【都市緑化をプロデュース】新潟市の公園を数々手掛けた日建緑地(江南区)「誰かの思い出をつくる仕事」

新潟ふるさと村(新潟市西区)の花畑公園は、地元の家族連れにとって共通の思い出の場となっている

「誰かの思い出」をつくる仕事

新潟市民の多くが一度は家族で訪れたことがある場所、それが新潟ふるさと村(新潟市西区)の「花畑Garden」だ。新潟市民にとってふるさと村は、土産の買い物だけでなく花畑のほうが印象深いのではないか。年間を通して季節の花々で覆われる花畑には、幸せな家族の思い出がつまっているからだ。

県有施設である新潟ふるさと村「花畑Garden」を、PPP(公民連携)事業を通して指定管理を行っているのが株式会社日建緑地(新潟市江南区)である。同社がふるさと村の指定管理を請け負って2026年で4年目。通常、公共施設の指定管理は5年程度が1スパンとなるケースが多いが、同社は7年間の長期管理となっている。

季節の花木が美しくレイアウトされた、きめの細かい仕事

「毎年12月ごろには植え終わって、花が咲くのが4月ですね」と話すのは同社の根本晋哉代表取締役社長。約6万球の花が咲き誇る、新潟の家族連れ憩いの場を、毎年のデザインや区画割りから施工までを手掛け、維持している。

日建緑地は、コアコンピタンスである景観創造技術を活かした公園緑地の建設・造園をメインに行う建設業だ。「水と緑のランドテック(Landscape Technology)」をCIに掲げ、都市緑地法に基づく都市緑化事業に特化している点で、一般的な建設業とも造園業とも一線を画した分野だと言ってよい。

株式会社日建緑地(新潟市江南区)

新潟市周辺では、数多くの公園造成を手掛けてきた。休日には多くの親子連れでにぎわう新潟市江南区の「よこごし公園」、新潟駅万代口至近の都市公園「石宮公園」など施工実績が光る。また近年は、施工だけでなく保守・維持管理も手掛け、冒頭の「新潟ふるさと村」をはじめ公民連携による指定管理にも取り組んでいる。

直近の大きなトピックは、2026年5月に着工した新潟市の陸の玄関口、JR新潟駅前の「新潟駅 新万代広場」に伴う「新潟駅万代広場中央広場造園工事」である。約60年ぶりの新潟駅改修事業の集大成とも言える事業を任されているのは、ここまでの実績に対する評価であろう。

JR新潟駅至近の石宮公園(新潟市中央区)。「都心のオアシス」を創り出している

日建緑地は造園業者「松﨑園」として1964年に創業。その後に一般土木工事なども手掛けはじめ、1996年に現在の「日建緑地」に商号変更した。

根本社長は2023年に先代から事業承継して代表取締役社長に就任したが、それ以前は新潟県庁職員として土木畑を主に歩んだ。それだけに行政が請負業者に求める内容、国、県の方針などは熟知している。

「法令順守は当たり前のことですが、徹底すべきは安全管理体制の整備です。ですから弊社は、新人が入社しても安全管理を徹底的に教え込んだ後でないと実際の現場には携わらせません。これは弊社の下請け業者に対しても理解を求めています」と根本社長は話す。公共の仕事を請け負う、その使命感を重要視している。

JR新潟駅前の新万代広場は2027年の完成に向けて工事が進んでいる

「現在は7割程度が造園や緑化事業などで、一般土木やほかの工事が3割程度。ビジョンとしては緑化と一般土木を半々程度のポートフォリオに持っていきたい気持ちもあり、土木の仕事もより多く確保したいと思っています。緑化・造園の仕事を主に手掛けてきて、工事の出来栄えにこだわる意識をもっているので、きめ細かい仕事ぶりは一般土木においてもきっと優位性が発揮できると自負しています」(根本社長)

きめ細かい仕事が評価され、優良工事表彰も多数受けている。直近では2026年9月1日に新潟市から土木一式部門で優良工事表彰を受けた。

厚労省の「ユースエール」認定企業に登録

根本社長が2023年に代表に就任し、真っ先に着手したのは「働き方改革」だった。

土木建設業界は、残念ながら他の業界に比べて職場環境の改善が遅れていると言わざるを得ない。週休二日制が定着していなかったり、残業が恒常化していたりという現実、社会保険に加入していない業者なども珍しくない。「3K」などと揶揄された昔の現場からはかなり改善されたものの、時代に即したアップデートは進んでいない印象だ。

「県庁を退職してこの会社に入社した時は『このままでは良くない』と思いました。街の緑にたずさわる仕事をしている会社は、社員が笑顔で働ける場所でなくてはならない、と思ったのです」(根本社長)

日建緑地が業界他社に比べて労働環境の改善が特段劣っていたわけではない。それでも年間の休日数など実態に伴っていない部分を見直す必要があったという。省人化にも努め、DXの導入も行った。元請け工事においては、下請け業者にも正しい労働環境を整備した業者を選定した。

2023年から採用活動も本格的に取り組んでいる。活動は実を結び、新卒採用を含めこの間に数名が入社した。

「緑の仕事を手掛けている会社はそれほど多くないので、就活生には目に留まりやすいと思います。仕事を通して四季を感じられる、自然に触れることができる。大きな規模の会社ではありませんが、そういう魅力はあると思います」(根本社長)

「緑を作る会社は休みも取りやすく」と株式会社日建緑地の根本晋哉社長(写真左)

2026年1月には厚生労働省が認定する「ユースエール企業」に登録された。これは若者の採用・育成に積極的で、離職率、所定外労働時間、有給休暇などについて一定の要件を満たす場合に、厚生労働大臣が認定する制度で、若者の採用・育成に積極的な中小企業などを、若者雇用促進法に基づいて認定する制度だ。

建設業はよく『地図に載る仕事』と表現され、ハードを造成する仕事のやりがいが強調される。日建緑地の仕事はそれよりもいくぶんアーティスティックな側面があり、特に公園のプロデュースなどは人の内面に影響を及ぼす仕事と言える。公園は、どこかで誰かの思い出になっている場所だからだ。

【関連サイト】

株式会社日建緑地ホームページ

 

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