【記者ノート】中東情勢悪化に伴う地域経済及び市民を守る緊急要望書を、妙高市議会の会派が城戸市長に提出

妙高市議会・会派が、地域経済及び市民を守る「緊急要望書」を城戸陽二市長に手渡す様子
城戸市長「既に実施中の施策もあり、今後もタイムリーな対策を打っていきたい」
中東情勢の悪化に伴う原油価格の高騰やナフサなどの石油製品の供給不足などによる影響が全国的に広がっている。そんな中、妙高市議会の会派(秀峰会4人)は6月12日、5項目にわたる「緊急要望書」を城戸陽二市長に提出した。
同会派では、5項目には①市内における情報収集・断続的調査②市内の幅広い業界に渡る関係機関・組織団体との緊急連絡調整会議の開催、及び国への要望③国の補正予算(1000億円)における重点支援地方交付金の増額を国への働きかけ④市内中小企業・小規模事業所への一層の支援強化(相談窓口PRや資金繰り、低利融資・利子補給)⑤燃料費高騰等に伴う一般家庭・事業所はじめ特に市内のスキー場、ホテル旅館等宿泊事業者を守る経済対策-などの対策を求めたもの。
5項目にわたる要望に対して、城戸陽二市長も「これまでも対応に当たってきた。既に現状把握もやっている。実情は業種や店によって違うので対応が難しい面もある。市として何が出来るのか検討して9月議会には出したいが、市民や事業者の実情・影響を推し量り、求められているタイムリーな対応も行っていきたい」などと応じた。
また、「全国市長会もあり、全国の他自治体とも連携も当然あることから、その当たりを見極めながら効果的な対策を打てるものはやっていきたい」とも応じていた。なお、同市はこの4月30日までギフト券発行対策も実施してきている。
建築分野では材料確保出来ず、完成に至らないことも
4日、新井商工会議所(池田和資会頭)を取材したが、平出武専務理事や鈴木陽一中小企業相談所長らは「住宅建築現場では建築材料が確保出来ず、建物が完成出来ないという業者の声も多く、更に建設業界では人手不足や担い手不足が追い打ちをかける。私達のような比較的小さい自治体では、根本的な人口減や需要減があり、様々な業界が苦しんでいる実態がある。そのためここ数年に渡り、商品発行対策を行って来ているが、小売店の売上は残念ながら減少に歯止めがかからないうえ、郊外型店舗やネット通販との価格競争にもさらされている」と厳しい実情を分析している。
なお、同商工会議所の加入事業所は623事業所を数えるが、1年間で35事業所が脱会し、新規加入が21事業所増えた。同商工会議所では、「脱会は小規模事業所が多く、売上不振や後継者が無いための廃業が多く、前途多難であり、今回議会会派から城戸市長への緊急要望が行われたが、地元自治体も当然だが、何よりも国や県の支援に期待したい」とも話していた。
美容分野や観光インバウンドに期待
それでも、「明るい点があると言えば、女性を対象の美容分野では起業家が増えるエステやネイルサロンなどではスモールビジネスとして明るい兆しがある。もう一つは観光分野で妙高山麓の大規模なプロジェクト(ペイシャンス・キャピタル・グループ⦅PCG⦆による『妙高杉ノ原マウンテンリゾート開発』)が進行中であり、赤倉や池の平はじめ更にロッテアライリゾート等ではオーストラリアや台湾、香港、シンガポールなどのインバウンドにも活気があり、若干期待している」とも話している。
更に同商工会議所主導で、市内の日本酒の海外輸出にも力を入れ、豪州や米国等にも日本酒イベントの出展攻勢をかけ、昨年日本商工会議所「事業活動表彰四選」にも選ばれた。
なお、日銀は10日、2026年5月(速報値)の国内企業物価指数をホームページで公表しており、それによると、原油高の影響により前年比6.3%の上昇、輸出物価指数は20.6%増、輸入物価指数も25.5%増となっている。
物価指数の上昇を押し上げているのは、石油・石炭製品や電力・都市ガス・水道、化学製品、非鉄金属などであり、中でも輸入物価指数では原油を精製してつくるナフサや軽油などの石油・石炭製品が圧倒的な上昇の要因となっている。化学製品の上昇もナフサを原料とする基礎化学4品の値上がりの影響を受けたとしている。
竜哲樹(にいがた経済新聞ライター)