東京からUターンしコワーキングスペースで新しい働き方を創造する、(株)ニイガタ移住計画の鈴木博之代表取締役


ニイガタ移住計画の鈴木博之代表取締役

新潟へUターンを考える人のために

今年は新型コロナウイルスの影響により、働き方の改革が加速している。特に、この数ヶ月は新潟県内各地でコワーキングスペースやワーケーションの取り組みが始動、花角英世知事もフリーランスやテレワーカーの呼び込みに期待を示している(関連記事「新潟県の花角英世知事が会見、首都圏からのテレワーカーの呼び込みを推進」2020年9月16日)。

そんな現状より4年も早く、新潟市で活動を開始していたコワーキングスペースがある。株式会社ニイガタ移住計画が関屋浜で運営するSea Point NIIGATAだ。ニイガタ移住計画の鈴木博之代表取締役は2015年に東京からUターンした際、新潟での就職先や、働き方の自由度が首都圏に比べて少ないことを痛感。自分と同じUターン者に向けた仕事ができないか、と考え起業したという。

関屋浜に構えるSea Point NIIGATA

鈴木代表は1980年生まれで、母方の実家がある埼玉県の出身。幼少の頃に父方の地元である新潟市に移住し、新潟高校を卒業後、東京都の上智大学へ進学した。その後は大手金融系企業へ就職し、東京本社と新潟支社を行き来する生活を送っていたが、入社から数年が経った頃、多忙な仕事や大組織の中での個人の限界を感じ、新潟へのUターンを考え始めたという。そして2015年、体調を崩したことをきっかけに退社、地元へ帰りリスタートを切った。

鈴木代表はUターンの経緯と起業のきっかけについてこう語る。「東京の会社で働いていた頃からUターンしたいという気持ちを持っていたが、新潟ではなかなか面白そうな仕事が見つけられず、『やっぱり難しいかな』と、もやもやとしたまま仕事をしていた。でも、自分と同じように新潟へ移住したくてもできない人はたくさんいる。そういう人たちへ仕事をつくっていけたらと思った。当時の東京ではコワーキングスペースが流行り始めていて、新潟にはこうした空間が無く、夏以外は使っていない海の家も多かったので、新潟での新しい働き方の提案として開業した」。

 

人が仕事と遊びで繋がる空間

「Sea Point NIIGATA」が開業したのは2016年。建物は当時閉鎖中となっていた浜茶屋をリノベーションしたものである。同施設は公式サイトにて「カフェ、BBQ、バー、コワーキングスペース、イベントスペースの機能が同居する、ちょっとオシャレでカオスな新しい海の家」と紹介されている。その言葉通り、ワーキングスペースとカフェスペースは分かれているものの、間に壁はなく、日本海を目の前に望むロケーションもあって開放的だ。

利用者の業種は多種多様だが、特にデザイナーやwebデザイン関連が多く、税理士や弁護士の利用もある。新潟に拠点を置く企業だけでなく、首都圏からのワーケーションとして訪れるグループや、近年取り組みが増えるリモートワーク会議のための場所としての利用もあるようだ。前述の通り、パーテーションも無く喫茶・食事エリアとシームレスで総合的な空間であるため、異業種の人間とのコミュニケーションも生まれやすく、ここでの交流が共に仕事をするきっかけに繋がっていった例もあるという。また、「海の家大学」や「海ミート」といった、共に仕事について学び、業種の垣根を越えた交流を生むイベントも開催している。

Sea Point NIIGATAのコワーキングスペース

コワーキングスペースの使用料金は、2時間利用で500円(税抜)、1日利用1,000円(税抜)、ランチ付の1日利用 1,500円(税抜)となっているほか、各スペースの貸切利用も可能となっている。また、2階は会員限定のコワーキングスペースとなっている。

5月からは、中央ビルディング(新潟市中央区)と協力し「Sea Point NIIGATA」をバーチャルオフィスとしての登記と、コワーキングスペース利用がセットになったプランを提供しており、新潟の人々がより起業しやすい環境を創造している。(関連記事「新潟市のコワーキングスペースSea Point NIIGATAが、登記可能なバーチャルオフィスサービスの提供開始」2020年4月30日

 

これからの新潟の働き方

ニイガタ移住計画を鈴木氏と共同運営する星亜矢子氏は長野県の出身。動物看護師の学校へ通うために新潟へ移住し、web製作などの仕事をする中で「Sea Point NIIGATA」立ち上げに関わり、その後SNSを通じて鈴木氏と合流した。

ニイガタ移住計画の鈴木博之代表取締役(写真左)と星亜矢子氏(写真右)

星氏は、「Sea Point NIIGATA」がスタートした当時の新潟は、「働き方の選択肢が少なく、起業するときはわざわざ東京へ行かないといけない風潮があったが、現在は新潟でも様々な取り組みが行われ、起業を志す人も多くなってきた」と話す。

一方で、今年の新型コロナウイルスの問題で地方への分散が進んでいる現状へ対しては、一過性のものであるとの見方を示す。「あらゆる企業がこの先も地方へ分散していくかは疑わしい。しかし、このコロナ禍で地方が整備されていった。色々な場所で働くことのできるようになり、人それぞれが自分の働きたい場所を選択できるようになってきたとは思う。企業の在り方も、拠点を複数個持つだとか、変わっていくと思う」(星氏)。

コワーキングスペース、ワーケーションスペースは今後も県内で拡大していくと考えられる。それに伴い、これまでの企業の在り方も変化し、より個人が主体となる働き方が生まれてくるかもしれない。その先陣を切るニイガタ移住計画とSea Point NIIGATAの動きに、今後さらに期待したい。

Sea Point NIIGATAのカフェスペース

 

【関連リンク】
Sea Point NIIGATA 公式サイト

 



無料ユーザー登録すると、コメントを投稿できます。無料ユーザー登録はこちら

0 件のコメント

コメントはこちらから