【記者ノート】新潟縣信組と糸魚川信組が令和9年12月をめどに対等の立場での合併に基本合意

合併合意した縣信組の赤川新一理事長(右)と糸魚川信組の平野嘉生理事長(左)

名称は「新潟縣信用組合」で、新理事長は県信組の赤川新一理事長が就き、本店・本部も縣信組所在地(新潟市中央区)に

県内全域で営業展開する県内信組最大手の新潟縣信用組合(新潟市中央区、預金県内1位)と、糸魚川市を地盤とする糸魚川信用組合(糸魚川市寺町、預金県内4位)がこの程、令和9年12月を目途に対等の立場で合併することに基本合意した。

合併後の名称は「新潟県信用組合」となり、理事長は県信組の赤川新一理事長が就く予定で、合併後の本店・本部も県信組の所在地とするほか、店舗統合などについては今後の課題となる。本年9月に合併準備委員会を設置し、詳細な協議を経て27年6月の総代会でそれぞれ承認を得ることになる。既に県信組は本年11月には興栄信用組合(新潟市西区)との合併を控える中であり、信組業界においてもこれまで以上に強固な経営基盤の確立を目指すことになっていく。

経営基盤強化や組合員の利便性向上のため 興栄信組含め3信組合計預金残高(26年3月末)5200億超で信金・信組でトップ規模

新潟県のみならず、地方経済にあっては人口減少や企業環境における貸出金額の縮小に伴い、地域金融機関が直面する経営基盤強化や組合員の利便性向上のためにも統合・合併は避けては通れない実態にあり、そのうえで信用組合も地域経済の持続的な発展に貢献するという社会的使命を果たしていかねばならない。

なお、興栄信組含めた3信組合計の預金残高(26年3月末時点)は5200億円を超え、県内信金・信組の中ではトップ規模になるという。26年3月末時点で、貸出金は縣信組1897億円で糸魚川信組266億円、職員数は縣信組371名糸魚川信組55名、店舗数は縣信組が43店舗糸魚川信組6店舗。また興栄信組含めた3信組合計店舗数では54店舗になるとともに、貸出金についても3信組合計で2200億円を超える規模にもなる(26年3月末)。

糸魚川信組は「『オーバーバンキング』も含め、地域経済の先細りを押し返すことが出来ず」

なお、今回合併を持ち掛けたのは、糸魚川信組の平野嘉生理事長の方で、人口減少や糸魚川の事業者数の減少などによる貸出金の減少に危機感を持ったためでもあった。それでも糸魚川信組は“地域密着の金融機関”としてこれまで全国的にもない『まちづくり推進室』を創設し、“ヒスイのまち”から名付けられた糸魚川限定のデジタル地域通貨『翆ペイ』の事務局を担当したり、関連イベントの開催や小冊子の発行などを通して糸西地域を積極的に盛上げて来た。

しかし、同組合では「金融機関の数が多い『オーバーバンキング』も含め、人口減少に伴う地域経済の先細りなどを押し返すことが出来なかった」(同信組の早川正明常務理事)と話している。

今回の合併は今年3月糸魚川信組の平野嘉生理事長から持ち掛けたという。写真は糸魚川信組本店(糸魚川市寺町)

竜 哲樹(にいがた経済新聞ライター)

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