今年9月の一般開放を目指し胎内市でマウンテンバイクのコースの造成が進行中


造成は第3期まで計画していて、現在、毎週末に、第1期の造成作業を行なっている

自転車で健康づくりをしたいという人々は多い。そうしなか、日本海に面する保安林(海岸からくる風や砂から住宅街を守る林)の中の丘に造られたマウンテンバイク(MTB)のコース「角田浜トレイル」(新潟市西蒲区、平成28年オープン)に注目が集まっている。さらに、胎内市内でもMTBコースの造成が進められている。「胎内MTBパーク」だ。

この造成で中心的役割を果たしているのが、翻訳家で、トレイル・トロッター代表の小見英之氏だ。今年2月に胎内市役所でプレゼンテーションを行い構想がスタートした。たが、その後、新型コロナウィルスの影響でしばらく活動を中止。今年5月に緊急事態宣言が解除されたことを受け、5月に活動を再開。現在、9月の供用開始を目指し、小見氏とボランティアスタッフが、除草や倒木の伐採などの造成工事を進めている(なお胎内市ほどの規模ではないが、新潟市秋葉区の秋葉山でも有志によるコース作りが進められているそうだ)。

現在、毎週末にボランティアで第1期の造成作業を行なっている

胎内市でMTBのコース造成が進められている場所は胎内平の森林の中で、地元の夏井生産森林組合の土地。市と森林組合の許可を得て造成を進めている。

造成は第3期まで計画していて、現在、毎週末に、第1期の造成作業を行なっている。「(5月末現在、)第1期の造成は75%まで完了していて6月末に終了する予定です。その後、第1期作業分を市役所の担当者に確認していただき、第2期の工事に移っていきたいと考えています。できればお盆までに看板設置を含めた第2期を完了し、9月から一般に開放したい」(小見代表)。その後、9月に第3期の造成をスタートさせる計画で、最終的には全長4kmgほどのコースになる。これは角田浜トレイルとほぼ同規模という。

コースは、穏やかな「初級者向けのコース(エリア)」、急なカーブや傾斜もある「上級者向けのコース(エリア)」ができる予定で、道幅は比較的広くしている。ただ、(角田浜トレイルのように)小さいショートコースのループを囲むように長距離のコースを配置する形式ではなく、「小さなループを敷地内にあちこち作り、利用者が自分なりのコース(小さなループ)を組み合わせて楽しめるようにする」(小見代表)と話す。

上級者向けコースの一角。ここでは急勾配の坂を一気に下り、そのままの勢いで坂を上がっていく。その動きが漫画「リングにかけろ」の登場人物で日本ジュニア代表屈指の美男子、河合武士(設定では新潟県長岡市出身)の必殺技「ジェットアッパー」の動きに似ていることから、この場所をジェットアッパーと命名した

使用料金は無料だが、使用に際しては事前に登録してもらうようにする。「任意の対人保険3000万円以上に加入していることを使用できる条件にする予定です」(同)。登録の受付は、自転車の駅サガミなどを運営有限会社佐上商会(新潟市東区)が行う。また、コースの周辺にある施設などで受付ができるよう現在調整を進めている(なお今回の造成で、佐上商会は、コース入口の「案内看板」や、コースの進行方向を知らせる「逆走禁止の看板」、歩道を通過するときに「歩行者に危険を知らせる看板」などの設置を担当している)。

「MTBの裾野を広げたい」

一方、隣県の山形や福島には比較的大きな大会(レース)が開催されているが、小見氏の目指す方向は、そうした大会の開催とは少し違うようだ。「胎内市でも300人規模の大会の開催は可能ですし、レースはやりたいと思います。ただ、同じものを目指しても先行している地域に勝つのは難しい。そこで、(すぐ近くに胎内自然天文館もあるなど)胎内市は星が有名ですのでナイトレースを開催したり、秋の紅葉を楽しんだりできるものをやっていきたいと考えています」(同)。

ただ、そもそもコース造成の目的は、競技人口がまだまだ少ないことから、MTBの裾野を広げることだという。「MTBに乗る機会がなければ競技もメジャーになりません。かつてレーサーレプリカブームなどで注目を集めたこともありますが、MTの原点はそうしたブームではなく、『遊ぶ、楽しむ』です。気軽に施設を利用していただき、多くの人に楽しんでいただければと思います」(同)。

裾野の拡大でいえば、中でも地元胎内市でMTBの競技人口を広げていきたいという。「群馬県の東吾妻では、昔、木を切り出して、それをソリで運んでいた(地面の固まった)山の中の道をMTBのコース(東吾妻むかし道MTBライド)として整備しました。長野県白馬村も、スキー場をオフシーズンにMTBのコース(白馬岩岳MTBパーク)として活用し、世界選手権にも出場した地元出身の人が、地元の子供たちに指導するなどMTBが盛んな地域です。長期的には、胎内市もこうした地域のようにMTBが盛んな地域にしていきたいと考えています」と話す。その実現に向けて、胎内スキー場の利用計画も同時並行的に進めていて、こちらは胎内MTBパークの利用状況をみながら調査を進め、2022年度にも整備に着手したい意向だ。

パラグライダー(胎内スキー場)、サーキット(スピードパーク新潟)、ジムカーナ(胎内スキー場、スピードパーク新潟)、ライフル(胎内ライフル射撃場)など様々な競技が行われている胎内市に、新たな競技が加わる日はまもなくだ。

胎内MTBパークの場所とコース。赤線が第1期、青線が第2期、緑線が第3期、黒線が遊歩道およびトレイルランコース(線で示されたコースは、市へのプレゼン時に提出した時の予定であり実際に完成したコースと異なる場合がある)

上級者向けコース



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