これまでにない取り組みを相次いで行う佐渡観光交流機構が佐渡を変える?

岩首昇竜棚田(佐渡観光交流機構提供)

「佐渡は世阿弥や順徳天皇、日蓮に代表される文化的な環境、佐渡金銀山から北前船における能や芸能、寺社仏閣、食文化に代表されるたくさんの人が集まってきた、日本のダイバーシティだったといえる場所。またジオパークに登録されている風土は、寒流と暖流の境目にあり、(中略)りんごやミカンが一緒に取れるフルーツ王国でもあり、(中略)、実に多様性かつ日本の縮図といわれる場所」。

2018年4月に発足した、佐渡観光交流機構のホームページには、佐渡についてこんなことが書かれている。その佐渡観光交流機構では、観光関連事業者、住民、行政などと連携し、来島してもらえる仕組みを作るための活動を行っている。

その一つが、地域通貨「だっちゃコイン」だ。同機構では昨年12月に、佐渡市が運営する「さどまる倶楽部」の会員向けのスマホアプリをリリース、同時にアプリ内にチャージする地域通貨「だっちゃコイン」の試験運用を開始した。

外貨からのチャージが可能な端末を新潟駅に設置している

さどまる倶楽部は、島外在住から佐渡を応援してもらうサポーター制度。無料登録するだけで佐渡をおトクに楽しめる(宿泊施設、レンタカー、店舗の割引特典など)。昨年9月末時点の会員数は1万8026人で、自治体の域外の会員数としては日本最大級の会員数になっている。新たにリリースしたスマホアプリでは、さどまる倶楽部の会員登録(既存会員も)と、会員番号の即時発行、会員証のアプリでの提示などが可能となり、これまで以上に利便性が向上した。

一方、だっちゃコインは、アプリ内のQRコード決済のシステムを利用し、店舗のレジにて、スマホでQRコードを読み取ることによって、キャッシュレス決済が可能にしている。佐渡島内だけで使用できるようにすることで、島内の観光施設や飲食店、土産店、地元商店の活性化を目指している。現在、利用可能な施設は45で、2020年中には倍くらいまで拡大したいという。ちなみに外貨からのチャージが可能な端末を新潟駅に設置しているほか、両津港に、円からチャージできる端末を設置している。

さどまる倶楽部のパンフレット

 

今後も東京-佐渡間の直通バスなどを計画

一方、今後も佐渡に来てもらう仕組みづくりを相次いで行う計画だ。例えば、「今年5月に、佐渡市と共同で、東京―佐渡・佐和田間の『直通バス』の試験運行を行う計画」(同機構・清永治慶専務理事 兼 CMO)。東京を出発したバスは、そのまま佐渡汽船カーフェリーに乗船、佐和田まで向かう(※ちなみに新潟港~両津港~佐渡島~小木港~直江津港~上越市は般国道350号に位置付けられている)。

乗客は降りることなく、都内から佐渡まで行けるため、途中での荷物の持ち運びなどの手間がなくなる。地元で進んでいるATRを使った佐渡空港の新規空路構想とともに、これがうまくいけば、首都圏などからの誘客力が格段に高まるといえる。

 

プロモーションだけでなく、島内の受け入れ体制の整備も

島内の経営者・個人事業主を対象とした勉強会も立ち上げる。第一弾として今年1月14日に、観光カリスマの山田圭一郎氏を招いて、マーケティングの勉強会を行う(※既に終了しています)。その後も月1回のペースで、外国人とのコミュニーションなど様々なテーマの勉強会を行い、島内の経営力を高めていくことを目指す。清永氏は、「これまではプロモーションだけだったが、島内の受け入れ体制の整備にも取り組んでいきたい」と話す。

さらに、2020年春には、3月末に「新潟―台北線」を就航させるタイガーエア台湾と連携し、さどまるクラブの台湾バーションの提供も始める。

このほか、3月には、少なくとも英語で対応可能なスタッフが常駐する「カテゴリー2」に認定されている佐渡観光推進機構の観光案内所、佐渡汽船の観光案内所、新潟交通佐渡の観光案内所を統合し、観光案内をワンストップで提供できる体制にする。

「世界文化遺産登録に伴う、交通渋滞や宿泊施設の不足を見据え、シェア自転車の導入、寺に宿泊できる仕組みづくりなどにも取り組んでいきます」(同)と語る。

清永治慶氏

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biz Link2020年1月10日号より転載