テレワーク時代の最新ファイルサーバ

【特集】立体道路化が進む栗ノ木バイパスと新潟市都心部を変化させる2つの計画


栗ノ木バイパス 橋脚の整備イメージ

2020年、新潟市の大動脈である国道7号線・8号線「新潟バイパス」は開通から50周年を迎えた。「新潟バイパス」は新潟市と新発田市を結ぶ「新新バイパス」、新潟市西区・西蒲区を結ぶ「新潟西バイパス」、さらには新潟市を縦断する「栗ノ木バイパス」「亀田バイパス」に接続し、その交通量は全国2位を誇る。

新潟市民、あるいは新潟市へ通勤する人の生活に直結する道路群だけあり、朝夕を中心に渋滞の発生は長らく問題となってきた。特に、紫竹山ICから万代島へ向かう「栗ノ木バイパス」は他の区間と比較しても深刻な渋滞が発生することに加え、事故の発生件数も多い。

こうした問題を解決するため、国土交通省が進める計画が、紫竹山ICから新潟島の古町地域までを進む道路立体道路を含む道路「万代島ルート」だ。同計画は1992年に計画決定。2002年には「柳都大橋」を開通させて万代島と古町の間に新たな経路を開いた。

そして近年、いよいよ栗ノ木道路へ改良の手が加えられ始めている。

 

目次

◎新潟バイパス─柳都大橋間を結ぶ立体道路
◎未来の道路の形
◎「にいがた2km」とともに変わる新潟の都心部

 

新潟バイパス─柳都大橋間を結ぶ立体道路

万代島ルートの全体

同区間では、渋滞に伴って様々な課題が挙げられてきた。渋滞により、救急車などの緊急走行が阻害される事案が発生しているのだ。また、渋滞を避けるために周辺の生活道路を走る自動車や、騒音・振動などの問題など、周辺住民への危険や不便は深刻だ。さらに、JR交差部分の道路は海抜が低くなっていることから、豪雨時には冠水による交通止めが発生する。

「万代島ルート」は紫竹山ICから金比羅通までの区間を立体道路とすることで、これらの問題解決を狙う。栗ノ木道路区間では、通過用の立体道路と、それに並行する生活用の地表道路に上下線をそれぞれ2車線、つまり8車線にする計画だ。

栗ノ木道路の工事の進み方

大動脈の一部へ大掛かりな改良を施すため、工事の進行は4段階に分けて既存の流路を確保しつつ実施されている。現段階は、道路に沿って流れる栗ノ木川の付け替えや地表道路の付け替えを行う最初の段階であり、来春には早くも立体道路の“脚”の建設が始まる。2段階目の完了には数年かかる見通しだが、「この時点でも道路の流通と景観は大きく変化すると考えられる」と国土交通省の担当者は語る。

「万代島ルート」の計画には、紫竹山IC周辺の整備も含まれている。現状、亀田バイパスから竹尾IC方面へ向かう途中には平面交差が存在するなど、道路の複雑化が問題となっているが、こうした点が解消される。紫竹山ICには、栗ノ木バイパスの工事が落ち着いてから手がつけられる予定だ。

 

未来の道路の形

「万代島ルート」の一部である柳都大橋の完成は、新潟市のシンボルでもある萬代橋の交通に大きな変化をもたらした。1999年時点での萬代橋の年間交通量は約6万3,100台だったのに対し、2015年には萬代橋が2万7,300台、柳都大橋が2万2,800台と、柳都大橋が萬代橋の交通負荷を大きく軽減させたことが分かる。

萬代橋と柳都大橋の交通量の推移

実は、メインストリートの交通負荷軽減は、渋滞緩和だけが目的ではない。

国土交通省は今、道路の「進化」「回帰」を念頭に入れて事業を進めているという。情報通信技術、自動運転、自動車の電動化……近年、自動車業界を取り巻く技術とサービスの「進化」はめざましい。しかし一方で、デジタル技術の発展は「都心ー郊外」通勤通学という大量移動モデルにも変化をもたらした。また高齢化問題や環境問題に伴い、都市部では公共交通機関のさらなる拡充が求められ、若年層には自動車のシェアリングサービスなども広がりつつある。「マイカー」による移動を基準に造られる道路網は徐々に変化しつつあるのだ。

2020年11月には大阪府大阪市で、「御堂筋将来ビジョン」が策定された。これは大阪市の中心部を貫く大動脈である御堂筋を「車中心から人中心のみちへと空間再編をめざす」官民連携事業であり、御堂筋完成から100周年となる2037年までに歩行者専用道路化を目指す。

こうした計画は、都市の中心を貫く広大な空間を解放することにより公共空間の賑わいを創出することを狙っている。さらに、土地の緑化や景観の美化、災害時には避難場所・避難経路としての活躍も期待される。国交省の言う「回帰」とは、モータリゼーションで喪失された、コミュニティ空間や生活環境としての道路への回帰なのである。

 

「にいがた2km」とともに変わる新潟の都心部

新潟市中央区古町6番町に貼られた「にいがた2km」のポスター

新潟市は現在、新潟駅から萬代橋を通って古町に至る区域を軸としたまちづくり「にいがた2km」を強く推進している。新潟駅舎の改築と、そのバスターミナルの再整備はこの計画の一環でもあり、ほかにも「古町ルフル」新設や、信濃川沿いを利用する社会実験など、多くの取組が並行して進んでいる。

新潟市の中原八一市長も2021年の年頭会見で「(にいがた2kmなどのまちづくりで)新潟市も勢いを取り戻し、予見性を高め、ヒト・モノ・情報が集まる都市を目指し『選ばれる新潟』にしていきたい」と意気込んだ。

「万代島ルート」は新潟市の再整備計画において、中心部の交通量を肩代わりする役割を担う。「万代島ルート」と「にいがた2km」はまちづくりにおいては正に両輪のように密接な関係となっている。

完成後の新潟駅前広場のイメージ

すでに新潟駅は上越新幹線を通じた首都圏へのアクセスを持つ。一方で、新潟市・新潟県は国と連携し、水素ステーション導入も積極的に検討しており、水素を燃料とした小型モビリティを歩行者専用道路内の公共交通機関として導入するなど、地域特性を活かした新たな交通も検討できる。

御堂筋のように新潟駅前にも歩行者が中心となる空間ができるだろうか──今後新潟市都心部がどのように変化していくかは未知数だが、「万代島ルート」と「にいがた2km」が都市計画に大きな役割を果たすのは確実だ。

 

【関連リンク】
国土交通省北陸地方整備局新潟国道事務所 「栗ノ木道路」

新潟国道事務所が公開している「万代島ルート」の360°VRイメージ動画

 

【関連記事】
【特集】開通50周年を迎えた新潟の大動脈「新潟バイパス」、3月13日にオンライン記念座談会を開催(2021年1月14日)

新潟市が新年度予算を発表、白山浦庁舎については売却で来年度以降に事業者を決定する見通し(2021年2月16日)



無料ユーザー登録すると、コメントを投稿できます。無料ユーザー登録はこちら

0 件のコメント

コメントはこちらから

こんな記事も