コンセッション導入の議論を行うための新潟空港 資産調査の結果が公表

新潟空港

新潟県と新潟市は30日、新潟空港へのコンセッション導入の議論を行うため一昨年の12月に国土交通省航空局に対し実施を要望していた新潟空港における資産調査の結果(概要)を公表した。

調査では、空港施設などの維持管理に要するコストや、事業リスクなどの調査、民間企業へのヒアリングが行われているが、国の資産調査結果そのものはコンセッションの公募に関わる情報が含まれていることから非公表になっているという。

資産調査結果(概要)によると、現状、運営主体が異なる3事業(空港施設、空港ビル、駐車場)の合算した収支が赤字であるなか、民間企業へのヒアリングにおいては、「独立採算によるコンセッションの実施は困難で、混合型(民間による運営開始後も一定の公的負担を受けられる仕組み)の導入を望む」意見などがあったという。同時に、「事業期間中のリスクを官民でさらに分担する仕組みの追加を望む声」もあったという。

また、空港コンセッションにおいては、経営一体化を図るため、ビル会社株主が株式を運営権者に売却するのが通例だが、ビル会社の債務が事業価値に対して過大であり、コンセッションを導入する場合、経営の健全化が必要な状況にあるという。なお民間ヒアリングにおける民間の評価は「ビル会社をいまの状態で引き取ることは難しい」「債権放棄など何かしらの対策が必要」などだったという。

A滑走路(1829メートル)を廃止したうえで別用途に転用することについて、肯定的な意見が4社、否定的な意見が7社だった。航空系用途や商業施設などへの転用というアイデアが寄せられた一方、課題などを指摘する声もあった。

なお今後、コンセッションの導入については、新潟空港活性化検討会議において導入を議論し、令和4年度内を目途に結論を得るよう進めていく(新型コロナウイルス感染症収束や空港利用回復の状況などによっては結論の時期が前後することがある)。

左下から右上にのびているのがA滑走路

コンセッションは、行政が、道路、空港、上下水道などの公共インフラの土地や建物を保有したまま、運営権(30~50年間)だけを民間企業などに売却する手法。行政は、民間事業者に公共施設の運営事業を任せることで財政負担なく、整備・維持運営することができるようになるほか、運営権の売却資金を原資に、債務などを圧縮することができる。民間企業にとって、これまで参入できなかった市場に参入できるメリットがある。

新潟県のホームページによると、令和元年度の新潟空港の利用者数は113万7,000人(対前年度比−2.5%)。

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓