東北電力、東新潟火力発電所に廃止施設の高効率ガスタービンを転用


東新潟火力発電所4号(4−1号系列、4—2号系列)のガスタービン4台。手前の2台に緊急設置電源のタービンを転用した

東北電力株式会社は、東日本大震災後の電源不足に対応するために各発電所などに設置された緊急設置電源(※)の設備を有効活用するため、昨年10月から東新潟火力発電所(新潟県聖籠町)の4—1号系列に、緊急設置電源のガスタービンを転用する工事を進めている。現在はタービンの据え付けなどは終わっていて、11月19日に運用開始に向けて試運転を行っている。

転用後の4—1号系列の出力は、82.6万kW(一般家庭約115万2,000世帯分の使用電力量に相当)から87.79万kWに増加するほか、熱効率が向上することから燃料消費量や二酸化炭素排出量はともに5%/年削減できる。加えて、再生可能エネルギーによる出力変動に対し、より柔軟な運転が可能になるという。

東新潟火力発電所は、出力計481万kWで、同社最大規模の火力発電所。国内でも3番目の出力を誇理、1号(60万kW)、2号(60万kW)、3号(3−1号系列=60.5万kW、3—2号系列=60.5万kW)、4号(4−1号系列=82.6万kW、4—2号系列=82.6万kW)、港1号(35万kW)、港2号(35万Kw)からなる。このうち3号は、1984年に大容量高効率コンバインドサイクルプラント(ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた二重の発電方式)として運用を開始しているという。

今回、転用工事を行ったのは4ー1号系列。4ー1号系列も大容量高効率コンバインド発電で、LNGを使ったガスタービン(2台)と、ガスタービン(1台)から出る排気の熱(600度)を活用した蒸気タービンを組み合わせた二重の発電を行ない、熱効率55%以上を達成している。

老朽化したタービンを取り外し、秋田火力5号に設置されて昨年3月に廃止となったタービン(軽油、33.3万kW)と、東新潟火力5号に設置され昨年3月に廃止となったタービンを新たに設置した。

転用に際し、秋田5号のタービンはLNG用に改良した。また、いずれのタービンも使用期間が短く新しいことから性能は良いという。

なお、緊急設置電源が廃止されることなく使われ続けているケースはあるが、一旦廃止となった緊急設置電源が活用されるケースは今回が初めてという。

一方、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言の発出の影響により、首都圏の特殊技能者などの(発電所への)入構が遅れるなど影響が出たが、人員配置などを工夫して工期は1ヶ月ほどの遅れにとどまったという。また、工事では2,000人ほどが働いていたが、「入構前の行動履歴の把握や入構時の検温をしっかりやり感染者を出すことなく工事を進めることができた」と同社執行役員 東新潟火力発電所所長の佐藤裕市氏は話していた。

(※)緊急設置電源は、東日本大震災により太平洋側に立地する火力発電所が甚大な被害を受けたことを踏まえ、早急に電力の供給力を確保するために設置した電源

取り外したガスタービン。全長14.1m、直径6.1m、重さ420t。現在、発電所の構内に仮置きしていて、来年スクラップにする予定。一方、転用したガスタービンは全長14m、直径5.8m、重さ407t

中央制御室。今年9月から、ガスタービンの起動確認試験のほか、ガス供給元の多様化や安価なガス確保などを図るため将来に向けて、軽質LNG(シェールガスに代表されるメタン濃度の高い天然ガス、メタン濃度が高いとカロリーが低く燃えにくい)の燃焼試験なども行っている

排熱回収ボイラ。容量高効率コンバインド発電では、まず圧縮した空気と燃料(LNG)を燃やしてタービンを駆動して発電機を回転。このときの排気は600度近くあることから排熱回収ボイラで回収し蒸気を発生させ、蒸気タービンを駆動し発電機を回している



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