【記者ノート】新潟県上越振興局が令和4年3月発生の吉川区川谷地区の地すべり工事の現況報告

県上越振興局の継続的な現地説明会に地元住民も駆け付けた(旧川谷小学校の川谷体育館)
吉川区川谷の地滑り工事の県上越振興局による継続的な地元説明会(6回目)が開かれた 上部の落岩(石)で約2年近く工事進捗遅れたものの、11年度中の道路開通の目標変らず
令和4年3月16日、上越市吉川区川谷地区で大規模な地滑り(幅約55㍍・延長約170㍍)が発生し、依然として主要地方道大潟高柳線の交通止めが続いているが、その後も降雨時に上部の滑落崖背後斜面の表層崩壊や現道山側の落石が続くなどし、地滑り工事の進捗が遅れていることから、地域住民らからは一日も早い開通を望む声も高まっている。
そんな中、県上越振興局による地滑り工事進捗の6回目となる継続的な説明会が8月24日、現地の川谷体育館(旧川谷小学校)で実施された。同地域の住民はじめ関係者など約20人が駆付け、同振興局地域整備部の風間克則維持管理課長らの説明に耳を傾けた。この日の説明の主眼は「当初予想にはなかった上部での岩の塊の落下が続くことから、それらの岩を撤去しながらの法枠工という法面整形に大変な時間を要し、進捗が約2年遅れとなってしまった。早期開通に向けて全力を挙げており、仮設であれ道路復旧は11年度中の当初目標は達成したい」とのことだ。なお、今回の現場付近では2005年6月にも大規模な土砂崩れがあり、復旧には約1年半を要した。
平均傾斜が30°を超え、1~3期の難工事、工法検討重ねて、住民の不安払拭に努める(令和14年度完工目指し、総工費17億円)
県上越振興局のこれまでの説明も含めて、この日も地滑り工事は1期2期3期に渡り、1期では滑落した山側で頭部法面整形や横孔ボーリング等排水工、2期は出合川に土砂流失した道路下側の補強土壁工など、3期には復旧道路工事や雪崩柵の防護補強土擁壁工などが続けられることになると説明した。なお、この地滑り規模による深さは15.75㍍(最大深)にも達し、推定移動土塊量も49千立方㍍にも及んだ。更に地すべり発生斜面は平均傾斜が30°を超える急傾斜地であることから、大変な難工事であり、このため工事期間も長きを要すると説明して来た。
この日も地すべり発生以来、同振興局も出来るだけ早い開通を目指しており、昨年9月以降当初予想になかった上部の落石・落岩に遭遇してしまったものの、これからも様々な工法の検討・実施を重ねながら、早期の交通止め解消や復旧工事の全体像を改めて明らかにし、地域住民の理解を求めたものだ。なお、上越振興局では、難工事ともなった地滑り工事全体について、令和14年度までに完成させたいとしており、総工費は約17億円と見積もっている。
遠回りの藪中の迂回路(軽トラのみ)の改善を県と市でやる(砂利・コンクリート整備区間延長)
なお、地滑りの土砂は県道を約100㍍に渡って塞ぎ、斜面沿いの県道の上下の土砂を合わせると約300㍍の広がりにも及んでいる。県道が寸断された上部の上川谷には高齢者世帯など3世帯が住んでおり、確かに大島区側からの迂回路があるものの生活に支障が出ている。この日の説明会に出席した高齢者からは「親族に交通止め区間の下で車を待機して貰い、交通止めの所を上から歩いて通行させてもらえないか」との要望に、同席した工事関係者は「普段は大変危険だが、病院に行くなどどうしてもとの声には安全に万全を期しながら何とか対応したい」とも応じていた。
寸断された県道の下の川谷地区で稲作を行っている上川谷に住む石川盛和さん(53)(地域おこし協力隊OB)は取材に「まもなく5年近く経ち、不便であり遠回りを余儀なくされ稲作で大変困っている。出来るだけ早い開通を願っている」と深刻に話していた。なお、この日上越振興局の担当者からは「現在の迂回路(軽トラのみ)の道路改善に向けて、県と市で砂利やコンクリートによる整備部分区間を延長したい」と住民らに提案していた。
竜哲樹(にいがた経済新聞ライター)