「時代遅れの規則は見直す」変わる新潟県警察学校、若者に相次いで門戸

体験入校で白バイにまたがる大学生。新潟県警察学校では若い世代に警察官の仕事を知ってもらう取り組みを進めている
新潟県警察学校(新潟市西区)が、若い世代に警察官の仕事や学校生活を知ってもらう取り組みに力を入れている。7月には地元中学生の職場体験や県内高校生を対象とした体験入校を実施し、8月4日には大学生を対象とした体験入校を初開催した。
サイバー犯罪や特殊詐欺など警察が対応する犯罪が多様化・複雑化する中、同校では警察官を育成する警察学校そのものについても、時代の変化に即したあり方への見直しを進めている。
中学生が制服姿で警察官の仕事を体験
7月7日には、新潟市立小新中学校の生徒6人を対象とした職場体験が行われた。
生徒たちは警察官の制服を着用し、警察学校での生活について説明を受けたほか、パトカーや白バイへの乗車を体験。警察犬の犬舎も見学した。
生活安全教室では、SNSの適切な利用方法や「闇バイト」の危険性などについて教官から学んだ。講義後には体験や学びを踏まえた交通安全標語を短冊に書き、警察学校の正門付近に設置された七夕の笹に飾り付けた。
参加した生徒の一人は、「警察犬が大きくて、とても強そうだった」と笑顔を見せた。
警察官については「今までは正直、怖いイメージがありました」と話す一方、実際に警察学校を訪れたことで「仕事の大変さを理解できましたし、とても魅力的な仕事だと感じました」と印象の変化を語った。
体験終了後には、左京秀明学校長から6人に修了証が手渡された。

参加した中学生が自ら作成した短冊を飾り付ける様子

体験終了後には左京校長から修了証が手渡された。
高校生46人、VRや模擬捜査を体験
続く7月28日には、県内の高校に通う高校生を対象とした体験入校を開催し、46人が参加した。
体験入校は、警察官の仕事に興味を持つ高校生に警察学校での授業などを見学・体験してもらい、警察業務への理解を深めるとともに、将来の警察官採用につなげることを目的としたもの。新潟県警の「地域安全貢献プログラム(NCSプログラム)」の一環として実施された。
当日は県警音楽隊による演奏のほか、VR(仮想現実)を活用した自転車走行体験、窃盗事件を想定した模擬捜査、インターネットを利用した捜査など、実際の警察業務を意識したプログラムが行われた。
下越地方の高校に通う女子生徒は、「警察学校の雰囲気や、さまざまな教官が優しく接してくれたことが印象に残りました。より警察官になりたいという気持ちが強くなりました」と話した。

参加した高校生による捜査体験の様子

VRによる自転車走行リアル体験の様子
大学生向けは初開催、特殊詐欺やサイバー犯罪捜査も
8月4日には、県内外の大学に通う大学生を対象とした体験入校を初めて開催した。男性10人、女性7人の計17人が参加した。
参加者は職務質問をはじめ、特殊詐欺の「だまされたふり作戦」、インターネット上の犯人を追うサイバー犯罪捜査などを体験。その後、寮を含む学校内外の施設も公開され、終了後には参加者全員に左京学校長から修了証が授与された。
東京都に住む男子大学生は「体験してみて、警察官の職務の大切さを身に感じた。特に、だまされたふり作戦は犯人を捕まえるためにとても有効だと感じた」と振り返った。また、警察学校で食べた昼食についても「カレーライスはかなりおいしかった」と笑顔を見せた。
県内の大学に通う女子大学生は「寮の中や風呂場など、全ての生活場所を見せてもらい安心した。実際に今、寮に住んでいる学生からも直接話が聞けたので、とても心強く感じた」と話した。

特殊詐欺捜査体験の様子
「警察も変わり続けなければならない」
一連の取り組みの背景には、警察官を取り巻く環境の変化と、それに対応する警察学校の改革がある。
左京学校長は中学生の職場体験の際、「警察学校に残る時代遅れの規則は、時代に即したものへ見直していく必要がある」と指摘。警察官の仕事の厳しさは伝える必要がある一方で、「これまでのように指導そのものまで厳しくある必要はない」との考えを示した。
高校生の体験入校でも、警察官が担う業務や求められる捜査能力が多様化・複雑化していることに触れ、「時代の変化に対応できる人材を警察学校で適切に育成していきたい」と話している。
さらに大学生の体験入校では、サイバー空間の拡大や匿名・流動型犯罪グループの台頭など、急激に変化する社会情勢を挙げ、「警察が治安責任を全うするためには、警察も変わり続けなければならず、警察官が採用されて必ず入校する警察学校の在り方にも、これまでにない変化が求められている」と語った。
その上で、「揺るぎない正義感と豊かな人間性にあふれる警察官を育成する警察学校では、若い人の挑戦を待っている」とし、今後も警察官の仕事への理解を深めてもらう体験入校を積極的に開催していく考えを示した。

新潟県警察学校の左京秀明学校長