月岡温泉に、湯治を現代風にアレンジした素泊まりの温泉旅館、湯宿あかまつがオープン

湯宿あかまつ(旧さかえ館)。4月19日に正式オープンを迎えた。

首都圏のみならず、海外の観光客からも高い評価を得る新潟県屈指の月岡温泉に4月19日、素泊まりで温泉を楽しめる旅館、湯宿あかまつがオープンした。オープンに当たっては、一昨年に廃業した温泉旅館であるさかえ館の宿泊施設をリノベーション、温泉棟を新築するなど装いを新たにした。

湯宿あかまつは、月岡温泉で由緒ある旅館の1つであった赤松館の3代目で、現在月岡温泉で歯科医院を経営する赤松俊嗣さんが第2操業として立ち上げ、俊嗣さんの息子である赤松悟志さん(以下、赤松さんと記述)が中心となって家族で経営している。

赤松さんは、月岡温泉で老舗の温泉旅館が徐々に廃業していく一方、合同会社ミライズ(新発田市)が複数の新店舗を出店するなど、この地域に新たな風が吹き込み活性化する状況に将来性を感じ、また平成15年に廃業してしまった赤松館を復活させたいという思いもあり、旅館経営を決意したという。

旅館と言えば1泊2食のスタイルが一般的だが、湯宿あかまつは気軽にふらりと足を運んで温泉をゆっくり楽しめる素泊まりプランを提供しているほか、長期滞在客向けの連泊割引プランもある。宿泊用の部屋としては、和室が2室、和洋室が1室、洋室(シングル・ダブル)が3室と計6室あり、きままな1人旅の宿泊客やビジネスマン、外国人観光客などのニーズに合わせた形だ。

2階の通りに面した客室からは月岡温泉街が展望できる。

赤松さんは湯宿あかまつのコンセプトについて、「かつて月岡温泉は湯治場として始まりました。そこで、お客様に気軽に湯治を楽しんでもらいたいとの思いで、現代に沿った素泊まりプランを考えました。当時のように自炊とはいきませんが、温泉はもちろん、月岡温泉街の魅力も存分に楽しんでいただきたいと思っています」と話した。

湯宿あかまつでは、無料で食事や飲み物を持ち込み可能で、月岡温泉街を散策しながら付近の飲食店で新潟の“食”や“地酒”などを堪能するもよし、これらを旅館に持ち帰って室内や休憩スペースで過ごすといった、素泊まりならではの落ち着いたひとときを楽しむことができる。

1階の休憩スペース。今後、設備の更なる拡充を目指すという。

さらに、湯宿あかまつはロケーションにも恵まれており、月岡温泉街のメインストリートに程近く、足湯「湯足美(ゆたび)」が斜め向かいにあるほか、2階の通りに面した客室から月岡温泉の街並みが見渡せるうえ、旅館の目と鼻の先には本年夏頃に地ビール園も開園予定だという。

2階の通りに面した部屋からの眺め。足湯「湯足美(ゆたび)」が目の前にある。

そして、湯宿あかまつの目玉となる温泉は源泉100%、月岡温泉特有の鮮やかなエメラルドグリーンのお湯が目を引く。このお湯の色は光の加減によって微妙に変化するため、何度足を運んでも違いを楽しめる。宿泊中に時間帯を変えて複数回入ってみるのも一興だろう。浴槽を漂う湯の花は、硫黄成分を含んだ黒色だ。赤松さんは「掃除の際、湯の花を取り除いているのですが、触った手のひらがツルツルになります。これが湯の花の美肌効果なのでしょう」と話した。

エメラルドグリーンのお湯が美しい、源泉100%の温泉。日帰り入浴もできる。

赤松さんは今後の展望について、「皆様からいただいたアドバイスを元に、更なるサービスの向上を図り、GW明けに万全の状態でお客様をお迎えできるようにしたいと思っています。また、家族経営ならではの持ち味を活かし、お客様の要望に柔軟に対応していきたいと考えています」と話した。具体的には、館内の休憩スペースで軽食や飲み物を提供できるよう整備を進め、館内設備についても拡充を図るほか、将来的には、多くの観光客の往来を見込んでランチ営業や喫茶なども展開予定だという。(取材日は4月21日。政府の緊急事態宣言の拡大を受け、湯宿あかまつも月岡温泉旅館協同組合に加盟する旅館同様、GW明けまで休業)

【旅館概要】
住所/新潟県新発田市月岡温泉552-24
TEL/0254-20-8201
日帰り入浴/800円(税込)、2才~小学生400円
宿泊/洋室シングル・ダブル1名 1泊7,500円
和室1~2名 1泊8,000円
和室3名~  1泊7,500円
和洋室2名  1泊8,500円
和洋室3名~ 1泊8,000円

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