【障害福祉で生成AI活用へ】新潟の3事業所が参加し実証実験始動 8月に成果報告会

実証実験の背景や介護業界の課題を語る全国介護事業者連盟障害福祉事業部会新潟県支部の樋口督水支部長

全国介護事業者連盟障害福祉事業部会新潟県支部(介事連障害福祉部会 新潟県支部)と、にいがたAIビジネス株式会社(新潟市中央区)は4月16日、障害福祉分野での生成AI活用に向けた実証実験のキックオフを開いた。参加するのは、特定非営利活動法人あおぞら、放課後等デイサービスLigLig、NSGソシアルサポート相談支援事業所「ソシアルテトテ」の3事業所となる。書類作成や記録、情報整理などの業務負担軽減を図り、利用者支援に充てる時間をどう生み出すかを検証する。

障害福祉の現場では、支援の質を高めたい一方で、記録や計画書、報告書などの書類が多く、現場に割ける時間が圧迫されている実情がある。介事連障害福祉部会新潟県支部の樋口督水支部長は、AIを使いたくても個人情報の扱いや安全な運用方法が分からず、かえって事務負担が増えてしまう現場の不安を説明し、新潟で実際に使えるモデルをつくりたい考えを示した。参加事業所は、会員施設の中から、経営者がAI導入に賛同し、施設種が偏らないよう選定した。

実証実験では、にいがたAIビジネス株式会社の取締役COO朝妻拓海氏を中心に、約7〜8週間で全5回の研修と伴走支援を進める。第1回は5月14日で、まず課題の可視化と業務の棚卸しを行う。

他県でのAI導入事例を紹介するにいがたAIビジネスの朝妻氏

1回目と2回目は集合研修、3回目と4回目は各事業所ごとの課題に応じた個別対応、5回目は標準化と継続運用の整理を行う流れだ。個別支援計画の作成支援、情報の一元化、紙業務のデジタル化、研修前後の業務時間の比較などを通じ、削減した時間を利用者支援にどう振り向けるかまで見ていく。

キックオフでは、3事業所に共通する課題として、個別支援計画や会議録、面談記録、モニタリング報告書などの書類業務に時間がかかること、職員ごとのデジタル活用の差、情報が紙や電話、メモなどに分散していること、個人情報の扱いへの不安などが共有された。

各事業所のあいさつでは、それぞれの現場の課題が語られ、互いに状況や課題を共有。就労支援の現場からは職員間の活用格差や書類作成の負担、児童分野からは検査結果の集計や記録業務の重さ、相談支援からは電話対応の多さと記録化の難しさが挙がった。

新潟市総合福祉会館で開かれたキックオフの様子

今回の実証は事務削減にとどまらず、支援の質と業務の持続性をどう両立させるかを探る試みでもある。

樋口支部長は「自分たちが楽をしたいというよりも、業務効率化で利用者の方々への支援を強化していきたい」と話し、にいがたAIビジネスの大竹崇仁社長も「良い事例をしっかり作ることで、多方面へ広げていきたい」と語った。成果は8月の成果報告会で示される。

 

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