【ペット産業最前線】ペット葬祭センター(新潟市北区)が納骨堂などリニューアル、個室も増設し「別れの時間」を整った心持で

新潟市北区太夫浜の「ペット葬祭センター」

国内のペット関連市場は近年、人口減少を受けて飼育頭数そのものは減少しているものの、市場規模自体はここ10年間でも右肩上がりの成長を続けている。これは言うまでもなく、ペットを家族の一員やパートナーと考える飼育者が増えていることが背景。個々のコストの傾け方が年々大きくなっているためだ。

株式会社ペット葬祭センター(新潟市北区)は、1987年から新潟市北区太夫浜に、当時新潟県で2番目のペット霊園「ペット葬祭センター」をオープン。こちらでは飼い主の希望によって人間と同じように「葬儀(セレモニー)」「火葬」「納骨」を別々に行うプランに対応しているのが特徴。

セレモニーを執り行う斎場

納骨堂

新潟市で最大規模の墓地公園「太夫浜霊園」に隣接していることもあって利用者は多く、現在は月に200~300件の葬儀を請け負っている。同センターでも開業当初は「合同葬」の比率が多かったが、近年は圧倒的に「立会葬」が多くなっているという。

冒頭のような社会情勢もあり、この9月に施設の主屋を増築・リニューアルした。新たに葬儀・火葬・収骨を行う個室を 2 室新設すると共に、新潟県内では前例の少ない「納棺の儀(お見送り式)」を施設内で行う設備を導入した。

新たに増築された個室。こちらで納棺式や収骨式も行う。プライバシーの守られた空間で、ゆっくりと最期の時間を過ごすことができる

「納棺の儀」の前に湯灌で体を綺麗にする施設も新たに設え。末期の水をとらせた後に個室で納棺式を行い、その後に場を斎場へと移して葬儀を行う。まさに人間界と同様の流れであり、長年連れ添った家族に対してできる限りの供養をしてあげたいという飼い主のニーズに応えたものだ。

葬儀が終わって、火葬が完了するのを待つ時間、家族はこの個室でプライバシーを守られながら過ごすことができ、そのままその場で収骨を行う。

近年は「お骨を持ち帰りたい」という飼い主が多いという。骨壺・骨箱などのセットも用意されている

ペット葬祭センターの富山聡仁専務は「人目を気にせずに、プライバシーの守られた場所でゆっくりお見送りをしたいというご要望が多かったのです。どうしてもよその家の声や人影などは気になりますし、悲しみの涙に暮れている光景や愛する家族の亡骸をよその人に見られたくないという方もおられます。個室をご利用いただくことで、最初から最後まで人目に触れずに最期の時間を過ごしていただけるようになりました」と話す。

「大事な別れの時間を、ゆっくりと一緒に過ごしたい」という要望。これは、人間界で近年「家族葬」などの小規模葬が増えているのことと重なる。一緒に過ごした想い出に浸りながら、最後はより密接に、濃密な時間を送りたいのだ。

ペット葬祭センターでは2014年に施設の大規模リニューアルを施した後、2020年にも納骨堂を改修した。今回も含めて、近年は比較的短いスパンの中で施設のリニューアルを行っている。これについて富山専務は「利用される方は深い悲しみを乗り越えて、続きの人生を生きていかなければなりません。せめて気持ちよく使っていただいて、心を整えられて帰っていただきい。そうした思いから、常により施設へという環境づくりに注力しています」と話す。

これは人間の葬儀もペットの葬儀も、残された人たちの想いは同じだ。ひとつとして同じ葬儀はない、と考えた時に、プライバシーの守られた空間で「思い切り泣ける」ことに対する需要は大きいと感じた。

【関連サイト】

安らかな旅立ちのお手伝い ペット葬祭センター

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