてくれるように、「終わり」を知った時こそ、人は本当に大切なものだけを選べるようになります。

面白いことに、「死への恐れ」と正面から向き合った人ほど、日常の選択が変わってきます。「これは本当に自分がやりたいことか」「これは本当に大切なことか」という問いが、自然と生まれてくるようになります。部分的な最適化のために戦って疲弊するよりも、本当に大切なことに集中して生きる方がいい——そう感じられるようになっていくのです。

実は私自身も、長い間この「恐れ」に縛られていた一人でした。企業支援の現場で23年間、5,000社以上の経営者・事業者と関わってきた私でさえ、自分自身の「やりたいこと」を後回しにし続けていた時期があります。

その話は、次回に書こうと思います。

今日も一つ、問いかけをしてみてください。「私が一番恐れているのは、何を失うことでしょうか」。その答えを、少し眺めてみてください。その恐れの正体が見えてくると、不思議と、次の一歩が軽くなることがあります。

 

芳賀純一(はが じゅんいち) 人生を楽しむ学校(Life Producer Academy)校長
関東学院大学公開講座講師
著書:『自由な生き方をしたい人が最初に読む本』(Amazon Kindle)

 

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芳賀純一 人生を楽しむ学校(Life Producer Academy)
著書:『自由な生き方をしたい人が最初に読む本』(Amazon Kindle)amzn.to/47zsWqe

 

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