新明和工業株式会社(兵庫県)が新潟市西蒲区の砂浜でドローンの実証実験を実施、長時間飛行に成功

長時間の飛行に成功した固定翼ドローン

新明和工業株式会社(兵庫県)は20日から22日まで、同社が独自に開発した航空機型の固定翼ドローンの飛行実証実験を、航空関連産業の活性化を目指す新潟市の支援のもと、新潟市西蒲区の越前浜海水浴場で実施した。最終日の22日は曇り空の中、風が強い時もあったが、連続して3時間42分の飛行に成功した。

新潟市の無人航空機に関する実証実験プロジェクト補助金事業は2020年度までの2カ年事業であり、市によると、総額700万円を支援したという。昨年度新潟市内の市有地で実施した実験では操縦性や安定性など基礎的な飛行能力を実証。今回は長時間、長距離の飛行能力を実証し、長時間滞空に加え、135㎞の飛行に成功した。

今回は全幅約6mの固定翼ドローンを公有地の砂浜で飛行させた。同社の固定翼ドローンは、排気ガスを生じないリチウムイオンポリマー電池を動力源としながら長時間滞空能力に長けていることが特長であり、観測・監視・通信などの幅広い分野での応用を目指している。固定翼ドローンは縦2.5m、全幅6m、高さ0.4m、重量は17㎏。

実験初日の20日は連続して15分間飛行、21日は連続して40分間飛行し、最終日には、目標としていた4時間に迫る時間の飛行に成功した。海岸の150m上空で、直線2㎞間を往復する形となった。

同社の担当者は「バッテリーを積んだドローンでは国内でも連続4時間の飛行はなかなかない。正確には4時間に達していないが、まずは成功した。前日のデータを解析し、飛び方などを検討したほか、前回の飛行実験からシステムの改良を加えたことも、今回の成功につながった」と話していた。

新潟市ではこれらの実証実験の実施により、3つの波及効果が期待されるという。1つ目は国内で数少ない無人航空機開発拠点としてのPR、2つ目は無人航空機開発拠点や生産拠点誘致による新たな雇用の創出、3つ目は将来的な有人航空機や「空飛ぶクルマ」などの開発・生産拠点の誘致となっている。

今後、同社は長岡技術科学大学などが実施する総務省の委託研究に本機体を貸与するとともに、排気ガスの影響を受けやすい環境観測分野などでの利用を想定した実証実験も進めていく方針。

海岸の150m上空で、直線2㎞間を往復する

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